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おそらく答えのない問いとしての、企業の規模の問題、しかも“規模”の質がかわりゆくなかでの。2021年度大阪分校パーソナルコース_02

今日(2021年6月27日)は、Xデザイン学校大阪分校パーソナルコースの第2回でした。休憩が入るとはいえ、5時間ぶっ通しのゼミなので、やってる間は気分が昂ってるので何ともないですが、終わって晩酌でもしようもんなら、あっという間に疲労睡魔に襲われます(笑)しかし、ほんとに私にとっての通常とは異なる実践ベースの深い学びなので、心地よさはあります。

先生方も報告するゼミ。

このパーソナルコースの特徴といってもいいと思うのですが、先生方も報告をされます。もちろん、それを「講演」と捉えてもいいのですが、人数も少ないですし、他の参加者の方々と応答が入りながらの報告になるので、他のコースとはちょっと違う趣で進みます。

今日は、浅野先生、今回から加わってくださった水本先生、佐藤先生のお三方の報告でした。内容は省略しますが、実質的初回といっていい今回の構成で、いよいよパーソナルコースが「ゼミ」であることが私のなかで確定しました(笑)

世の中に「ゼミ」を冠した学びの場は多くあるようですが、仄聞し、また垣間見るには、「先生」の一人しゃべりを「学生」がありがたく拝聴するようなスタイルも少なくないようです。しかし、そんなもんはゼミではありません(←これは、大学教員としての私の信念)。

東京のさる有名大学ではゼミのことを「研究会」と呼ぶとのことですが、これはまことに至当な名称だと思います。

Xデザイン学校のパーソナルコースがその線上にあるわけではないですが、深くまで掘り下げた議論ができる点では「研究会」的なゼミといってもいいと思います。あんまり書きすぎると宣伝めいてアレですが、ビギナーコースからパーソナルコースまで揃ってる私設学校(私塾)というのは、他に例がないのではないかとも思います。

ここは掛け値なしに、これからの学びのありようの一つだと思ってます。それを実感的に身につけるべく、ここに学びに来てるというのは、まちがいなく言えることです。

みなさんのご報告から / 一緒に学ぶ。

これがね、ほんとに濃いんです。今回から、実質的な内容に入ったんですが、4チーム(4社)さんのご報告がもちろんながら、ガチな内容に。こんなん言うたら怒られるかもですが、聴いてるだけで学費分の元が取れる(笑)

参加されてる企業さんそれぞれに、企業規模や事業規模、問題状況なども違います。歴史も違います。そのうえで、これから企業をどう発展させていくのかをサービスデザインの視座から考えようとされてるわけです。濃くならないわけがない。だから、すごく充実してます。

私の報告。エコシステム志向的な経営学の構築に向けて。

私自身も、もちろん報告をさせていただきました。といっても、いわゆる研究者コミュニティでの研究会や学会のときのように(自分なりに)研き上げて報告するというより、「思索の垂れ流し」を恐れずにしゃべらせてもらいました。なので、かなり散漫な内容だったと思います。

ただ、しゃべらせてもらうことで、ぼんやり考えてたことを言語化=外化=客体化できたので、少しだけ問題状況が整理できたような気もします。

同時に、あらためて考えなければと思った点があるので、忘れないうちに、以下に書きとめておきたいと思います。

おそらく答えのない問いとしての、企業の規模の問題、しかも“規模”の質がかわりゆくなかでの。事後省察。

エコシステム志向的な経営学を考えるうえで、プラットフォーム、あるいはプラットフォーマーという概念は、当然ながらきわめて重要になります。ただ、これも定義が難しく、いろんな用いられ方をしているのが現状です。概念それ自体が考えるための用具であるので、唯一絶対の定義などそもそもありません。けれども、経営系の用語は往々にして「独自定義」が蔓延するのも事実で、このあたりは詮議が必要です。

で、このプラットフォームという概念、もちろんさまざまな定義がありますが、根来龍之先生のレイヤー構造への着目は有名です。また、Bach, N.らによって著された“Organisation : Gestaltung wertschöpfungsorientierter Archtekturen, Prozesse und Strukturen”(第2版、2017年)では価値創造アーキテクチャという概念が用いられていて、プラットフォームという言葉は出てきませんが、明らかにプラットフォームを意識した議論展開になっています。

ここでは、概念詮議については書きませんが、明治大学の渡邊恵太先生が提示されたPDUモデルに即して考えれば、複数のDeveloperがそのプラットフォームを利用する複数(多数)のUserの生において欲せられる効用(サービスドミナント・ロジック的に言えば“Service”)を、さまざまなデータを介して提供していく基盤となるアーキテクチャ(関係的骨格)と、ひとまず捉えることができます。

プラットフォームそのものについての議論は、すでにあるのでひとまず措きます。

ここで考えたいのは、エコシステムあるいはプラットフォームをベースとして経営の問題を考えるとき、従来のような個別企業の単体的収益性だけで議論ができなくなるという点です。収益性だけではありません。企業規模、さらにもっと大事なのは、その企業が展開しうる関係性の質や範囲(これをひとまず「関係性の規模」と呼んでおきます)です。

どのようなエコシステムを構築したいのか、あるいはエコシステムの構成アクターとなりたいのかによって、このあたりをどう構想するのかが変わってくるのではないかと思うのです。

そんなことを考えました。

このnoteはあくまでもXデザイン学校の私の振り返りで、論文ではありませんので、綿密な考察はここでは書きません。ご容赦を。

できるかな、でもやらないとな。な、こと。

ある意味で、Xデザイン学校大阪分校パーソナルコースって、最前線での学びだと思います(最先端でもあるかもしれません。ただ、それ以上に最前線という感覚は強いです)。その意味で、実証的な論文を書くためというよりは、まさに構想的な思索を言語化していくのに最適といえそうです。

もともと実証的な研究スタイルではない私なので、その意味では向いているのかもしれません(笑)

構想的な思索はおもしろい反面、ほんとにそうなのかわからない側面もあります。が、もう私も中年なので、そろそろそういうところに挑んでみてもいいのかもしれません。経営学史という、過去へのベクトルの強いアプローチを採る私だからこそ、こういう未来へのベクトルの強いアプローチをもつことができたら、その緊張関係のなかで何かが生まれてくるかなと。

ということで、これからも学び続けていきたいと思います!
先生方、パーソナルコースのみなさん、引き続きどうぞよろしくお願いいたします!!

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