肘ひねり
前腕を捻って掌を上に向ける動作を回外、前腕を捻って掌を下に向ける動作を回内と言います。前腕を回外させる動作は前腕の手の甲側にある回外筋、前腕を回内させる動作は掌側にある円回内筋という筋肉が働きます。
回内動作をさらに強めると、小指が上に来るところまで捻ることが出来ます。回外で掌を下に向けた状態で腕を前に伸ばしたときと、回内させて小指が上に向いた状態で腕を前に伸ばしたときを比べると、回内させているときにの方が腕が前に出てくると思います。それは前腕が回内することで上腕二頭筋が緩み、肩甲骨が外転するからです。
物を投げる動作で腕を振る際に前腕の回内を加えることで、腕を加速させる範囲を大きく取ることができ、腕を速く振ることができます。また、物を投げる動作で腕を振る際に肩関節の外旋を加えることで、さらに加速させる範囲を大きくすることが出来、腕がよくしなった様に見えます。
同じ動作であっても、動員される関節の数を増やすことで、筋の出力を下げ腕を速く振ることが出来、肘に対するストレスを和らげ、スポーツの際にあった肘の痛みや違和感をも緩和させることに繋がります。この動作が非常に上手な選手は、腕に対するストレスが低いため、腕の筋節の部分が細く筋腹部分が太くなる傾向があります。
小脳と大脳皮質には、目から入ってくる視覚や何かに触れた時の触覚といった外部情報に加えて、筋肉と関節からの内部情報が常に入力されています。筋肉内には筋紡錘、筋肉の末端で骨につく腱には腱紡錘というセンサーが付いています。筋紡錘は、筋肉の長さ、腱紡錘は、腱の緊張を感知していて、脊髄を介して感覚ニューロンで小脳と大脳皮質に伝えています。これを深部感覚と呼び、それを元に大脳皮質にはカラダの地図が描かれており、姿勢や運動の制御をナビゲートしています。
小脳は、筋肉や腱から送られてくる内部データをモニタリングしつつ、運動時に協調して働く複数の筋肉を自在に操っています。例えば、肘を曲げる時には、上腕の前側にある上腕二頭筋が収縮すると同時に肘を伸ばす働きをする上腕三頭筋(腕の後ろ側)が弛緩しています。二頭筋と三頭筋が同時に収縮すると肘を曲げたり出来ませんから、無意識であっても深部感覚を頼りに小脳と大脳皮質が収縮と弛緩の指令を上手く切り替えられています。
ラケットやバットなどの道具を使うスポーツでは、道具をカラダの一部として使いこなすには、予測姿勢調節による無意識での動作を獲得するために、ある程度の反復練習による修正も欠かせません。姿勢を変えると血流や血圧も変わりますが、小脳はこうした変化にも臨機応変に対処しています。筋肉内に血液を供給する血管は、自律神経系に支配されていますが、小脳から筋交感神経という特殊なラインを使って、運動を行う筋肉が血管の抵抗を高めて血圧を保ったり、筋細胞の必要とされる酸素(酸素需要)にたいしての血流量の増大をさせるなどの内部環境を整えています。
壁カラダ捻り体操は、胸の筋肉・大胸筋に対して集中的な効果のあるトレーニングです。なかでも大胸筋内側に有効です。大胸筋内側が、刺激されると、いわゆる、胸の谷間が、はっきりとし、見た目にメリハリのある胸わまりになります。
また、壁カラダ捻り体操は、自宅系トレーニングでは、数少ない大胸筋内側のトレーニングとも言えます。
肘かわし体操は、肩周囲の筋肉を刺激することができ、上半身でも大きな部分を占める三角筋周辺の筋肉群をしっかりして、姿勢の良い身体造りが、出来ます。
また、ボクサーやラグビー選手の上半身を見てわかるように、肩周囲が盛り上がっていると思います。このような強くたくましい身体のアスリートは、逆に慢性的な肩こりに悩まされている方も少なくないので、なるためには、肘かわし体操のような三角筋周辺の筋肉群を刺激するトレーニングは、欠かせません。
腕の最上部に位置する上腕三角筋も同時に刺激出来るため、二の腕の振袖状態が、気になる方にも、お勧めです。
肘立てこうもり体操は、体幹を捻るトレーニングです。身体を捻るように見えますが、骨盤の切り返し動作をさせていますので、筋肉だけでなく、腸などの内臓にも、良い刺激を与え、便通にも好影響を与えます。
また、肋骨などから骨盤につくお腹の筋肉の短縮は、そのまま姿勢のゆがみや、ぽっこりお腹の原因にもなりますので、身体の動きチェックにも、ご活用下さい。
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