リサイクル暮らし その3 犬とイナゴ

去年末、雄と雌の子犬をもらって来た。
もうじき1歳になる。
ご先祖は、アイヌ犬や琉球犬。その前はきっと人懐こい性格のオオカミだったのだと思う。
なので、立派な牙がある。
中型犬で、そのワイルド感は吠えられると怖いようで、近寄れない人も多い。
すっかり番犬の役目をこなし、カエルや野ウサギを追いかけるワイルドなワンたちだ。

雌のルアが初潮を迎え、ぷっくり可愛らしく腫れてるお尻にそそられて、雄のソーレが発情した。
このまま自然妊娠?とも思ったけれど、まだ1歳に満たない小柄なルアの身体を氣づかい、ルアとソーレをついに別居させることにした。

昨晩はソーレがずっとクンクンと寂しがる。
ルアはようやくゆっくりした時間が持てたのか、とても穏やか。
いつも2匹一緒くただったけど、しばらくお散歩も別々。

ソーレを玄関のそばに移動したのはいいけれど、それだと郵便や宅配の人たちに吠えて迷惑をかけるので、ポストを移動、宅配BOXを用意。
あとは電気検診のお姉さんも怖がるので、もう少し玄関から離した方がいいのだけど、片付けなければ場所がない〜〜
それはまた明日。

さて、わたしはお米を籾付きのまま保存している。
保存状態が良ければ、籾付きのままだと10年は味が変わらないらしく、毎回2〜3日分のお米を籾摺りして使う。
最近は、糀を仕込むときは玄米を使用し、普段は栄養価がなるべく残るように3.6分突きくらいにしている。ヌカは利用する。
リサイクル屋さんで買った籾摺り精米機はそんな暮らしに重宝している。
ココに来て唯一わたしが購入した電化製品だ。
大昔の人は、籾を擦って、精米するのも手作業だったのを思うと、去年手作業でやってみて、よくそれだけの時間が取れたよなぁと不思議に思った。

その籾摺り精米機が壊れてしまい、修理から戻って来た。
モーターを動かすゴムベルトが劣化していたようだ。
単純な機械は、直して使えるところが嬉しい。
また、こまめに掃除しないと、梅雨からこの時期にかけて虫がたくさん来る。虫の糸が絡んで詰まりの原因にもなるといって、相方が古いビニールシートをかけてくれた。

が、そのビニールシートはドロドロに汚れてて、さすがに食べ物を扱うのにこれじゃあアカンなと。
昔のわたしなら捨てて、500円くらいのものならと買ってしまっていたところを、ココはリサイクル暮らし。洗うことにした。使えるものは使う。かなり汚れていたので、時間がかかってしまった。

そして。
昨日獲ったイナゴのこと。
イナゴってそうか、田んぼで捕獲したものを昔から食べてたんだなぁと今更ながら知った。獲ったら無駄にしない。命をいただく。という循環か。

今年は虫が多い氣がする。
先日、長野の百姓仲間が遊びに来たとき、ちょうどキイロスズメバチが軒下に巣を作り始めていたので、巣をとって、中にいる鉢の子(卵)をいただいた。
採りたての鉢の子をさっと炒ってくれて実食。
初体験の鉢の子は、ソフトカプセルのようなものの中にクリーミーなものが入っているという感じ。
わずかに甘かった。味はほとんどない。
鉢の子はものすごい精力剤らしいけど、そこまで身体が欲しなかった。

キイロスズメバチは捕獲して焼酎に漬けておくと、やはり精力剤として飲めるし、刺されてしまった時の特効薬になると言って、その友人が焼酎をくれたので、そこに家に入って来た蜂をつまんでは入れることにした。
今のところ15匹くらい入っている。

実はこの夏から家の中に来たムカデをオリーブオイル漬けにしている。
それも置いておけば置いておくほどムカデのエキスが溶けて、やはりムカデに刺されてしまった時の特効薬になるそうだ。

あと、噛まれて怖いのはマムシ。
昨日お隣に救急車が来たので、手助けできることはないかといってみると、マムシに噛まれたとのこと。
すぐに救急車内で応急処置をしてもらったようだ。
それだけマムシは怖い。
マムシ酒も特効薬になるとは聞いているけど、相方は飛び上がるほどの蛇嫌い。わたしもさすがに捕獲する勇気がない。
うっかり草刈り機で殺してしまうことはあっても、基本的に殺生は苦手だ。
いつかのタイミングかな。できるかな。できないかな。

蜂酒もムカデオイルも、マムシもしかり毒系全般に効くようなので、十分満足してるし。
しかし発酵した毒はワクチンになるってすごいなぁ。

野山には毒を持った生物も多い。
30歳を過ぎた頃から、主婦湿疹などのアレルギー症状が身体に出るようになったわたしは、最終的にココに来てほとんどアレルギーは出なくなった。
それをいいことに油断して、手袋もつけずに畑(自然農)に入っていたら、手だの首だのにたくさん湿疹なのかなんなのか、細かいぶつぶつがたくさん出てしまった。
草に負けたのかも知れない。毛虫とかクモとか、そういう毒のあるヤツかも知れない。
今年は2度ほどそんなことがあったので、それからは田畑に入るときは、首に手ぬぐい、長袖を着て、手袋をつけるようにしている。

そういえば今はやりのコ○注射の案内状が来た。
良く読んだら、でもこれは必ずしも効くものではありません云々と書いてあるので、だったらなおさらやめようと思った。

以前、街で働いていた時、インフルになって回復してから、インフルエンザワクチンは社会人の常識として打つものですよ。と社長に言われたっけ。
社長は打っていたのでうつさないで済んだ。

アレルギーが出やすくなってから、どっちみち有料だろうが無料だろうがワクチン系は打ったことがない。

社長にはそうは言わなかったけど、次のインフルシーズン前に退社したので、迷惑を掛けずに済んだ。
それから一度もインフルエンザになってない。風邪も引いてない。

と、回想はやめて、イナゴ!

イナゴは一晩置いて、お腹が空っぽになったところを調理するのが良いらしい。
すぐにいただきたい場合は、お腹を潰して糞を出すそうだ。
殺生は苦手だーーー(ちなみに蚊はつぶせる)
せめて一晩置くことにして、調理してみるかというところで、相方が食べたくないという。
わたしも食べてみたいというのはあるけど、特に食べたくない。

イナゴをいろいろ調べると、旧約聖書では聖ヨハネも常食してたって。
イナゴは人の食べ物を食べる悪魔なんだそうだ。
まあ、聖書っていうのは時代時代でどんどん変わってるという話なので、もしかしたらイナゴは食べるといいよって誰かが親切で書き添えたのかもだしね。過去は謎だらけだ。

イナゴの天敵は、カマキリやクモとのこと。
もしかして田んぼに入り過ぎてクモの巣を壊してしまったのかも知れない。

今年は、稲の分けつを良くするように、田んぼのコナギなどの草を引きながら、こまめに田んぼに入って土を踏み、根に空気を入れると良いという江戸時代の農法なのだけど、、、。。
無化学肥料のお米を作るのに一番大変なのは、その草引きだ。
今年は田んぼの世話に手がかかり過ぎて、せっかく芽が出ていた野菜たちが、根付いている他の植物のパワーに負けてしまったものが多過ぎて残念でたまらない。
畑も田んぼもというのは手が回らない。
だから農家さんたちはいろんな機械や薬を使ってるんだな。
最近では、水溶性の紙マルチを敷きながら田植えができる田植機がある。
それがあれば、除草剤がいらない。つまり無農薬米が手を掛けずに作れる。薬代もいらない。
時代はやはり無農薬米へと流れるんだろうか。
無農薬米が量産できて安くなったら、同じ価格なら誰しもが無農薬米を食べるだろうなぁとは思う。

わたしはできれば江戸時代方式よりさらに古代に向かって縄文式にしてみたい。そうすればカマキリもクモもイナゴを食べてくれるかも知れない。
収穫が終わったら、田んぼにまず麦を蒔こう。

獲ったイナゴはスナック菓子のように料理すればいいかな。
そうだ。唐揚げにして、味見だけして、身体が欲しなかったら、ワンたちに食べてもらおう。ふぅ。ようやく頭がまとまった。料理できる。
ワンたちは残り物を食べてくれる。
罪悪感を消してくれるって嬉しい。
罪悪感はなるべく持ちたくない。持たないようにしたい。
ワンたちには助けられてる。

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