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焚き火から学ぶ「ゆとり」の重要性 by Bike Packing Short Trip③

前回までの記事はこちら

ゆとりが無いと火がつかない

およそ50kmの行程をのんびりと景色を楽しみながら昼過ぎに目的地のキャンプ場へ到着。受付を済ませ、川沿いのテントサイトにタープを貼る(虫がいない時期や晴天時は大体タープを選んでいます。開放感が好きなので)。

確認したところ直火で焚き火OKとのことだったので薪にする枝を拾い集め、数時間は火を維持できるだろうと思われるくらいの量が集まったら火起こしの準備。

焚き火自体は何回もしていますが毎回焚き付けが難しいと感じる。火種を何にして、燃え上がった火が広がりやすように細い枝や乾燥した松の葉などを適度に載せていく。その際、早く火を大きくしたいからと沢山枯葉をおけば良いかというとそうでもない。火が燃え上がるには酸素が必要です。(小中学生の化学の実験でやりましたね。)ここでいう酸素は「風通り」のこと。火種から火が燃え上がった際にすぐに大量の薪や枯葉を載せてしまうと空間が狭まり、酸素が供給されず、火が消えてしまう。
上手く火を絶やさないようにするコツは「適度な空間のゆとりを作ること」

すぐに燃えるものも近くにあるし、風が流れる道も確保されている状態。その状態を継続していくと自然と火が広がり、そうそう消えないようになりひとまず安心。

焚き火と豊かさは同じようなもの

ここで焚き火をそのまま日常に当て嵌めてみる。
適度なゆとりが無いと火がつかないのですが、日常生活においても時間的な経済的なゆとりが無いと豊かとは言えないのではないか、と考えます。
逆にゆとりがあり過ぎる、焚き火で例えるなら火種の近くに燃え広がるものが何も無い状態。その状態もすぐに鎮火してしまいます。

①火種・・・本人の意志や行動
②薪や枝、枯葉・・・意志や行動をサポートする情報、知識、道具、欲、人間関係、お金など
③空気の通り道(空間)・・・①と②のバランスをとるもの

①②③が揃ってやっとちゃんとした焚き火が出来上がります。どれが欠けても出来ません。

②の薪が大量にあっても③の酸素がなければ火はつきません。
イメージ:情報や道具に溢れすぎていて家の中も頭の中もごちゃごちゃしている。
①の火種だけが強くても②の燃やすものがなくても火は消える。
イメージ:やる気だけはあります!でもカネもコネも何もないし実力もありません!

大小こそあれ、バランスよく上記3つが揃うことで焚き火(=豊かさ)は得られるのでは無いかと思います。

一人でこっそり楽しむ小さな焚き火を目指すのか周りでマイムマイムができる規模のキャンプファイヤーを目指すのかで①②③の絶対量が変わります。しかし、バランスは変わらない。

ゆとりがありすぎると火は消える。無くても消える。実に難しい。
結局のところ「ゆとり」という『中庸(moderation)』という言葉に毎回落ち着いてしまいます。

焚き火も「道(tao)」に通ずるのだ。(たぶん)

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つづく



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