見出し画像

グラノヴェッターの「弱い紐帯の強み」

グラノヴェッターの「弱い紐帯の強み」

Granovetter, Mark [マーク・グラノヴェッター]
アメリカの社会学者。ネットワーク理論。スタンフォード大学教授

画像1

ソーシャルネットワークと仕事の獲得 
Social Networks and Getting a Job: Mark Granovetter 
※リンクをクリックするとYoutubeが開きます

The strength of weak ties

人と人とのつながりにおいて、家族、友だち、職場、学校など毎日頻繁に会ったり、深い話までできる仲のつながりと、年に1,2回しかメールのやり取りをしないようなつながりがある。前者は「強いつながり」であり、後者は「弱いつながり」と言える。

つながりとつながりを結ぶ糸や絆のようなものを、グラノヴェッター博士は「弱い紐帯(ちゅうたい)」と表現した。強いつながりだけのなかで生きているとその中での濃い情報は入ってくるかもしれないが、重要な情報がはいってこないこともある。弱いつながりと結ぶ「弱い紐帯」がいくつもあると、外部から入ってくる情報の中に、新しい情報や欲しかった情報がはいってくることがある。

例えば、求人の例をあげ、企業が求人情報を出すとき、まずは身近な人へ声をかけ、見つからないときは、知っているが親密ではない人に、声をかけ、徐々に広がっていき、この薄く細いつながり(弱い紐帯)をたどって、求人に結びつくことがある。

また逆に、転職しようと思ったとき、家族や学校など濃い繋つながりだけの情報より、薄く細いつながりの先から「◯◯くんの興味のありそうな仕事がこんなところで求人出てたよ」と、教えてもらえることもあるかもしれない。

グラノヴェッター博士による調査では、転職活動の際、16%は濃いつながり(頻繁に会う人)から得た情報で転職に至ったのに対し、残りの84%は、薄いつながり(たまにしか会わない人)からの情報で転職に結びついたという結果がでたそうです。

ネットワークは一夜にしてならず

日ごろからちょっとした声かけや、普段行かないところへ顔を出す、ゆるやかにつながるなど、多様なネットワークをもっておくことが大事ですね。

参考資料

参考図書:
リーディングス ネットワーク論―家族・コミュニティ・社会関係資本
第四章:弱い紐帯の強さ

参考動画:
ソーシャルネットワークと仕事の獲得 
Social Networks and Getting a Job: Mark Granovetter 

山咲サクラ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?