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恥骨結合炎

肺においてヘモグロビンは酸素と結合し、動脈を通じて様々な組織に運ばれ毛細血管辺りで酸素を離して細胞に酸素を供給しています。酸素と結合したヘモグロビンは深紅色ですが、結合していないヘモグロビンは少し紫色になります。動脈にある血液は赤色で静脈にある血液が紫色ということになります。

細胞の損傷の原因として最も重要なのが低酸素です。一酸化炭素もヘモグロビンと結合しますが、酸素の50倍も結合しやすいので、一酸化炭素を吸い込むとヘモグロビンは一酸化炭素と強く結合します。そうすることで酸素を組織に運ぶことができなくなり、低酸素を引き起こします。

細胞は酸素を受け取りミトコンドリアでエネルギー(ATP)を製造しています。つまり細胞は酸素がないと生きていけません。

人間の身体の中には、約100g程度のATPが存在すると言われていますが、一日辺り約体重に匹敵するほどのATPを合成しています。ATPを製造するミトコンドリアの数も非常に多いことが知られています。ミトコンドリアの長さは1マイクロメートルですので、人間一人分のミトコンドリアを縦に並べると、地球を100周以上もする計算になると言われています。

エネルギーの源であるATPは、物凄い数のミトコンドリアで、物凄い速度で合成されて、物凄い速度で消費されています。酸素が少なくなるとATPの供給不足に陥ります。酸素が足りなくなると、ATPが十分に合成されなくなりますのでエネルギー不足となります。

ATPが不足すると細胞のナトリウムポンプの働きが弱くなり、細胞内にナトリウムが溜まっていきます。それにつられて水も溜まって細胞が膨化します。ATPの量が回復するとポンプがナトリウムを外に出して回復します。

ATPが不足すると細胞のカルシウムポンプの機能も弱くなり、細胞の中にカルシウムが入っていきます。細胞の中にはカルシウム によって活性化される酵素がたくさんありますが、正常状態では必要な時だけカルシウムによって活性化されて正常な細胞機能に役立っています。ATP不足によってカルシウムが細胞内へ流入すると、酵素が不必要な活性化をし細胞損傷に至ります。

ATPが枯渇するとタンパク質の合成が十分に行えなくなり、必要なタンパク質が不足していきます。タンパク質が欠乏すると細胞膜やミトコンドリアが働かなくなるので、細胞の帰還不能限界点を超え死滅していきます。

老化が進むと肌はたるみ、シミやくすみ、シワが目立ち、白髪、骨量の低下といった現象が起こりますが、怪我や故障による運動不足により、細胞への酸素の運搬量が減るとATPの需要が少なくなりますので、細胞を維持することが出来なくなります。細胞を急激に減らさないようにするためにも、適切な運動が必要ということになります。

脚の内側に存在している内転筋は、内ももと呼ばれています。実際は、内転筋という名の筋肉は存在せず、大内転筋・長内転筋・短内転筋・恥骨筋・薄筋の5つの筋肉を総称する内転筋群を略して内転筋と呼んでいます。

内転筋はインナーマッスルとして、骨盤を安定させる働きがあります。 股関節は肩の関節と同様に自由度が高く様々な方向に動かす事ができるため、複数の筋肉によって支えられています。 ですので逆に言えば、とても不安定な関節ですので、筋肉の動きが滑らかでないと様々な影響を及ぼします。

グロインペイン症候群(鼠径部痛症候群)は、内転筋腱障害・恥骨結合炎・腸腰筋の機能障害・スポーツヘルニア等の総称です。主に、陸上の長距離選手やサッカー選手に発症しやすい障害で、発症すると骨盤から大腿筋に付着している筋肉のオーバーユースや過剰に伸展された時などに損傷を受けていると思われているため、伸張させるストレスを与え続けるなどのケアをし続けることで、なかなか良くならないのが特徴です。

恥骨は骨盤の下にある骨で、恥骨が軟骨にて結合している部分を指します。恥骨結合部には、腹直筋、長内転筋、短内転筋、薄筋という筋肉が付着しています。

初期症状としては、サッカーボールを蹴る時の痛みや、長時間のランニング時の痛み等、限定的な運動時痛が起こります。症状が悪化してくると、徐々に痛みが出る頻度が増え軽い運動でも痛みが発症するようになります。

ほぐれたのを感じるヨガ・ストレッチ等の筋を長く伸ばす動作は、大脳皮質(脳)からの随意的指令が、動作の途中で強く続く続くため血流の阻害や血液の滞りが出来やすくなり、逆効果につながりますので、バネのような機能を持つ筋肉本来の機能を取り戻すため「やまおく体操」を通じて予防改善していきましょう。

やまおく体操を使った恥骨結合炎予防改善のためのやまおく体操プログラムは…
先ずあぐらストレッチ体操で動作確認します。やりにくい方は、どちらだったでしょうか?

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