管理会計において社内取引・社内売上を設定するメリット・デメリット(その2)
以前、管理会計において社内取引・社内売上を設定するメリット・デメリットを記載しました。
今回は続編として社内取引・社内売上を設定するメリット・デメリットを別の確度から記載します。
改めて社内取引・社内売上とは?
社内取引とは、社内での売り上げに関する取引を行うことです。
もう少し具体的に言うと、A社では製造部門と販売部門と分かれており、製品を製造部門で作ります。
この製品を販売部門に製造部門が販売することを社内取引と言います。
なぜこのような取引を行うかというと、会社によって部門ごとで予算が割り当てられており各部門が予算を達成したら特別手当が出ると仮定します。
この場合、それぞれの製造部門ではできるだけ高く販売部門に売りたいですし、販売部門は反対に安く仕入れて利益を挙げたいという状況になります。
そうすると自社の製造部門で製造したほうが市場で購入するよりも安く販売部門は手にはいること、製造部門は生産した分だけ確実に販売部門に卸すことができるため無駄が少なくなるからです。
その他のメリットやデメリットについては後述します。
社内価格の決め方
社内取引を行う際の適正な価格の決定方法について説明します。
社内取引を行う際に、販売部門としては市場で購入するよりも安く手に入れることができ、製造部門は原価よりも手間賃分を上乗せして販売することで多少の利益を得ることができます。
このようにお互いが得をするような価格で社内取引を行われることが一般的です。
上記のような条件を満たす価格は、第三者である管理部門などが行うことが多いです。
社内取引をするメリットとは?
社内取引を行うメリットは、「製品の価格・利益を統制することができる」ことと、「支店・部門ごとに損益を把握すること」の2つが挙げられます。
例えば全国に支店がある場合の企業だと、同一製品を仕入れるにしても地域によって価格差や費用の金額にばらつきが生まれます。
そのまま支店ごとに製品を作成して販売してしまうと、支店ごとに価格がばらばらとなってしまいます。
このようなことをなくし、会社の商品の販売価格を統一することができるのは社内取引のメリットと言えます。
また、社内取引を行うことで各支店・部門ごとの損益をより明確化することができます。
社内取引を行い期中において部門や支店ごとの損益を計上することによって、正確な損益を計上できます。
会社単位で見れば最終的には社内取引の金額は決算書上0となるように相殺しますが、期中での部門や支店ごとの売り上げ・仕入れが把握できます。
社内取引を行うデメリット
社内取引を行うデメリットは、社内取引を行うことでコストや手間が余分にかかってしまうことです。
例えば社内取引の価格をを決定するには第三者の立場である管理部門の方を間に入れることが多く、その分余分に人件費もかかってしまいます。
仕分けに関しても社内取引は通常の売上や仕入れとは別に計上する必要もあるため、余分な手間がかかっているとも言えます。
ここでもう一度考えていただきたいのは社内取引を行おうと思った目的は何だったのかです。
その目的は本当に社内取引を行わなければ達成できないのか、目標に対して費用や手間がかかりすぎていないかを再確認して社内取引を導入するか検討してみて下さい。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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