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スポーツ選手がスキルについて発信すること

釜石シーウェイブスの山田 龍之介です。
同業他社さんはみんなためになるnoteを書くなぁと思いつつ、僕は僕のやり方で、文字通り暇つぶしにでもなればなぁというようなスタンスで吐き出していきます。
今回は、コロナ禍も手伝って加速した、ラグビー選手がSNS等でスキルについて発信することについて。

前置き

近頃、ラグビー界に一際高くそびえるラインアウト業界が何やら騒がしい。

ラインアウトnoteなるものの登場によってである。
それらのnoteを掲載するのはこの記事の趣旨から外れてしまうので差し控えるが、noteで「ラインアウト」と検索すればヒットする。

ラインアウト好きとしては見過ごせない。
一読者として、とても刺激的に拝読している。
素晴らしい取り組みだな、と感服する一方で思うのである。
「僕にはできないし、やりたくもない」と。

もしこのICT全盛の時代に、こういった発信がスポーツ選手のミッションの一つなのだとしたら、その考えを改め、何か発信の仕方を考えていかなければならない。
折しも僕は今年の4月からプロラグビー選手となり、今まで以上に社会への関わり方を考えていかなければならないのだから。

プロスポーツ選手について、
「プロ〇〇選手なんだから〇〇のことなら何でもわかるよね」
というパブリックイメージがあるとすれば、プロラグビー選手の僕に関しては当てはまらない。
おそらく僕がプロとして語れるのはラインアウトくらいだ。
だけど、そんなラインアウトについてでさえ、安易にHow toものでは語りたくない
その代わりというわけではないが、この次のnoteでは大好きなラインアウトの、スキルではなくその精神論的側面について駄文を認めたいと思う。

本題

前置きが長くなったがこのnoteの本題は、
僕がSNS等でのHow to的発信をしたくない理由についてである。

僕の中にあるHow toものへの抵抗感

その理由は大きく2つあると考えている。
①フォローアップの難しさ
②責任は取れないのよ
ということ。

①フォローアップの難しさ
SNS等での発信における強みである波及力は、裏を返せば自分の意図しない範囲や形で声を届かせることにもなる。
また、対象が不特定多数となり、基本的に双方向性がないため理解のズレが生まれる恐れもある。
さらに、自分は日々アップデートされていくのに、発信したものは当然ながらその時点でのバージョンに過ぎない。
一見するとこの問題は、フォローアップの発信をしたり、アップデートされた情報での発信をすることで解決できそうだが、
不特定多数への発信においては、どんな齟齬や問題が生じたかを把握することができない。
どこかの誰かが、自分の知らないところで、自分の発信を間違った理解のもと実践しているかもしれない。
そこから2つ目の理由につながっていくのだが・・・

②責任はとれないのよ
僕がラグビーのスキルに関してHow to的発信をし、どこかの誰か(仮に高校生ラガーとしよう)が、ありがたいことに僕の発信を受け取ってくれたとする。
そしてその発信をもとに努力をして臨んだ高校生最後の試合で、残念なことに結果が伴わなかったとしよう。
もしかしたら人生に関わることだったのかもしれない。
そんなことを想像すると僕は思ってしまう、責任はとれないのよ、と。
万人にとって正しいやり方を発信できるとは思えないし、先述したようなズレが解消されないこともあり得る。
それならば免責事項でも設けようか。
最高にダサい発信ができる。

と、まあつらつらと述べてきたが、
おそらくこれらの多くは杞憂であり、僕自身のアウトプットスキルの低さに対する詭弁であるとも思っている。
発信を受け取る人の多くはデジタルネイティブであり、多くの発信の中から自分に必要なものを取捨選択したうえで、咀嚼し活用する術を身に付けている。
だからぜひ同業界の方々にはどんどん発信してほしいな、と思う。
僕はとりあえずやらないから。笑

僕はこの分野に関しては、双方向性がある場で相手の意見や考えていることに耳を傾けながらやるのが理想だと思っている。
そういう場があれば、本気でやります。How toな発信はしないけど。
僕にとっては何度もある機会かもしれないけど、受け手にとっては一生に一度の機会かもしれないのだから手は抜かない。
それがたとえ就学前の子向けのタグラグビー教室とかでも、ラグビーの楽しさを伝えられるかどうかはその場の僕にかかっているのだから。

最後に

SNS等でうまく発信する方法も模索している。
そのためにキーワードだと思っているのは正解を与え過ぎないこと。
スポーツ選手が発信することって、そりゃ大筋では正しいことが多いんだろうけど、ただ正解を与える教え方は好きじゃない。
教える側でも教えられる側でも。
そこは引き続き考えていこう。

なんだか色んなこと気にしいのしょうもないやつのように映ってしまうかもしれないけど、とりあえずは僕、このスタンスでいく。

それでは。


<山田 龍之介 やまだ りゅうのすけ>
1991.10.12生 釜石シーウェイブスに所属するラグビー選手
東京都立大泉高校でラグビーをはじめる
その後立教大学、NECグリーンロケッツでプレー
2019年釜石シーウェイブスに入団
2020年4月からはプロラグビー選手として活動
北海道・釧路出身 岩手県・釜石市在住

最後まで読んでいただきありがとうございます!スキもサポートも嬉しいです!これからもラグビーの空き時間に投稿していきます!