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LOL 世界大会Worlds 日本代表V3の対戦相手のスタッツをチェックしよう

ということで目前に迫ったWorlds、我らが日本代表V3は、危惧した通りというか、優勝以降「優勝シーン写真」「空港集合写真」「政治家から手紙貰ったお礼」「グループ決まりました頑張ります」と相変わらずのTwitterが最低限の最低限、省エネプレイの権化みたいな様相を呈しており現地の様子が公式的には一切伝わってこないが、それでも抽選はやってくる、ということで抽選会が行われた。いろいろあったが日本時間26日の17時と19時ごろ、翌27日の17時と19時ごろという見やすい時間に決まったので是非皆さんには予定を開けておいていただきたいところ。詳細はLJL公式Twitterなどで。

まあV3もうちょい広報がんばりーやという感はありつつも今回は特殊で、他チームもあまり現地情報は出ていない、がそれでももう少し盛り上がってる。例えばPSG Talonは、グループで当たる他チームの悪い意味でヤバめのプレーを昔よく見たLOLのMAD的なノリ、いわゆるミームってやつを詰め込んだ動画で各チームを弄り倒してきている、公式Youtubeで。V3ももちろん捕捉されていて、DFM戦でのパンテサポ謎ジャンプからの袋叩きなどが映っているので皆も一度見てみると良いかと。V3もこれくらいやったったらええねん、編集なら手伝いますのでDMでもなんでもご連絡待ってます。

あとTOPの写真は中国のスーパーサーバーで行われてるWorlds出場チームの選手たちのソロキュー成績をまとめてるサイトからV3の分を抜粋。みな頑張ってるよーいいよーすごいよー。他チーム分もまとめてるのでこのあとの目次から「CNソロキュー比較用画像」に飛んでください。

あとはまあいつも通りというかあまり推敲も修正もする間もなくもうWorlds開幕しちまうって話なのでいつも通りそこまできれいにまとまってるわけでもなかったりして。そのあたり気になる方はソースがGamesofLegendsなのでこちらをチェックいただければ幸いです。

どこと当たるの?

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馴染みのない方にもご説明するならば、日本代表V3は、GROUP Bのまんなか、緑のVっぽいロゴになります。ということで他のチームを見ていくと

「昨年の優勝地域中国4番目のチーム」 LGD Gaming
「最近調子悪いけど強豪地域台湾とかの2番目のチーム」PSG Talon
「昨年春日本をボコボコにした面子そのままのロシア1位」UnicornOfLove
「昨年日本に2-0で勝ったチームをボコしてきたラテン地域1位」Rainbow7


となります。これが割と客観的な日本との距離を含めた表現なのですから「うわ厳しそー」と思った方、間違ってないと思います。別にネガティブ表現がしたくて上のように書いたわけでなく、本当にだいたいこのあたりだと思うのです。ちなみにGroupAの4番目、フクロウマークのところともし入れ替わっていたら「ワンチャン3位行けるで!!!」と書いたと思います。各チームの実力といった部分については諸説ある上に各人でブレがあると思いますが、それでも「1/2でヤベーほうに入った」「Aがよかった」というのはある程度シーンを見ている方なら、松岡修造やティモンディ高岸、アニマル浜口でない限り、ほぼ同意いただける意見といったところでしょう。

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「V3なら、やれば出来る!心のグループリーグ突破はできるはずです!」

ちなみにあの「やれば出来る」は済美の校歌(正式には学園歌らしい)の一節で、「魔法の合言葉」として称えられています。ちなみにそのあとは「腕をとり肩を組み信じてみようよ」「素晴らしい明日が展けるから」と続きます。歌詞前半の「済美」と書いて「ここ」と読ませるのも粋なので、東大王の難読漢字オセロとかで出てきてほしいところです。


どうしたら勝ち抜けるの?

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どうしたら勝ち抜けるか、ここではルールについて書いておきます。
①先述の4チームと日本代表V3、この5チームが総当たり戦をします。すると4勝0敗から0勝4敗まで順位が付けられます。

②総当たりの4戦の結果で1位だったチーム、これは「本戦」出場決定です。

③2位だったチーム、これは「本戦決定プレーオフの対戦相手」待ちです。

④3位と4位で「本戦決定プレーオフ出場権」をかけた5本勝負をします。

⑤最初の総当たり4戦で5位になったら、そのまま予選落ちで帰国です。

⑥「本戦決定プレーオフ」を「③」と「④の勝者」で行います。
 ただし、③がAグループの場合、Bグループの④勝者と
 ③がBグループの場合、Aグループの④勝者といった形で戦います。

⑦最終的に②と⑥の勝者、計4チームが「本戦」に進めます。

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文で見ても、図を見ても多少わかりづらいと思いますので、ざっくりした予想を兼ねて、仮で、かつ希望的観測を含んで、もしV3が抜けるならこういう流れでは、という形で考えてみます。

改めて出場チームを書くと
「昨年の優勝地域中国4番目のチーム」 LGD Gaming
「最近調子悪い台湾とかの2番目のチーム」PSG Talon
「昨年春日本をボコボコにした面子そのままのロシア1位」UnicornOfLove
「昨年日本に2-0のチームをボコして出てきたラテン地域1位」Rainbow7
「我らが日本代表」V3 Espors

まずは総当たり戦です。仮に下記のようになったとします。

1.LGD Gaming 4勝0敗 「本戦決定」
2.UnicornOfLove 3勝1敗 「本戦決定プレーオフ行き」
3.
PSG Talon 2勝2敗
4.
V3 Espors 1勝3敗
5.
Rainbow7 0勝4敗
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一番わかりやすい形で各チームの力関係がそのままデジタルに出ると、こういう形になると思います。希望的観測を兼ねて。

で、この段階で1位の中国LGD Gamingは「本戦出場決定」です。1抜けたーってやつです。次に行われる試合は3位のPSG Talonと4位のV3 EsporsのBO5、すなわち3本先取になります。

ここで万一、本調子でないTalonに3-2でV3が勝ったとします。すると「本戦決定プレーオフ出場権」ゲット、となります。

で、V3のいない側、GroupAでも同様に進行しているわけで、仮に以下のように展開したとします。

1.Team Liquid 4勝0敗 「本戦決定」
2.MAD Lions 3勝1敗  「本戦決定プレーオフ行き」
3.Papara SuperMassive  2勝2敗
4.INTZ 1勝3敗
5.Legacy Esports 0勝4敗
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こうなった場合、V3が「本戦決定プレーオフ」で当たる相手はGroupAの2位、MAD Lionsになるわけです。

ここで再びBO5、3本先取の試合を行い、V3が大番狂わせを起こして勝った場合、本戦に駒を進めることとなります。ね、簡単でしょ?と言いたいところですが、実際は相当細く険しい道です。

仮にこうなった場合、プレーオフを抜けるのは

LGD Gaming
Team Liquid
V3 Espors
UnicornOfLove(プレーオフに勝った場合)

となります。そうすると本戦に進みますが、本戦はまたさらに猛者が揃っており、どのグループに入っても地獄です。ただ、それは万一本戦に進んでからでもよいではないかと言ったところで。V3がワンチャン抜けるならこういう道筋になるのでは、というかこれくらいしか道がなさそうな気がします。

まあこれも希望的観測で、実際のところとしては、TalonかRainbow7になんとか勝って4位確保、BO5進出まで行ければ御の字、といったところでしょう。そのBO5抜けたら万々歳といったくらいで。


相手はどんなチーム?

LGD GamingとTalon Esportsについては、前回の記事で結構書いたので、詳しくはそちらを参照いただければといったところ。

簡単に言えばLGD Gamingはプレイイン突破大大大本命、ギャンブルならプレイイン突破のオッズは1.0倍、元返しだ!というくらい力の差がある。近年馬鹿ツヨの中国でも、特に視界スコア周りでは中国ナンバーワンを誇るチーム。V3がたとえ20-0で負けてもネガらないでほしい、色々噛み合ったらそれくらい差がついてもまあまあ驚かない。「せっかくだから強いチームと当たってほしい」とかたまに言う人がいるが、大負けしたら「日本惨敗!最弱LJL!オワコン!!」とネガキャン大騒ぎして「まとめサイト載せて~!もっとRTして~!オラの承認欲求満たして~!」みたいな人が、数年前のDFM-EDG戦では散見されたのでその再来にならないかが心配なところ。

対してTalonは「メジャーリージョン」では近年もっとも苦しんでる上に、このプレイインでは検疫の都合上、MIDとJGの二人が出場できない模様。結局リーグ2位だったAHQからMID/JGを借りて、という形になったっぽいが、チームの要が急造となれば、いくら「メジャー地域」といえども付け入るスキはできてしまうと思われる。ただ、出来得る環境の中でベストな手段を取れた感がある。20夏リーグでMVP1位のJG、同率2位のMIDを補強、それも二人は同チームであり、少なくともMID-JGの連携はできると考えられる。ただそのあとADCもビザ問題発覚、結果1年競技シーンに出ていない他チームの現在コーチやってる人が臨時復帰で代役、とのこと。これは厳しいが国際戦ではたまにある。日本もかつてeスポをオリンピックに、みたいな話の中前哨戦みたいな感じで行われたアジア大会に「日本代表」を作って参加が求められたが、当時LJL1部に日本人ジャングラー0、目ぼしいところでは引退した元DFMのアスタロール氏やRJのレインブレイン氏あとは「来期LJL1部に上がってくる」ハチャメチャ氏といった中でピックされたのがアスタロール氏だったという話もあり。まあ結局Eスポをオリンピックに、みたいな話は「統合団体作れ」という、俺が以前から「日本男子バスケみたいな怒られ方しそう」と危惧した通りの怒られ方したわけで、まあそれは別の話として。

UnicornOfLoveは、謎メタの発生源ともいわれるロシア代表。太古のLOL創世記には伝説のモスクワ5から、語り継がれるオフメタピックの代表格ブランドサポート、一応モスクワ5の流れを継ぐGAMBITが覇権を握ってMIDのKira、いつまで最前線おんねんDiamondprox時代を経て2019くらいから地域で台頭してきたのが現UOLの5人。2019MSIで世界デビューして以来、ほぼ同じメンバーで19春、夏、20春、そしてこの夏もプレーオフ勝利と、とにかく勝負強い。19春はリーグ3位、19夏、20春はリーグ2位から、そしてこの夏はリーグ全勝からのプレーオフ完勝と本格化以来プレーオフ、短期戦の勝負強さを発揮してきた。かのDFMも現UOLメンバーが所属していたVEGA相手にスッコスコにやられている。特に印象に残ったのは変幻自在のJGと奇策への幅の広さ。元々JGが強い地域なのと、謎メタが頻繁に発生する地域だけに、ありがちなポケットピックや小手先だけの奇策は簡単に対策されてしまう。

現にDFMもとっておきのソナタリック&Eviのケイルという奇策を出したが、15分で約5000G差をつけられて何もできずに敗戦した。正直「相手が25分くらいまで待っていてくれる」のが勝利条件の感があるDFMよりも、そのDFMを速攻型で倒しきったV3のほうがまだ勝機はあるか、といった感がある。これも別に過剰にDFMをネガキャンしているわけでなく、18MSIの試合を見れば大抵納得いただけるかと。あの頃のDFMも、結局戻した今のDFMも、10試合やったら10回負けそうというくらいDFMではチーム相性が壊滅的に悪い。V3ならまだBugiがAHAHASICKに勝てる、までいかなくてもせめて「ついていけるか」次第でなんとかなるかもしれない。ならないかもしれない。

最後にRainbow7、ラテンアメリカLLAの代表。もともとは「中米」「南米」といった地域がギュッとまとまった結果できた地域。地域を代表するプレイヤーとして、中米にはMIDの「Seiya」、南米にはMIDの「Plugo」などがいたが、そのPlugoが20春、プレーオフで優勝して引退となり、そんな時代もあったかのう、的な具合に勢力図が本格的に変化。いよいよ壁はなくなるぞ!ってな具合での荒れ模様を見せたプレーオフの結果、2018春以来にR7がプレーオフを勝ち切り出場権獲得。ただ、当時のR7からは面子は全く別物。19でメンバーが丸ごと入れ替わって以来、LLA中位にいたチームがようやく花開いた形。5人ともがほぼ世界戦の経験がなく、かつ地球の裏側レベルの大移動にコロナ禍と大アウェイ状態と見ることもできる。遠征慣れしたチームでも難しい今季のコンディション作りにうまく対応できるのかが第一関門といったところ。

まあ詳しいスタッツはこの後見ていきます。

日程はどうなの?

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日本代表V3は2日目からの登場、26日の17時からと多分19時から、そして翌日27日の17時からと19時から。当たる相手の順番は最初にR7、次にUOLで翌日LGDとPSG。他の4チームのうち、R7、PSG、LGDの試合が初日にあるため、彼らの動きを見て研究できるのは一つプラス。現実的なラインを考えるとR7戦は「必勝」を求められるレベルで、それとぶっつけ初戦というのは多少怖いところ。また2戦目UOLとの対戦では、UOLのデータなしで戦わねばならず、間違いなく曲者のUOL対策が直前に練ることができないのは辛いかもしれない。あと良いところは、LGDが3日目に回ったところ、おそらく大虐殺されると思われるのでそのあとメンタルリセットしてPSGに臨めるのかがカギか。V3の希望的観測を入れた個人的な見立てになるが、もしかしたらDAY3に入る前に順位がだいたい決まってる可能性がある。

2日目終了時に

LGD 3-0
UOL 2-0
PSG 1-2
V3  1-1
R7  0-3

あたりが都合もついて良い展開だが、こうなるとR7は強いUOLに勝たねば目なしの苦しい流れなうえに、それが2試合目に決してしまう。DAY3の2試合目までにLGDとUOLが勝っていたらどうなるか、DAY3のGAME3以降は消化試合となる。それも順位が決まっていて、3位4位決定戦であたるPSGとの消化試合。もしこうなったときに次の3位4位の勝負に向けて「布石」を打てるかが勝負の分かれ目となってくるかもしれない。V3のコーチ陣にはぜひそこまで頭を回してワンチャンを狙いに行ってほしいところ。

対戦相手スタッツ R7

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TOP Acce      KDA3.0(4)K2.6(1)D2.0(4)A3.4(4)ダメ比19.7
JNG  Josedeodo  KDA7.1(2)K2.1(4)D1.0(2)A5.0(5)ダメ比16.5
MID  Aloned    KDA3.6(3)K1.9(7)D1.7(4)A4.2(4)ダメ比23.5
ADC Leza     KDA2.7(6)K2.4(6)D2.1(6)A3.3(5)ダメ比30.4
SUP Shadow     KDA3.6(5)K0.6(6)D1.7(3)A5.6(5)ダメ比9.9
   ビジョンスコア2.83(4) ワードクリア0.41(4)

※()はレーン別のリーグ戦順位(10試合以上出場者のみ)
※KDAはリーグ戦のみ の数値
※ダメージ比はSummerのプレーオフより

注目  Josedeodo

リーグ戦は10勝8敗、プレーオフは9勝5敗と相当苦労してきたがそれでも勝負所を拾って拾ってWorldsまで到達したこのチームの中心はやはりJGのJosedeodoになる。KDA的には地域を代表する名JGであるOddieに少し及ばないものの、それでも肉薄するようなスタッツを叩き出している。そこを支えているのが攻撃面よりデスの少なさになっている。ただ、その分多少アシストが少なく、試合への関与の度合いは少しに気になるところ。また、プレーオフ14試合で9チャンプを使いこなしており、ひりつく場面でも出せるチャンプの幅広さはチームの方向性を広げている。

次に気になるところはMIDのAloned、MIDにしては純キャリー型というよりはサポーティブな役回りをしていそうなスコア。ただピック自体は主にメイジ系が多い。ただ、プレーオフで強豪Isurusとのガチの戦いの中でBOTに「ソナラックス」でMIDに「ヴェイン」という超変わり種のピックでかつ勝利していたりするので油断ならないところ。

スタッツ的にはやはりリーグ戦もプレーオフもギリギリだったのであまり突出はしていないものの、逆に数字に表れにくい「勝負強さ」については折り紙付きであり、その点には注意したいところだが、それでもグループBのなかでは1枚2枚劣る苦しい位置にいるものと思われる。

V3との戦いは、お互いにジャングラーに強みのある両チームだけに見どころはそこになりそう、またレーン的には十分V3も戦えると思われるので、例えば序盤のジャングルの遭遇戦にチームで対応したり、序盤にガンクでキル献上しない形で進められれば優位はだんだん広がっていくのではないかと言ったところ。おそらくR7も「V3には勝ちたい」と思っており、実力でもなんなら上回ってると考えて臨んでくると思われるだけに、よほどのことがなければ奇をてらったピックというよりは、互いの得意ピックでストロングな戦いとなることが予想される。

ただ、地域別の力差で言えば、直近の成績はR7に軍配が上がる。昨年DFMがSPLYCEに勝ってああよかったね感が皆あるところだろうが、あの時のDFMはメジャーに1勝しながら1勝3敗で即退場している。その理由は「同じワイルドカード地域のラテンアメリカISURUSに0勝2敗だったから」になる。もちろんDFMにとって噛み合わせも悪かった、ラテンアメリカを代表するジャングラーのOddieに陰に陽に引っ掻き回されて最後まで尾を引くという「DFMのよくある国際戦の負け方」の典型例で、要は「国内じゃ他レーンもEviにCerosが常にプッシュしてるからStealの序盤ジャングルにケンカ売る奴はそうそういないけど、国際戦じゃ「所詮日本レベル」と舐められてアグレッシブに来られて、その対応にあたふたorオール献上の土下座ジャングリング」というよく見るアレ。ただ今回は百戦錬磨のOddieでなく、あまり経験もない相手で、V3はガチにガチで返せるBugiがいるというのは一つプラス要素と言える。ただ、V3はDFMにとってのSteal以上にBugiに攻撃面での期待がかかっているだけに、もし万一日和ってしまえば、それはチームにとって相当なピンチということにはなるかもしれない。

最後に中国のスーパーサーバーで各プレイヤーが練習しているが、そこのレートを9/23現在で。SUPが最も高くチャレ、次いでGM上位にJG、そしてMID。TOPはD1、ADCはD2、いずれも100試合以上回しての結果となっている。ちなみにV3はといえばTOPがGM中位、JGはGM上位、MIDはチャレ、ADCはGM、GM下位にサポとなっている。ACEがんばってるやん、ってのもあるが、一番は1on1の形になりがちなTOPで結構な力量差がありそうというところ、Pazにもこの試合は期待したい。

まあでもソロキューは話題にするのはちょうどいいが実際直結してるかといえばそうでもない部分もあり、結局始まってみないとわからないというのもありありで。かつてNAにはBallsというプロのTOPがおったんじゃが、Worlds直前のブートキャンプでKRのD1から上に上がれずにRedditで散々ネタにされておったんじゃが、そのBalls、Worldsのなかでも大事なNAEU決戦、対Fnatic戦で負けてる状況からダリウスでペンタをキメて試合を決めたことがあったんじゃよ。その年のC9はリーグ7位からアメリカ最終枠を滑り込みでゲットして、4チームの総当たり2回の当時のWorldsグループステージ、最初の1周りをなんと3勝0敗で抜けた、それがそのFnatic戦だったわけでNA史上最高レベルの盛り上がりじゃったんじゃ、そこが…(昔話)あとは今年の前半戦のTLで悪い意味で話題になったShenfireも、元々オーストラリアから世界大会などでKRに行くたびにソロキューを一気に駆け上がることで話題になっていたりもして。話がずれたが要はソロキューはそれくらいといった話で。

一応中国サーバー直前練習のレートを再度まとめると
TOP Acce     D1 37Pt
JNG  Josedeodo GM 405Pt
MID  Aloned  GM 93Pt
ADC Leza   D2 60Pt
SUP Shadow  チャレンジャー 648Pt


対戦相手スタッツ UOL

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TOP BOSS  KDA4.6(1)K4.4(1)D2.1(2)A5.2(2)ダメ比19.3
JNG AHaHaCiK  KDA8.0(1)K4.0(1)D1.6(1)A9.1(1)ダメ比13.2
MID  Nomanz  KDA8.9(1)K6.2(1)D1.6(1)A7.7(1)ダメ比31.3
ADC Gadget  KDA7.7(1)K4.5(1)D1.6(2)A8.1(1)ダメ比27.7
SUP SaNTaS  KDA8.4(1)K1.4(1)D1.6(3)A11.7(1)ダメ比8.7
   ビジョンスコア2.33(3) ワードクリア0.31(6)

注目  AHaHaCiK

リーグ戦は14勝0敗、プレーオフは6勝1敗と今期は圧倒的な力でWorldsまで登ってきたのが今期のUOL。日本では昨年春、18Worldsである程度競争力を示し行けるぞとなったMSIで冷や水をぶっかけられたロシアのVEGAの面子がそのままチームごと変わってきてる、という意味で面子的にはお馴染みとなっている。地域としてもチームとしてもワイルドカードの面子の中では「上位」と見て間違いなく、現に昨年Worlds、DFMが負けてSplyceが登った先でSplyce対UOLがあったが3-2の大接戦でSplyceが勝っている。

そんなチームを支えている要注目はAHaHaCiKになる。LCL下位からキャリアをスタートさせ、18年夏にはリーグ4位のDAをプレーオフ2位まで押し上げ、移動先のVEGAでも19春にリーグ3位からプレーオフ優勝、19夏からはUOLに再度移動となりリーグ2位からプレーオフ優勝、この春もリーグ2位からプレーオフ優勝、今期に至ってはリーグ優勝からプレーオフ優勝と、とにかくプレーオフに強く、そうしてのし上がってきた感がある。

特徴としてはひとつメタ外でもヘカリムが使えるというのがあり、実際にDFMもその特有のヘカリムフレックスにまんまとやられた側面がある。また、タンキーなチャンプもピックするがタンキーでも攻撃的に立ち回ってくるのが恐ろしいところ。リーグ戦14試合でソロキル6回というあたりも遭遇戦の強さ、うまさを表している。また、このJG以外にも各メンバーそれぞれ体の強さと曲者と両方の側面があるってのも怖いところ。

例えばDFMとの対戦で言えば「とにかく対面にデバフをかけてキャリーさせないことに定評のあるCerosさん」がサポーティブなモルガナを使って5/0/4とキャリーされてるNomanzは、リーグ戦での成績も申し分ないキャリー型MIDで、TOPのBOSSも、日本の至宝Eviが対面してなお2戦とも「仕事を遂行した」と言えば「なかなか手に負えない」ことも分かっていただけるだろう。BOTの二人はYutaponGeangのコンビを「ハイマー/シェン」で抑えて決定的な仕事をさせないまま30分強を「0/1/0」「0/1/3」に抑え込めるだけの実力の持ち主。またチームの特徴として試合の展開の速さがある。リーグ戦は平均時間「27:15」で、プレーオフですら「29:46」ととにかく早い。このペースについていけないと昨年春のDFMの二の舞となる可能性がある。V3もLJLとしては早いチームだが、それでもかなりテンポに差がある。相手のペースに飲まれないのがひとつカギになるか。

このようにガチピックでの腕の強さもあり、一方BOTハイマーやBOTソナ等々謎ピックでも成果を出しており、正攻法で来られてもSplyceとほぼトントンレベル、絡め手で来られてもしんどいわけで超厄介。正直自分以外の有志、海外の前評判でもたまに本来格上のPSGより実力が上だと認識してるものも散見される。

ここから日本V3が一つ勝つのは相当苦労すると見える。まともな状態でぶつかったとしたらまあまあ難しいと言えるだろう。中国ソロキュー情報としてADCがチャレ250位、簡単に言えば同じADC、G2のPerkzよりちょっと上にいる。そしてチャレ下位にJGのAHaHaCiK、これはBugiより少し上。そして不気味なのがそのJGのモストピックが「イブリン」であること。サポはグラマス上位、TOPもグラマス中位でV3で対面するPazより少し上、MIDもグラマス中位と、全員がV3と同じくグラマス中位より上に位置しており、チャレ2、グラマス3というのもV3と同じ状況。ただ、UOLの場合ソロでは出てこないチームとしての怖さがある。一応ハンドスキルだけなら五分や、と見ることもできなくはないといったところか。

あとV3が勝つうえで期待するのは、こんなことを期待するとリヴァプールのユルゲンクロップ監督に「スポーツマンシップがねえのか」と怒られそうなのだが、ロシア地域と言えば「トラブル」がある。歴史的に見れば最初に書いたモスクワ5、アルバスノックスルナ等々たびたび世界に羽ばたいており、レベル的には同メンバーで世界レベルの長期政権を作ることもきっとできたはずだが、歴史的にそうなっていない。日本LJLでもトラブルだなんだとまとめサイト的なものが大騒ぎすることが年1くらいであるが、あんなアクセス数稼ぎの扇情eスポ叩き記事とはまあまあレベルが違う。

モスクワ5はオーナーが逮捕され、ブランドサポートで2016Worldsを賑わしロシアシーンの強さを印象付けたLikkritは、その世界的ブレイクからたった1年後、2017Worldsの出場権を逃し、かつソロキューでのToxic言動などのトラブルで処分を受けて、ブレイクからたった1年でシーンを去ることになっている。また、LOLを知らないゲームまとめサイト的なもので拡散されたおかげで頓珍漢意見が飛び交いまくっていた「女性チームにサポばっかBan」問題、あれもロシアのトラブル。あれはそもそも実力の伴わない全員女性チームをリーグに参入させた「どん判」案件だが、要はそれがまかり通る土壌だったりもして。ということで連続で世界大会に出ていよいよ「ロシアLOLシーンの顔」となってきた彼らが一番恐れるべきなのは、歴史的に見れば「ゲーム外」の動きかもしれない。逆にそんなことがなく、順調にいけばワイルドカード地域を突破する可能性がそこそこあるように見える。

中国での直前ソロキュー数値まとめを最後に
TOP BOSS  GM 194pt
JNG AHaHaCiK  チャレンジャー 558Pt
MID  Nomanz  GM 150Pt
ADC Gadget  チャレンジャー 595pt
SUP SaNTaS  GM 507pt


対戦相手スタッツ LGD Gaming

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TOP Langx KDA2.8(12)K2.2(16)D2.7(8)A5.1(9)ダメ比20.2
JNG Peanut KDA3.8(9)K2.9(10)D2.4(10)A6.3(10)ダメ比16.0
MID xiye  KDA4.0(9)K3.4(9)D2.2(8)A5.6(11)ダメ比25.3
ADC Kramer KDA5.1(4)K3.6(8)D1.7(2)A5.2(8)ダメ比30.5 
SUP Mark  KDA3.6(8)K0.5(16)D2.4(4)A8.3(7)ダメ比7.7 
   ビジョンスコア2.85(1) ワードクリア0.39(4)

※()はレーン別のリーグ順位(10試合以上出場者のみ)
※KDAはリーグ戦のみ の数値
※ダメージ比はSummerのプレーオフ含む全試合

諸々の雑感は前回記事で書いたのでそちらを読んでいただければと。一応ざっと覚えておいたほうが良いポイントとして

・JGのPeanutはかつて一世を風靡したKRジャングラー。当時はリーシンオラフのオラオラで有名になったが年月を経て酸いも甘いも知ったなかでの円熟味のあるジャングリングに注目。

・中国で4番目のチームだが、サポのビジョンスコアは広い中国リーグのなかでも1位と中国らしからぬ視界管理を誇る。

・レギュラー5人中4人が世界経験があり、実質ホームともいえる状態での大会。移動時間も少なく時差ボケ等もないのは強み。

・なんだかんだでワイルドカードを相手にしてちゃいけないレベル。プレイイン突破確率は最盛期のディープインパクトやテイエムオペラオー並、つまり賭けても1.0倍くらい確実視されている大本命。

・V3がもし惨敗してもあまり悲観的になる必要がないほどの実力差。おそらく負けただけでTwitchコメント欄ではいつもの「日本は雑魚」「オワコン」呼ばわりが始まると思いますが、このチームに善戦できる彼ら曰く「雑魚ではないチーム」はLCK/LPLを除けばごく僅か数チーム程度というのが現実かと思われますのでせめて皆さんは冷静に、といったところ。サッカーで言えばJ1位の横浜FMとプレミア4位のチェルシーがガチるという話なので。

恒例の中国スーパーサーバーソロキュースタッツを最後に
TOP Langx D2 99Pt
JNG Peanut D4 70Pt
MID xiye  D4 39Pt
ADC Kramer D4 100Pt
SUP Mark  D1 7Pt

このソロキュー数値が示すものは2つ。おそらく中国の彼らは別で練習しているか何かだという事、2つ目はこの数値を鵜呑みにするほど愚かなことはないだろうという事。



対戦相手スタッツ PSG Talon

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TOP Hanabi   KDA4.7(2)K2.1(8)D1.7(2)A6.1(4)ダメ比21.2
JNG※Kongyue KDA6.0(2)K3.6(1)D1.8(3)A7.2(3)
MID※Uniboy  KDA7.6(3)K3.7(1)D1.4(2)A6.9(2)
ADC※Dee   2019夏 アカデミーリーグ以来出場なし
SUP Kaiwing   KDA7.6(1)K0.6(5)D1.6(1)A11.2(2)ダメ比8.3
   ビジョンスコア2.52(6) ワードクリア0.36(3)

※()はレーン別のリーグ順位(10試合以上出場者のみ)
※KDAはリーグ戦のみ、ダメージ比はリーグ戦の数値

プレイイン突破後に合流すると思われるフルメンバーの2人
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JNG River    KDA4.8(4)K3.0(4)D2.2(4)A7.6(2)ダメ比13.7
MID TANK    KDA8.0(2)K4.8(1)D1.4(1)A6.7(3)ダメ比28.3
ADC Unified   KDA8.6(1)K4.5(2)D1.3(1)A6.5(2)ダメ比29.5
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こちらも前回書いたのでそちらを見ていただければと。ただ前回と変わった点、それはJGとMIDの韓国人2名がプレイインは参加できないということで、代わりに台湾の2人、リーグ2位ながらプレーオフで泣き世界戦に参加できないAHQからJG/MIDを借りる形で参加となった。また、ADCのUnifiedについてもビザ問題でプレイインの「途中から参加」となっている。この「途中」がどこを差すか分からないがこちらは急いで復帰が望まれていると思われる。なんせ19はアカデミー(育成リーグ)で、以降コーチに移って1年プロシーンの練習もしていない中、というのはさすがに無理がある。日本のLJLでもかつて色々特例的なものでHW4NGコーチが電撃復帰、一時的に3KRとなった試合があるのだが、その当時熾烈な最下位争いをしていたRJ相手に当時超OPと思われていた3KRでも敗れている。HW4NGコーチ自体は頑張っていたがやはり連携面等で難が出てくると思われる。また、後述するが中国スーパーサーバーでも63戦して勝率44%のD2と苦戦しており、未だ仕上がってるとは言いづらい状況に見受けられる。V3的には復帰が遅れてくれたほうが都合がよいように見える。

リーグ戦のKDAなども変えたものを載せているが、MID/JGは見てわかる通り「急造助っ人」ではあるが、抜けた二人とリーグのスコアで言えば遜色ないレベルといえる。いくつかの指標の見方次第では上ともいえる。また、この二人、個としても際立っており、夏のリーグ戦MVP回数でJGのKongyueは6回で同率1位、Uniboyは同率3位となっている。また同国なのでコミュニケーション面では問題ないはずで、ヤバい状況下での補強としては「なんとかなった」感があるかもしれない。ただ、それでも1年やってきた相手と、同国とはいえ2週間練習しただけの相手では完璧な連携は難しいはず。MID-JGの連携はできていると思うがTOPBOTレーンでうまく存在感を出せるかがポイントで、V3が格上PSGで突くべきポイントもそこになってくると思われる。また、復帰がいつになるか不明だが、ADCの復帰がまだならば、やはりねらい目と見ることが出来るだろう。

相手は急造チームなのでBugiを中心にまだ緩い連携面を揺さぶって自分から試合を動かすことで主導権を握ることが出来れば、ワンチャンは正直あると思われる。実際にBugiはLJLでBlankに、そしてDFMに自分から突っかけていき主導権を握れていたわけで、Blank相手に出来たならきっといけるはず、と思えるだけでもBlankが日本に来てくれた甲斐があるなあとか。あとは恐らくMIDJGの連携を一つ武器にしてくると思われるので、その部分ではAceの「耐える力」にも期待したいところ。

あとは中国直前練習のソロキューを見ていくと
TOP Hanabi  データなし
JNG※Kongyue データなし
MID※Uniboy  データなし
ADC Unified  GM119Pt
ADC※Dee   D2 100Pt
SUP Kaiwing  D2 45pt

地域的にほど近いため、スーパーサーバーを使っていないのかもしれないが、こちらのデータがない、ただ一番仕上がりが気になるDeeがまだ仕上がっていないという点は見えている。

比較用 V3のスタッツ

TOP Paz KDA5.1(1)K2.9(4)D2.1(2)A7.9(1)ダメ比20.5
JNG Bugi KDA9.4(1)K5.4(1)D1.4(1)A8.0(1)ダメ比22.6
MID Ace KDA9.2(1)K3.4(2)D1.4(1)A9.1(1)ダメ比20.5
ADC Archer KDA8.7(1)K4.0(1)D1.4(2)A7.8(1)ダメ比29.0
SUP Raina  KDA7.9(1)K0.9(2)D1.4(2)A10.4(1)ダメ比7.4 
   ビジョンスコア2.31(6) ワードクリア0.31(5)

※()はレーン別のリーグ順位(10試合以上出場者のみ)
※KDAはリーグ戦のみ の数値
※ダメージ比はSummerのプレーオフ含む全試合

リーグのレベル差をなるべく考慮しない特色

・スタッツ自体はUOLとよく似ている。違いはJGとMIDのダメージ比率。

・MIDのダメージ比を見れば、簡単に考えれば「キャリーされてるMID」と軽視もできそうだが、後述の中国ソロキューではそのAceが最上位となっており、これは各チームの分析班もAceの扱いに悩むと思われる。

・デスの少なさは屈指のレベル。安全に動くチームではある。

・サポの視界スコアは最低レベル。JGのBugiも視界はあまり管理しておらず視界面では苦戦を強いられそう。

・中国ソロキューでは各人が好調。

中国直前練習のソロキュー

TOP Paz GM 191Pt
JNG Bugi チャレンジャー548Pt
MID Ace チャレンジャー722Pt
ADC Archer GM 185Pt
SUP Raina  GM 189pt

CNソロキュー比較用画像

PSGとLGDは情報不足なので外して残りを列挙。こう見るといけるやんV3!Vやねん!V3!感がある。

画像9

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最後に

こう長々と数字を並べているが、もしかしたらV3は2日で4敗して即さよならともなりかねない。そうならないことを祈っているし、今回こそはワンチャンありそうと思えるのも、それだけでもなかなかいいことだと思う。かつて日本代表はほんまに塩試合でぬるっと負けるだけ負けて帰ってくる時期もあった中「ワンチャンあるで!」と思えるだけでも良いじゃないかと。日本サッカーもかつては釜本以降アジアの高い壁に阻まれつつも地道にレベルアップしてのJリーグ、ドーハの悲劇、マイアミの奇跡にジョホールバルがあっての今、本田さんが両手に腕時計したり本田さんとジャンケンして勝ったらペプシとかそういう時代に来ているわけで、要はこの過渡期も過渡期なりの楽しさあるし見守っていこうぜって。しけた話はTwitchのコメントメンたちに任せて俺らは手元にポテチとコーラとデータを用意して、時差もほとんどない見やすいWorldsを楽しもうぜってハナシ。







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