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野外文化活動レーベルYAMANOVAが生まれた経緯

自然と人をつなげる。

はじめまして。YAMANOVA主宰の山本喜昭です。

これからそもそもYAMANOVAって何よ?について書こうと思う。
一言でシンプルに表現したのがこの「自然と人をつなげる」で、そのためにコーヒーや映画、イベント、伝統工芸などの文化系の活動をしているレーベルだ。

もちろん人も自然の一部である。
であるが、ここ日本においては多くの人が日常的にそう感じていないのではないだろうか。一体のはずなのに、別の世界で暮らしているかのように。

ここで、ちょっとぼくの個人的なストーリーをシェアしたい。
上記の活動になぜ至ったかのルーツでもあるから。

思い返すと、子供の頃のぼくは、今も抱えているアトピーのせいもあり、どこか自信がなく、無力感を抱える少年だったように思う。

小学校で通った塾では、いじめられたこともあった。

そんな中、夏休みに親が連れて行ってくれる登山旅行はいつも楽しみだった。
幼少より母から山の本を読み聞かされたり、山の雑誌(山と渓谷やoutodoor)を毎月購読したりとその世界観に魅せられていた。

中学では登山部がなく、登山が好きな先生が顧問だった生物クラブに入部。放課後、学校の裏山を探索しながら植村直巳に憧れる少年で、そんな冒険とかアウトドアな世界観に浸るのが無力感や自身のなさを忘れる時間だったのかもしれない。

そんなぼくも、高校でラグビーをするようになり体力的にも精神的にも自信がついてきて、少しずつ無力感から解放されていく。
同時に家族旅行の山は行かなくなりアウトドアな世界からの距離も少し遠くなっていった。
(とはいえ自転車やオートバイが好きで、椎名誠や開高健を読みふけっていた)

大学では急に世界が広がり自分の好きに正直になった。はじめて自分らしい居場所を見つけた気がした。
がゆえに、卒業後サラリーマンになってからも仕事を仕事と割り切れず、就職した会社をやめて、好きを探し求めてファッションの世界へ。さらにクリエイティブな世界に進むべく、アートスクールで映像とデザインを学び広告制作の仕事につくことになる。

広告クリエイティブの仕事につけたときは本当にワクワクした。

ただし、想像を絶するハードな仕事だった。今でいうブラック笑。

それでも、稼ぎも良かったし社会にクリエイティブで役に立てると信じて疑わなかった。リーマンショックまでは。

そこから業績が一気に傾きはじめ、必死にもがきながら、新たに社内ではじまったコンサルという仕事もはじめたときに、ぼくは決定的な無力感に襲われることになる。

なんだ、この手応えのない仕事は。

自分が心から信じてできることをしたい。

やがて精神的にも肉体的にも限界になり、次第にソーシャルな事業をしたいと思い、ほどなくその会社を退社する。

2011年2月の終わりだった。

そして10日後人生を変える決定的なことが起きる。東日本大震災だ。

これは大変なことがおこったぞ! と思いながらも、現実味のないままに過ぎ行く日々。いてもたってもいられなく自分にできる支援活動をスタートした。

何度も被災地に行きながら感じる圧倒的な無力感。

これまで自分が疑いもしなかった常識が崩壊した。経済というシステム、食の安全、政治。消費し続ける暮らし。

それでも、僕らは生きていかねばならない。

闇雲にゼロから手探りでスタートした震災応援プロジェクトの立ち上げは生きてる実感をとても感じた。なんとかしなきゃという使命感、かけがえのない人たちとの出会い。誰かの役に立てるという朧気ながらも確かな手応え。

次第に無力感から開放され、生きるチカラが湧いてくる気がした。
誰かのために、が自分の生きてる実感と証になる。

広告制作会社在籍時の後半に担当したアウトドア関連の仕事をきっかけに少年時代のワクワクが呼び起こされたのを発端に、その頃ぼくは冒険や旅などのアウトドアに関する発信を仕事と震災支援の傍、ライフワークとしてスタートしていた。

様々な冒険家、探検家、旅人、アスリートなどに会うことで自然と生きる人たちの生命力に圧倒された。

また日本の食生活への危機感、ダウンシフト的暮らしへの憧れから山梨の自然学校に妻と通うことに。自然農を学び、自然と共に暮らすことでここでも自分の中に燻っていた生きるチカラを感じることができた。はじめて自分で肥料も農薬もなしに育てた野菜を食べた時の感動は今でも忘れない。

経済成長至上主義の世界から、震災を経て自分にとって本当に必要なことが少しづつだがわかった気がする。

過剰なまでの便利、モノと情報が溢れる現代社会で自分の生きるチカラを再起動する。そして誰もが本来持っている生きるチカラを解放することをライフワークにしていこう。

ココロのエンジンを燃やせる人がつながり共振する世界を作りたい。

自然と人、人と人がつながり生きるチカラを感じる幸せな世界。

クリエイティブとビジネスを介して世界を変えよう。

手探りで一人で決めたビジョンを形にしていくには、自分だけでは限界がある。そう感じていた2016年に出会ったのが、フリー山岳プレイヤーでイベントMCをしている田中ゆうじん氏だ。

東京暮らしから心機一転、仕事をすてて長野県は松本市に家族で移住し、週のほとんどを自由に山を駆け回る男。

ブログやSNS、YouTubeで自らの文字通り”自由”な登山やスキー(彼はBC SHORT というアクティビティの考案者だ)を世の中に発信していた。里山を楽しむトレイルランニングから、下手したら命を落とすリスクの高い1dayスピード登山やスキー・マウンテニアリングなど様々なアクティビティをジャンルというボーダーを超えて楽しむ。

当時(今も)ぼくは、長野県に移住を目論んでいたし、ゆうじんが彼のフリー山岳プレイを通して表現しているボーダレスな”自由”は、まさに生きるチカラの再起動を促す要素なので直感で何かを一緒に生み出していけるのではと思った。

彼もちょうど一人の限界を感じていた時期で、共に何か表現する”場”をつくっていこうということになった。

こうして、YAMANOVAは生まれた。

最初は車座トークセッションという形のイベントからはじまり、オンラインコミュニティ、動画配信、出版、WEBメディア、体験型のアウトドアイベント、ドキュメンタリー映画制作、そしてアウトドアコーヒーメイカーに。

様々なコンテンツを介して生きるチカラの再起動を仕掛けていくことになる。様々な失敗を繰り返しながら。

最初はチームつくりをしていたので、入る人もいれば出て行く人もいた。

お蔵入りになった企画は数知れず。

時には仲間同士でケンカも笑。

そんなこんなで、YAMANOVAは以下のように進化した。

一つの組織でもチームでもない。

音楽でいうところのレーベルみたいな存在で、ビジョンに賛同する様々な人や小規模な会社が、やりたいプロジェクトごとに集まり、協力しあい表現し行動し仕掛けていく。

自分で発案するのもよし、人のにのっかるのもよし。

コラボもあり。

レーベルであり、様々な志向の人が集まってそれぞれの生きるチカラを発揮しお互い支えあいながら自由に進んでいくゆるやかな共同体でもある。

そんなのを目指してきて、今すこしずつだけれど形になりつつある。

少しでも興味が持てたなら、facebookでオンラインコミュニティを作っているので、気軽にご参加ください。https://www.facebook.com/groups/YAMANOVA/


なんとホームページはやっと制作準備に入ったところ。

できるまでは以下にいろんなコンテンツがあるので、ぜひご覧ください。

◯ヤマノバコーヒー(ネパールコーヒー) https://yamanova.com/coffee/

◯コーヒーオンラインストア https://yamanova.stores.jp/

◯ドキュメンタリー映画予告 https://vimeo.com/165545276

◯ドキュメンタリー短編動画 https://vimeo.com/385036128

◯蔵出し生ドキュメンタリー https://note.com/yamanova_mag/m/mffe502ec727e

◯ヨーロピアン・アウトドア・フィルムツアー(E.O.F.T.) https://eoft.jp/

◯森とつながる日用漆器創作所モリノグ https://www.instagram.com/mori_nog/



そんなこんなで長くなったけれど、今はゆうじんはメインメンバーから離れて「ふぁすらい山ラジオ」というプロジェクトを主宰している。(バンドメンバーがちょっと離れて別のバンドをメインに活動しているようなノリです)

で、今ヤマノバの活動をしているのは僕と新しくゆうこりんこと一級建築士の矢野優子さん、起業家サポートや撮影をしているテッツさんこと横山哲也さん、映画や舞台、テレビのプロデュースをしていた柏木貴恵さん、デザインやブランディング、可能性カウンセリングなどをしている浅川友里恵さん、木工作家でハンドクラフトユニット「キトツチ」の丸山浩通さんなど少しずつ仲間が増えつつありワクワクしている。

関わり方は人それぞれだし、今後も入れ替わりもあるだろう。
そういう縛りのないゆるりとした共同組合みたいなレーベルになってきている。

アウトドアとスローライフの野外文化活動(体育系でなく文化系ってこと)レーベルだ。

僕らの活動に興味が少しでもあったら気軽にコンタクトしてきてください。
お互いよかったら興味あるプロジェクトをご一緒したりコラボしたりしましょう。


YAMANOVA主宰
山本喜昭



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自己紹介

アウトドアとスローライフのクリエイティブレーベル。自然とつながり、自然を身近に感じることで大切なチカラを取り戻す。自らの意志で自らハンドルを握り、人生を進んでいく。そんな生き方を、映像やイベントとコーヒーを通して提案しています。