私流のゾクゾクする話2
さて、医療業務全くの未経験である私が、成り行きで法医学教室にて勤めることになり、そこではどんなことが待ち受けていたのか。
もちろん、基本的には化学分析の専門家たる私のできる範囲での業務を行います。それが中毒学です。
合法、違法含めた様々な薬物による中毒死、それを確認するための業務です。
薬物中毒で亡くなる方は非常に多い。特に血液中の覚醒剤検査の回数は年間数百回にも及びました。その結果、覚醒剤が検出されないこともありましたが、検出された場合はそのほとんどが致死量に達していました。
「死んでもいいから覚醒剤をやりたい」
ということなのかどうかわかりませんが、そこまで人を狂わせてしまう覚醒剤というものに改めて恐怖を覚えたのでした。
私の業務は基本的に薬物検査でしたが、何もラボにこもってずっと機械とにらめっこしていたわけではありません。
意外と面白かったのは、定期的に来る大学の医学部生へのレクチャーです。医者の卵たちですね。
彼らに薬物検査や分析機器についてのレクチャーをするわけです。どうやらそれもカリキュラムに入っているらしく、私がレクチャーすることで単位が認定されるそうです。
まさか文系学部出身の私が、医学部生に化学分析のレクチャーをすることになろうとは・・・世の中何が起こるかわかりませんね!
今回はこの辺で!
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