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SUPERGT 第2戦 富士の軌跡と事故 ~総評を含めての考察~


始めに

皆さんこんにちは。YamapIng RRです。
今回は5/3~5/4に開催されたSUPER GT Round2 富士GT450km Raceの模様と感想をお伝えします。

なお、本記事は事故の内容を取り扱っております。
読まれる方は細心の注意を払い、閲覧をお願いいたします。
閲覧中に「気分が悪くなった、体調がすぐれなくなった」という場合は直ちに閲覧を中止し、ブラウザバックをお願いいたします。

本大会の軌跡

2022シーズンになって初めて開催された450㎞ Race。
100周にわたる長期周回、2回の給油ピットストップの義務付け、1ドライバーが2/3以上の周回を行ってはいけないことが全チームに言い渡され、14:30レース開始。

レース前半、500クラスは前日の予選でフロントを獲得していたヨコハマタイヤを使用するWedsSports SupraとRealize Zはタイヤに熱が入らなかったのか、後方に沈む。

その間、トムスの2台が前進し、1位2位を独占。CRAFTSPORTSが3位をキープ。
38周目までこの順位を保つ。

39周目に300クラスのRQ’sがトヨペット100Rで大クラッシュ。
タイヤウォールに大激突しマシンが大破。装着していたタイヤがもげ、運転席側のドアも破損した。
クラッシュの影響でタイヤウォールに設置されていたタイヤがバラバラに吹き飛び、ガードレールも当たった衝撃痕が生々しく濃くハッキリと残っていた。
この影響で、FCY⇒SC走行へ。のちに赤旗が振られレース中断。
ピットクローズになる直前にピットに入ったDensoが漁夫の利を得る形でトップへ。
タイヤウォール、ガードレールの修復が見事に完了し、レース再開。

レース再開後、53周目にトップ争いを展開していたトムスの2台が1コーナーで同士討ち。
マシンが壊れるほどのクラッシュではなかったようだが、Keeparは3番手に、auは5番手に下がった。
赤旗前にピッチに入ったDensoはトムスがクラッシュしたのを横目にトップに踊り出た。
また、CRAFTSPORTSも2番手に浮上した。

58周目、Denso・CRAFTSPORTS・Keeparの3台数珠つなぎで最終コーナー立ち上がりからホームストレートに向かう途中、グランドスタンドの目の前で2番手走行中だったCRAFTSPORTSが大クラッシュ。
スロー走行中だった300クラスのマシンの発見に遅れ、単独スピンによる事故であった。
このクラッシュにおいて2度目の赤旗中断。
コース復帰に時間がかかり、レースの最大延長時間の18:20の10分前にレース再開となったが、SC先導の周回のみに終わり、最大周回数61周でレース終了。
後にDenso、Keeparにペナルティが課され、3番手走行中だったARTAが繰り上がりで優勝、4番手だったauが2位、カルソニックが3位というリザルトとなった。
クラッシュをしたCRAFTSPORTSの高星選手は精密検査を受け、骨折などの外傷もなく無事に生還したと運営側からリリースされた。

今回のレースは初の450㎞であったため、レース中の不手際が多い印象を受けた。
RQ’sのクラッシュの件は原状復帰まで完璧にこなしたと思われるが、初めのFCY表示からSCに変更するまでが遅い。
FCYにできる状況のクラッシュではなかったため、FCY表示はせずにSC先導の後赤旗中止が理想であったと考えられる。
この時に300のRealize GT-Rが単独スピンを喫し、あわや大惨事になりかねなかった。(この時、無線の調子が良くなかったというリリースがチーム側から出ている。)
だが、CRAFTSPORTSがクラッシュする直前、最終コーナー立ち上がりから、Densoはコースのピット側ギリギリまで迫るような走り方をしていたことが見受けられた。
また、このときコース上のレコードラインを走ってはいなかったとはいえ、明らかな幅寄せのような走行であった。
この時のCRAFTSPORTSの目線的に、Densoの車体でスロー走行中の300クラスマシンの発見に遅れが起きていたと思われるが、Densoはなぜ、ピット側ギリギリを走行したのだろうか?
ピットの侵入口手前にはピットに入ろうとする300クラスマシンもおり、500クラス3台が追い越すときにはマシンが接触しそうなくらいであった。

最後に

最後まで戦った選手に「おかえり」を

今回の2回の大クラッシュが起きてしまったことは仕方ないが、当該ドライバーが何事もなく無事に戻ってこられたことにまずは「おかえり」といってあげよう。
マシンは残念なことに大破し使えなくなったが、マシンやコースの安全性が非常に高いということが証明されたのではないだろうか。

しかし、高星選手のクラッシュでは不手際が多かった。
修復に時間がかかるとわかっていながらも、無理やり修復しレースを再開させたのは罪であると考えている。
2度のクラッシュでドライバーはかなり疲弊し、「もう走りたくない。」と、観戦していた観客たちも「見ていられない。ショックが大きすぎる。」感じさせてしまうような行動であった。
修復が完了したのもレースの最大延長時間の10分前。
残り時間がそれだけだったならば、中止にし、ノーポイントで次戦へ向かうほうがよかったのではないだろうか。
最大周回数も61周とレース成立条件の75%以下であったため、このまま不成立にすべきであった。

ここまでグチグチと書いてきたが、最後に1つだけ。
今回の2度の事故。
特に高星選手のクラッシュは様々な要件がいくつもいくつも重なり合って起きてしまった事故である。
当該ドライバー・チームに誹謗中傷をしてはいけない。
SNSに何を書き込もうが個人の勝手だが、他人を傷つける道具にしてはならない。
また、今回の事故は「心身に非常に深いダメージを負う」可能性があるため、映像や画像は絶対に拡散してはならない。
これだけはみなさん、「「「絶対に」」」守ってほしい。

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