ドラッグストアの花火(2024.08.27)
仕事終わりの帰宅途中、妻から卵を買ってくるよう頼まれた。
そういえば、朝に私が卵かけご飯で使った卵は最後の一個だった。私はほぼ毎朝卵かけご飯を食べているので、卵の消費量は家族でダントツだから、卵を買ってくるよう頼まれれば、断る事はできない。
いつものドラッグストアに寄る。
台風が迫っている影響だろうか、菓子パンコーナーがスッカラカンだ。子供たちが毎朝のように食べるヤマザキのチョコパンも売り切れている。卵もあるはずの場所にないので店員さんにたずねたら、思っていたのと違う場所で売っていた。
ついでに麦茶やコーヒーと牛乳も買う。我が家で毎日消費する重量級の飲料だ。麦茶2Lを3本、コーヒー950mlを2本、低脂肪乳1000mlを1本、あと自分用に「氷と楽しむおいしいワイン」720mlを1本で、合計7本。総重量は約10kgだ。
それらを購入してサッカー台へ移動する。店員さんが気持ちよく「ありがとうございました」と言ってくれる。このドラッグストアの店員さんはいつも接客がすごく丁寧だ。
合計7本の飲料をマイバッグに縦に詰めていく。大きめのものから順に詰める。最初に麦茶、それからコーヒー。
麦茶は2kgもあるので、袋の中に立てる度に「ドーン」と音がする。続けて「ドーン」「ドーン」と鳴るので、「花火みたいだな」と思った。
夏の終わりの最後の花火。思えば今夏はたくさんの花火を見た。近くから、遠くから、大きいのや小さいの。色とりどりの花火を様々な場所で見た。
「その最後の花火をここドラッグストアのサッカー台で私は打ち上げている」と思うと、私は面白いような侘しいような気持ちになった。
麦茶、コーヒー、牛乳、そしてワインと花火の音は本家とは逆にだんだん小さくなっていった。最後に飲み物類の上に卵をのっけてプラのケースがメリメリっと音を立てた。
台風がもうすぐ来る。長かった夏が終わる。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?