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アラサー女3人、健やか同居生活の記録。

出会って9年になる大学時代の友人2人と、ひょんなことで一緒に暮らしはじめて1年と少しが経った。

初めましての人との会話で「同居人が〜」と発言するとほぼ100%で同棲中の彼氏と思われるくらい、アラサー女3人暮らしはそうそうにない、らしい。

同居に向けて進めていた時「これからも友達でいたいなら距離感は大事だよ」と忠告されたり、いざ同居がはじまったら「ぶっちゃけ何かあるでしょ?」と心配されたり、物珍しさで色々質問されたりもした。

正直なところ、ご指摘の通りめちゃくちゃ不安はあった。同居してる友人たちとは一生箸が転がっただけでケラケラ笑える仲でいたいと思ってるので、関係に亀裂がはいるようなことにはなりたくない。何かあろうものなら「悪いところ全部直すからあ」とメンヘラムーブかましてでもなんとか友人でいたい。
そんな秘めた決意と「わたしは本当に生活が下手くそなので、何かあったら遠慮なく言ってくれ…!!」と切に頼みこんでからはや1年と少し。

想像以上に健やかで豊かな暮らしをしている✌️

ダイニングテーブルには花が飾られ、テレビにはあらゆる動画配信サービスが同期。広いキッチンに広い洗面台。ホームパーティーもできる日当たり良好の3LDK。

「おはよう」「働きたくね〜」「休め!休め!」なんて言いながら洗面台に並んできっちり化粧して、バタバタと出勤していく朝。
「もう1年経ったね」「なんかなんもないよな」「平和だね」とほのぼのと話をしながらお茶会したこの前の夜。

健康で文化的な最上級の生活、といっても過言ではないのだ。本当に。

「女・3人・同居」を心配する人はおそらくセンターを巡ってバチバチするアイドルグループ的なものを連想しているのかもしれない。深い友情はとてつもないほど心強いが、時としてあっけないほど脆い。婚期が遅れるとかいう謎の心配は無視します。そんな言うなら誰か紹介してくれ。

ところがびっくり、わたしたちは三位一体のPerfumeのような調和を保ち生活している。3という奇跡的な数字のもと集った絶妙なバランス。楽しい時は高速で喋りながら腹抱えて笑い、悲しい時はとりあえず美味しいものを食べる。

Perfumeオフィシャルサイトより

いや、でも冷静にわたしたちはここまで運命共同体ではない。「「「Perfumeです」」」と声を揃えることすらできないだろう。同じ衣装を着ることになっても必ず誰かが「これなんか違わん?」と言う気がする。

そもそも高校生の時同じクラスだったら、確実に一緒のグループではない。服の好みも聴く音楽も全然違う。共通の話題は漫画やアニメだけど、好きなキャラもひとつだってかぶらない。「あの作品よかったよね」と熱く語り/語られても、「よくわからんかったわ」と一蹴する/されることも日常だ。

もっとバラバラで、でも何故だか心地よい奇妙な関係。

THE ALFEEオフィシャルサイトより

THE ALFEEだ。

(このオフィシャルサイトのアー写なのに、3人が違う方向みてる感じが"まさに"である)

わたしたちはお互いのことを「変わってるな」と思いながら「そういうもの」として受け入れ、その上で各々の価値観に基づき生活をしている、と思う。
一緒に暮らせるなと思えるくらいの「近しい友人」でいながらも「あくまで他人」というラインをきっちり引いている。その不思議な距離感が同居生活の歯車を上手く回しているような気がする。

同居人たちとは来年で10年の付き合いになるが、知らないことのほうが遥かに多い。話してないことも沢山ある。でもそれがいいな、と思う。各々が話したければ話すし、それをちゃんと聴いて応えてくれる。例え自分だけが知らない話でも疎外感はなく、何か必要な時には声がかかるだろう、という信頼だけがそっとある。

互いを尊重し、違いを面白がれるユニークな友人たちとは、もはや友人というよりも人間として純粋な信頼関係を築けているのかもしれない。

久しぶりに全員家にいることが判明し
勢いでピザを頼んでコーラで乾杯した夜。ザコ写。

そんな同居生活も普通賃貸契約に従ってあと1年もない予定だ。アラサーが3人集えば人生色々あるので最初から2年と区切りを決めている。

つまり来年を迎えるころには一人暮らしに戻っている、のだ。…考えるだけでもう寂しい。

今同居している友人たちの前も別の友人と面白おかしく暮らしていたので、誰かと住んで4年を経た一人暮らし。再開した暁には、寂しさで普通に泣いてしまいそうだ。(実家出た時は全然泣かなかったのに)

この不思議な同居生活は解散したあとも「あの時一緒住んでたのウケるね」と一生話せる思い出になるだろう。というか1年経ったけど未だに「一緒に住んでるの意味わからんな」と不意にじわじわくる時がある。

と、まあここまでいい感じに記録としてまとめたものの、わたしの主観でしかなく、同居人2人がどう感じているのかはわからない。解散するときにでも2人にも話を聞いて、いつかの笑いのタネにでも記録として残しておきたいと思います。

おしまい。

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