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100マイル走で確認できたこと ③消化吸収を支えるもの

初めましての方もそうでない方もこんにちは。

やま施術院代表の山本と申します。

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前回の「マッサージ」編はこちら

前回までの2回はテーピング・マッサージなど運動器に関しての内容でしたが、今回は消化吸収といった内臓器について。特に専門としているわけでもないですし突き詰めてから書き始めているわけではありませんが、ほとんどの方に当てはまることなので書いていきます。シンプルながら的を得ている考えだと思いますのでぜひご一読。

結局、食えるか食えないか

100マイルを走るとなると必ずと言っていいほど通らなくてはいけないこと。
『食べる』こと。

よっぽど脂質代謝が良いトップランナーであっても一度は何かしら食べないと完走できません。もし、全くの平坦の場所で心拍数を常に低めの数値で一定(すなわち脂質をメインのエネルギー源としている状態)だったとしても100%脂質だけで賄える距離と時間ではないのでやはり何か食べないといけない。

ここで重要なポイント。正しく食べたものを消化・吸収できるか?それ以前に食べられるか?ということ。

これまでトレイルランニングレースに短いのから長いのまで色々と出てきましたが、走りきれない方は以下の理由がほとんど

①転倒など怪我をした、身体に局所的な痛みが出た
②熱中症など体調不良になった
③食べられなくなった

単純に走力不足で「ダメだったー」って方はほとんどいないんですよね。
今回は③の「食べられなくなった」がテーマです。

明らかに僕よりも走る練習をしている方でもレースになるとDNF(Do Not Finish=リタイア)する方を何名か知っています。

色々話を聞いてみるとほぼ当てはまるのが「食生活の乱れ」です。

1日に口にする食べ物の90%以上がコンビニ製品だったり、お酒飲み過ぎ、甘いもの食べ過ぎ、ラーメン大好きなどなど一般的に見ても明らかに乱れがはっきりしているものから当人は食事に気をつけているつもりでも実は間違っているものなど様々です。

中にはどれだけ乱れた食生活をしていてもレース中いくらでも食べられて、気持ち悪くならない方もいます。僕もその一人。なんでも食います。

この食べられなくなる人と食べることができる人との差は「腸内環境の多様性」と考えています。

食べ続けられる=消化吸収ができる=腸内環境が整っている
食べられない=消化吸収ができない=腸内環境が悪い

この腸内環境の良し悪しを「なんとなく」で片付けるつもりはなく、ちゃんと検査で確認しています。半年前のnoteで既に書いてますので具体的な数値を知りたい方はぜひどうぞ。

要点だけまとめると善玉菌の主役格「ビフィズス菌」を日本人平均の7〜8倍、僕の腸は持っていますよ、ということ。

もちろん、消化吸収だけに関わる腸内細菌ではなく、免疫系にも関与するのでありがたいことにアレルギーは一切ありません。(遅発性食物アレルギーも反応はほとんどありません)

この腸内環境が整っているのもあり、ずっと食べられて、常に消化吸収し、エネルギーを生み出すことができます。

詳しく書くとめちゃくちゃ長くなりますが、食事以外も24時間の一挙手一投足が全て関与します。食事内容がどれだけ良くても人間関係が希薄だったりすることでストレスを無意識的に感じているかもしれません。すべてのバランスが大事です。

食べられなくなった時の対処法

これは日常でもそうですが、食欲が出ないときや長い距離のレースなどでぜひ試して欲しいのですが『温かいもの』を摂ることをオススメしています。

食えなくなったら『温める』

胃腸の蠕動運動だったり細菌の働きだったり人間の行動にはすべて「熱」が必要です。
運動をすると体内にある血液(血が熱を運びます)が筋肉に多く流れることで身体が暖かくなります。運動直後の身体はあったかいですよね。
反対に、運動中は内臓は働かなくても良いので血流量が減少します。
血液の行き先を適材適所で自動で変更しているんですね。人間ってすごいね。

一般的なスポーツであればそれでいいんですが、100マイルを走るとなると筋肉も動かさないといけないし、食べ物を消化吸収しないといけないので内臓も働かせないといけない。どっちも大事。

筋肉は走っていれば勝手に熱を生んでくれるので良いのですが、内臓はそうもいかない。血流が減って内臓の機能が落ちることで「食べれない」状態になり、気持ち悪い→エネルギー切れ、となります。

なので、熱を筋肉から内臓をメインに戻す必要があるのでそのために「温かいもの」を摂ることをオススメしています。

お湯、スープ、味噌汁など液体が特に良いですね。合わせて食べやすい麺類を摂ることで糖質補給もすると良いかと。

とにかくお湯飲んどけ

熱を内臓器に与えることで働きを活発にして、しっかり消化吸収してもらいます。

走っていると内臓の冷えに気付くのは難しいですが、距離と時間が伸びれば伸びるほど必ず冷えます。特に冬場なんてすぐに。

なので時期にもよりますが水は常温を携帯、エイドでは可能なかぎり温かいものを優先して飲み食べしています。

心拍数と食欲

これに関しては深く追求してませんが、一般的に心拍数が増えれば筋肉の活動量が増えるため、熱が筋肉へ奪われます。その分内蔵は冷えます。
しかし、やはり心拍数が高い=運動量が多い=速い、となるので一概に心拍数を抑えれば良いわけではない。(特にタイムや順位を狙うのであれば、健康目的であれば気にしなくてOK)

基本的に心拍数と食欲は反比例する

心拍数が低くても速い移動速度が出せるトレーニング(ランも身体技能向上などすべて)も必要ですし、心拍数がそれなりに上がっても食べられるように日々の食生活・無駄なストレスを減らすことなど正しく管理していく必要があります。

この辺は人それぞれ目的にもよりますので一概に「こう!」とは言えませんが、『食べられなくなったら温めようね』は養生法の基本中の基本ですのでそれに乗っ取って健康的に運動を楽しんでください。


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やま施術院 山本将也

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