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子どもと作業中心の作業療法 part1

「OCCUPATION-CENTERD PRACTICE with CHILDREN」という本がある。
子どもと作業中心の実践を解いた翻訳書であり、はるばるオーストラリアからやってきた。

日本国内では目にしたことがない内容が目白押しで、どの章にも心がおどる。

書名に「実践」を掲げている通り、臨床での実践を目的としているわけだが、
重要なことが一つある。

「そもそもオーストラリアで生まれたモデルが、そのまま日本に適応できるのだろうか?」

ここでは、日本とオーストラリアの作業療法の違いについて、考えてみようと思う。


調べてみると非常に興味深いことがわかった。

保険制度そのものは各国、わりと似ている。

歴史としては
日本で、作業療法士の養成校が生まれたのは1963年
オーストラリアでは1961年に養成校が生まれている。

国家として作業療法士が認められたのは
日本では、1966年
オーストラリアは1957年だった。

作業療法のスタートはどちらもアメリカの作業療法士が国を訪れ、各国のOTを育成したのが始まりであるが、
出版されている書籍だけで判断するならば、現時点で日本とオーストラリアが到達している地点はずいぶん違うように思う。

各国の協会を見比べてみた。



興味深かったのはOTAの3年間の作業療法領域をどのように進めていくかというプランだ。
地域や社会、あるいは政治の領域など社会参加に該当する領域にいかにアプローチをしていくのかという戦略が明記されている。

個人的に調べたところだがオーストラリアでは学校や幼稚園へOTが直接就職できるようでもあった。


要すると
日本とオーストラリアの大きな違いは、こどもの参加領域にダイレクトに関われるか否かという部分ではないだろうか

作業療法士の参加領域に対する国家レベルでの仕組みの違いあると思われる。
作業療法のスタート地点は近かったのにこれだけ差が生まれているのは何故だろう?


個人的には、公用語が「英語」であるということが大きいように思う。

カナダにしろアメリカにしろ、作業療法の先端を行っていた国はどちらも英語圏であった。
国民性の違いもあるかもしれないが、最新の理論や世界の動向が国内に入ってくることにタイムラグがあることなどの影響はどうやら大きいらしい。

また、書籍の中に出てくる評価などは英語ベースのものも多い。

つまりは
作業療法の背景や土壌、制度レベルでの仕組みが異なること
紹介されるツールが英語ベースであること

これらが、日本国内でのOCPの実践を阻む可能性がある。


「いかに日本という国で、OCPを実践していくのか?」

実際の実践例や実践するための工夫やアイディア

これからはそんなことを綴っていこうと思う。


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