新形式PCSプレーオフの仕組みとDFMのライバルを見てみようの回

ということでおひさしぶりです。さて、昨年までならばLJLの優勝=国際大会MSI出場権獲得、となったのですが、国際大会および地域の整理という名の実質的なLJL等低Tier国の格下げにより、LJLの上位チームはPCS(香港台湾および東南アジアリーグ的なもの)のプレーオフに入り、PCSの6チームおよびオセアニア2チームと1枚しかないMSI切符を争奪せねばならなくなりました。言ってしまえばLJLはPCSの下部リーグ的な扱いと言ってしまったほうが状況の説明としてはシンプルと言えるまである状況です。

なお日本だけでなくオセアニアもこの待遇でほぼ同じ、日本から3チーム、オセアニアから2チームと1枠だけ差がある状況です。まあ日本的には数年前に破綻したオセアニアとほぼ同格の扱いを受けることになるのは多少厳しい話かなと思うのですが、実際問題として昨年のLJL代表DFMは相当恵まれた感のある組み合わせでPCSのPSG、ブラジルのLLLにいいとこなく0-2/0-2、全地域唯一の0勝で最速帰国となっています。なおそのPSGが強ければまだ面子も立ったのですが、そのPSGもルーザーズの果てに近年振るわないと言われている逆サイドのグループにいたNA代表GGに0-3ストレート負けを食らっており、そのNA代表が強ければまだ面子も立ったのですが、そのGGもベスト8でボッコボコの挙句0-3で退場しているという、結果的に見ればそら落とされても文句も言えない状況だったりもして。

という去年までの状況があっての今回初の試みPCSプレーオフ、それを見ていこうかと。ちなみに夏も似た状況で、LJLの上位がPCSにぶち込まれてWorlds2枚の切符を争うことになります。先に言っておきますが夏以降はKatudion氏あたりから「つまり日本から二組worldsに出れる可能性もあるわけです!」みたいなことをアホほど聞かされることになると予想できるわけですが、これは「宝くじ3枚買うだけで前後賞あわせて7億円当たる可能性もあるわけです!」とか「無料10連の1回でオルフェーブルと友人SSR5枚ずつ出て両方完凸に出来る可能性もあります!」みたいな話に近く、確かに可能性の話でウソこそは言ってないけどそれはそれで状況を加味した真摯な解説なのか?と先読み疑問と懸念を置いておきます。解説なら現実的な可能性を解説するのが真摯な解説なのではと。まあ応援なら夢物語を語ろうが何しようがええとは思うんですけど解説となると、という話で。サッカーだって解説という名の応援団長みたいな松木安太郎とかおるやろって話かもしれませんが、と続けるといつまでも終わらないのでそろそろ始めます。以下基本敬称略。


MSIへの果てしない道のり

ということで、トーナメント表を張っています。LJLで負けたDFMおよびV3は上の左の方に小さくいるのが分かるでしょう。MSIにつながるゴールは右下のトーナメント決勝の勝者だけです。遠いなー。文字で説明すると、まずステージ1でLJL2位3位、オセアニア1位2位、そしてPCSの3位から6位の計8チームがトーナメント戦を行います。4対4に分かれて各々の山の1位は勝ち抜けでステージ2へ、そしてルーザーズを勝ち抜いた各々の山の2位同士が戦って(LCQと言われるラストチャンス枠です)勝者のみステージ2に進みます。要はまず8チームで上位3つに入りステージ2に進むことがDFMおよびV3に課せられた第一のミッションです。

また、抽選か選べるのかわかりませんが、よくある形式として、勝ち抜けた2チームが次のトーナメントの場所を選び、LCQは余りの場所に入る、みたいな可能性がありますが、その場合ステージ2で待っているのはPCS2位のPSGです。PSGはサッカーファンならお馴染みでしょうがあのPSGであり、サッカーでも金満を武器にフランスで暴れていますが、こっちのPSGも潤沢な資金で毎年最上位争いをしている、香港台湾あたりでは近年一番力が抜けていて安定しているチームです。そんなのが勝ちぬいた先で待っているというのはかなりキツイ状況、実質的にPSGと当たるところは勝ちの望みも薄い、と言ってしまってもいいレベルです。

そんな感じでステージ2、下のほうのトーナメントのPSG以外の3枠に上からの3チームが来るのは理解できたと思います。その3チームとPSGがやりあって、勝った2チームが次はPCS1位のCFO、そしてLJL代表SHGと戦います。その3チームのうちかった2チームがウイナーズ決勝に臨み、さらに勝った方がウイナーズ側として決勝に進みます。なおステージ2では一回CO5で敗退してもルーザーズに落ちるだけで、落ちた先でさらに負けると終了、という形になり、ルーザーズ側を勝ち抜けばルーザーズ側として決勝に進むことが出来ます。いわゆる格ゲー等であるダブルイリミネーションと韓ガウェてもらうと理解が早いかと思います。ただLOLの場合、一般的なダブルイリミネーションではウイナーズ側は無敗で進んでいるので実質的な2ライフ(一回決勝で敗退してもいい)となるのですが、LOLでは時間の都合からかウイナーズ側で残っても2ライフといったメリットはなく、せいぜいブルーサイドレッドサイドを選べる、程度なのが慣例です。

まあ書いてるだけで果てしなさがわかるでしょう。去年までのDFMに比べて今年の優勝ソフバンがハードモードすぎる感がありますが、正直本気補強が遅すぎてチャンスを逃した、特に去年なんて大チャンスなのに手をこまねいていたSGやソフバンが悪いまである話で。まあ補強して勝つ気がある分だけマシとも言えますが。

怖いのはこの道程だけではなく、今回この道程を目の当たりにする中で早々にLJLチームが脱落すると、それを見た下位チームが「DFMですらステージ1で無理なら俺達がMSIに行くのは…」と今以上に絶望やあきらめムードが出てくる可能性であり。実際にLJLは今年8から6に、2チーム実質的な解散まであったわけで、国内大会の盛り上がりはストリーマー大会の後塵を拝しウォチパがないと横ばい以下、そのうえ実績として誇れるラインの国際大会まであまりに遠すぎる現状に対してコスパの悪さを感じるのがむしろ正常までいえる状況であり。言ってしまえば今回の状況、直行便が消えた状況はLJL2016の頃、LJL優勝がいわゆる大陸間プレーオフ、IWCQやIWCI参加権でしかなかった8年前くらいに戻されている状況なわけで、実際問題実力的に…なV3はともかく、DFMがコケるのはLJL的にまた別の危機、チーム撤退ドミノを巻き起こすかもしれないとかそんな危惧もあり。

そんななか勝ち抜くのがどれだけ大変か、例えばDFM目線で見ていこう、まずは初戦PCS6位のJTeam、こちら地域では有名な方のチームでしばらく前に世界大会経験もあるのだが、今期は気合い入れて集めたっぽいメンバーたちが不発で空中分解。ほぼ全メンバーとっかえでなんとか滑り込んだ。という恰好。そもそもPCSは8チーム中6チームプレーオフに進出出来るのだが下2つとの格差がひどく、8位は今季0勝10敗、7位はその8位にだけ2回勝って2勝8敗。6位のこのJTeamは、7位と8位から4勝、そして5位から1勝といった感じで相当勝てていない。正直当たる相手としては一番やりやすいまである。さすがにここに負けるといよいよ感が出てしまうので必勝を願いたい。

そんなJteamに勝つと恐らく次は次はPCS3位のFAK。地域で世界大会出場経験のある選手が複数いる実力的には折り紙付きなチームだ。個人的にここがDFMの正念場だと思うが、これで勝ってやっとソフバンの一つ後ろ、Stage2の底にたどり着く。勝てればおそらく相手は良くてBYG、悪ければPSG。PSGはメンバーが違うとはいえ去年0-2でボコられているレベルなので避けたい。負ければルーザーズ行き、すると相手はPCS4位のDCGが濃厚か。ここらへんは実力も横並び感があるので負けても驚けないくらいであって。

勝った場合で進めると、BYGは実はDFMと2021に当たっており、その時はDFMが勝っている。なお勝ち方はEviアーゴットによる破壊。相手には当時のMID-JGが残っている。Stealの負け筋として知らない相手に後手踏むというのがあるが、その点は大丈夫そう。一方当時のようにEviで壊すという手段は現状のDFMではリスキーな感もあり、どうなるかなかなか読めなくもあり。

そこに勝ってやっとソフバンと同じ位置まで上がれる。遠い。おそらくそこまで行けば組み分け的にCFOとなる可能性が高いだろう。CFOは世界有数といってもいいジャングラーKarsaや複数国で世界大会に出ているSwordArtを今期呼び戻しており、その成果もあり一つ実力的には抜けている。正直ここまで登れれば凄いまである。

PCSチームピックアップ Jteam

今季メンバーを開幕からほぼ総とっかえしているが、最終戦をもとにすると以下のメンバーと思われる。

TOP Likai
JNG Lauva
MID Minji
BOT ChiCh1
SUP Enso

注目はこの苦労したシーズンですべて出ているMIDのMinji。この不安定なチームにありながらMIDでの平均ダメージはPCS3位と高い値を出してる。もちろん相当格差のあるリーグなので平均がどの程度参考になるか、というのはひとつあるが、それでもチームの精神的にも作戦的にも主柱であるのは間違いないだろう。レーンのCS勝率も4割と、1シーズンで3人もジャングラーを使ったなかで、と考えればそこまで甘く見ていい数字でもないと言える。DFM的には、Aria-Stealの連携を含めたラインで連携にまだ甘さがあると推測されるMIDを掌握できれば勝利は近いのでは、と思えてくる。

あとは最終戦のままのBOTラインだと、BOTのピックが今期セナとスモルダーが最多ピックと、いわゆるちょっと変則なメタにも対応しているBOTと、その相方Ensoのピック1位がバードとなっており、多少変化してくるタイプだというところに気を付けてほしいところ。

いうてPCSでも下のほうなので、ここに勝てないと色々な意味で真っ暗感もあり勝ってほしいところ。

PCSチームピックアップ Frank Esports

TOP 1Jiang
JNG Gemini
MID JimieN
BOT MnM
SUP Kaiwing

MID Pretender


ここも実はよくわからないチームで、MIDは併用っぽく、そのうえそのMIDのPretenderがBOTとして出てくることもある、ということになる。ピックを見てると、メタ上位にいたオリアナを使いたいときはPretender、そうでないときはJimieNといった風に見える、実際JimieNのオリアナがボコられている。

このMIDBOTの変化にも注意だがもう一点、TOPはPCS屈指のプレイヤーといった感もある。ピックはエイトロカサンテジャックスとシンプルに体の強めなチャンプが多いが、TFを使って序盤有利を作っている試合もありファイターと決めてかかるのも怖い。

あとはMID-JGのGemini-JimieNラインは昨年CFOとしてWorldsでDFMと戦って勝っている。DFM打倒の立役者ともいえるサポートキャリーのShiauCこそ中国に移籍して不在だが、今回のサポートKaiwingも元PSGであり、MSI出場経験もある手練れ。国内のように手なりでBOTが有利になる相手でもないので注意が必要だ。

何より直近のDFMの手の内が知られているのは一つ困ったところだろう。

とりあえずおわりに

DFMはとりあえずルーザーズに落ちてもJTとの再戦だと思われるので、これでほぼStage1をケアできるかなと。LCQに行くとおそらくDCGですがそれはやるときにまた。

V3は次オセアニア2位相手ですが、問題児ながらその実力で何度もシーンに戻ってきているShernfireがいるぶん苦労するでしょう。V3はKRパワーを押し付け、Shernfireを押し付けられ、といった感じかと。

ともあれある程度DFMが勝ってくれないと見ごたえ的に困るので、とりあえず必勝祈願、ということで。

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