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入院生活6日目(2024.02.04)

面会もリハビリもないのでほぼ一日中本を読んでいた。スイカゲームはもほとんどやらなかった。そんなに集中して本を読めるのなんて何年ぶりだろうかと思う。

深夜、同じ部屋の他の患者さん達が眠ってしまい(でもほとんどの時間誰かしらが起きてごそごそしていた)、灯りを落として本を読んでいると、沸々と多幸感のようなものが心の底から湧き上がってくるのを感じた。

時々遠くでナースコールが鳴って、廊下を看護師さんがパタパタと走っていく音が響く。エアマットの空気がコンプレッサーによって充填される音が低く微かに聞こえる。それと音もなく落ちる点滴の滴。「たまんないなぁ」と思う。この誰も自分に関わってこない感じ。遠い山の中にポツンと在る山荘で小さな灯りだけを頼りに本を読んでいるような。

だけどあまり夜更かしするのもアレなので日付が変わる頃には灯りを落として横になった。でもちょうどそのタイミングで奥のベッドのお爺さんがトイレに行きたい旨を大きな声で訴え、途端に慌ただしくなる。声を出して呼んでも看護師さんには届かないので、代わりに私や隣のお爺さんがナースコールで看護師さんを呼んだ。お爺さんはやってきた看護師さんにナースコールの押し方を教えられていたが、もう何度も同じ事を繰り返しているので多分お爺さんがナースコールを押すことは今後もないだろうと思う。

暗闇の中で耳をすますと実に色んな音や声が聞こえて眠れないので、またもやイヤホンで耳を塞いで寝た。

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