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プロレスラーの数奇な人生~ジ・アンダーテイカー~



ものすごい勢いでプロレスの魅力について語ったが、ほんの数%しかあそこには書き残せていない。
できればさっさと名勝負などを紹介したいところではあるが、まだまだ前知識があった方がプロレスをより楽しめるはずだ。

前回「プロレスラーひとりひとりにストーリーがある」と書いたが、具体的にどういうストーリーが見えてくるか、一人のレスラーにスポットを当てて紹介しよう。


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今回紹介するのは、「ジ・アンダーテイカー」。世界最大のプロレス団体"WWE"で、長年トップの座に君臨してきた最高のレスラーの一人である。


 ジ・アンダーテイカー
ニックネーム: デッドマン、地獄の墓堀人、アメリカン・バッド・アス
身長: 208cm
体重:140kg
必殺技:チョークスラム、ラストライド、ツームストン・パイルドライバー


2m超の巨体から繰り出されるパワーファイトと、異常に身軽な身のこなし、そして圧倒的な存在感で相手の心をへし折る絶対的な強者だ。
その存在感は前回載せた動画を見れば一目瞭然だろう。
今回はアンダーテイカー入場欲張りセットを載せておく。

ゆっくり歩いているだけでこの恐ろしさ。生徒指導の先生の五億倍怖い。


この見た目と「デッドマン」「墓堀人」という異名。なにかホラーチックな匂いがする、と感じないだろうか。ご名答。


彼は最初から死んでいます。


ん?意味わからない?一回飲み込んで聞いて。ここで止まってたら話進まんから。





1990年代リングに降臨したアンダーテイカーは圧倒的な実力で並み居る強豪を次々と葬り去り、倒した相手を持参した棺桶の中に入れ、釘を打ち付けて帰っていく、という怒涛のオーバーキルでWWEでの地位を高めていった。

ベアラー


ちなみにテイカーにはポール・ベアラーというマネージャーがいる。(一応育ての親という設定)異常に肌が白く、太っており声が甲高い。テイカーより不気味だ。彼が持っている金色の骨壷を高く掲げればテイカーはパワーアップし、逆に奪われたりするとテイカーの力は弱まってしまう。アンパンマンの顔と同じようなシステムといったら分かりやすいだろうか。


まぁそんなこんなでアンダーテイカーが当時のヘビー級王者、ヨコヅナ(名前のセンスよ)と抗争していたとき、第一の転機が訪れる。

得意の棺桶マッチ(リングサイドに設置された棺桶に相手を入れて蓋をした方が勝ち)に臨んだテイカーだったが、ヨコヅナの子分数十人の介入を受け棺桶に詰め込まれ敗北。
そして大変な事件が起こってしまう。

棺桶爆発

棺桶爆発!!!!テイカー死亡!!!!!


死んでしまったのです。


テイカー死後は半年ほど偽アンダーテイカーがマットで傍若無人な振る舞いを見せていたが、それに激怒したポールベアラーは残された金色の骨壷に祈りを込める。


すると骨壷に光が、、、

手前が本物

テイカー復活!!!(手前が本物のテイカー)
偽者とオリジナルの差は歴然で、テイカーが偽者を圧倒し、葬り去った。

その後別のやつに生き埋めにされてもう一回死んだり、テイカーがさらなる魔力を手に入れてベアラーの顔を火の玉で焼いて決裂したり色々あったのだが、大きな敵がテイカーの目の前に現れる。

ケイン

テイカーの弟、ケインである。
彼はテイカーが幼少の頃起こした火事で、両親もろとも焼け死んだはずだったのだ。そりゃ恨むわ。
テイカーも多少罪悪感があったのか、「あいつとは戦いたくない」とされるがままで、棺桶に押し込められて燃やされる。

ただその棺桶の中にはテイカーはいなかった!もはやプリンセス天功である。さすがにテイカーもブチギレ、ケインが炎を出せばテイカーは雷で応戦、もはやドラゴンボールみたいな抗争が幕を開ける。

何を言ってるのか自分でも分からなくなってきた。もう動画あったからこれ見てくれ。炎とか雷でドンパチやった上で最終的にプロレスで決着というのがなんとも男らしい。



その後ケインに邪魔されて生き埋め(2年ぶり2度目)にされたり、亡くなった歴代WWE王者の魂を吸収して「暗黒帝王アンダーテイカー」になったりして、


バッドアス


チョイ悪おじさんになりました


バンダナ巻いてハーレー乗って入場して、普通にベラベラ喋るし奥さんの尻に敷かれたり普通のおじさんになったのである。アメリカ版所ジョージみたいな感じである。暗黒帝王からの落差すごい。


ただこの頃のテイカーが激シブで、強さは変わらず圧倒的で本当にかっこよかった。会場の都合で花道が短くても、めちゃくちゃゆっくりのスピードで無理矢理ハーレーで入場するのもかわいかった。


最強の不良おじさん「アメリカン・バッド・アス」としてWWEのトップで大暴れしていたアンダーテイカーだが、またもあの強敵が牙を剥く。



弟ケインである。
「テイカーが勝てば自身の試合を自由にマッチメイクできる」という権利を勝ち取り、それまでテイカーに理不尽なパワハラを繰り返していたWWEのCEOビンス・マクマホンとの1対1の生き埋め戦を行うが、勝利寸前でケインがアンダーテイカーを襲撃。

ショベルカー

ショベルカーでダイナミック生き埋め。(5年ぶり3度目の生き埋め。)


テイカーはよく生き埋めマッチを提案するのだが、7割方自分が生き埋めにされてしまう。テイカーだからこそできるダチョウ倶楽部システムだ。

お察しの通りもちろんテイカーはその後復活、不良おじさんではなく、以前の「墓堀人」スタイルに戻り、年齢を重ねるほどにそのオーラは増し続けている。もちろんその後も何回か殺されている。
現在はほぼ引退状態だが、1年に1・2回のペースで登場し、そんじょそこらの若造を寄せ付けない存在感は健在だ。




一人のレスラーでもこれほどの膨大な歴史がある。これでもかなり省略した方で、テイカーは自分の知っている限りで計7回死んでいる。(もうちょい死んでるかも)


人の生き死にすら省略しなければならない濃厚さ。それほどまでにプロレスラーのストーリーは波乱万丈なのだ。






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