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町中華で飲ろうぜ(2023.09.12)

BS-TBSでやってる「町中華で飲ろうぜ」という番組が大好きだ。

ナビゲーターの玉袋筋太郎とか、高田秋とか坂ノ上茜が主に東京の町中華でお店の人やお客さんとふれあい、ニラレバやラーメンや餃子を食べながら基本的には瓶ビールを飲む(2杯目はそれぞれの個性が出る)というだけの番組なのだが、これがめちゃくちゃ良い。

特に良い点がいくつかある。

その一つが玉袋筋太郎の豪快な飲みっぷりとギリギリクズにならないラインで人情味にあふれている点だ。

いかにも下町のあんちゃんといった風情の玉袋氏。実に気持ちよく瓶ビールを飲む。瓶ビールは633ml入っていて、この「ろくさんさん」が大人の義務教育だそうだ。実に素敵な義務教育で、私も今から受けなおしたい。

ビールを飲み上げてあっという間に顔を赤らめた玉袋氏(玉ちゃん)。そのあとは緑茶ハイなどを飲んでそのアルコール度数の高さに感嘆して、「かってぇな~!」と言う。アルコール度数の高い酒は硬いらしい。よくわからないが、なんかわかる。

食べ方も豪快だ。ガガガッと口に瞬時に料理を放り込む。そして目を細めてもぐもぐ味わっている。見ていて実に美味しそうだ。そして店主やお客さんにいかに美味かったかを大きな声で伝えるのだ。たまらん。一緒に飲みたい。

そしてあんな感じの玉袋氏だが、実はけっこうインテリジェンスに溢れており、びっくりするような角度から文化的なエピソードや町に関する歴史的な逸話を挟んでくる。これは若い他の二人のナビゲーターには出来ない事で、番組をいっそう味わい深いものにしている。

そして一般のお客さんとの絡みがまた面白い。

個性的なお客さんが番組には多く登場する。どの方も上機嫌で飲み、語らい、時にはおすすめのメニューなんかをごちそうしてくれたりもする。みんなとても幸せそうで、基本的に顔が笑っている。見てるこちらも自然と笑けてきて、楽しい気持ちになれる。

残念ながらコロナ禍になって以来番組は店を貸し切ってロケをするようになってしまったので、この点では残念ではあるが、それでも頑張って番組を存続してくれた制作陣には拍手を送りたい。

あと音楽が良い。オープニング曲がシンプルでどこか哀愁漂うものなのだが、これを聞くと東京に住んでいた頃をなぜだか強く思い出す。蒲田とか目黒(のはしっこ)で飲んでた頃の雰囲気を曲が想起させるのだ。

んで今調べたらこれ東京スカパラの曲だった。しらんかった。スカパラらしからぬ曲だけど、これ素晴らしいなぁ。染みる。

それから玉袋氏のエピソード(一度の放送につき、玉袋氏パートが最初にあり、その後高田氏か坂ノ上氏のパートがある)終わりに流れる吉田拓郎の「午前0時の街」も良い。

今の時代にはそぐわない内容だけど、この郷愁を誘うメロディー、そして歌詞。「闇にまぎれちまえ」とか、なんて素晴らしいフレーズなのかと思う。この番組のEDにふさわしすぎる曲だ。是非どこかの町中華で閉店間際に流して欲しいもんだ。

私は禁酒している間この「町中華で飲ろうぜ」をけっして見るまいと封印していた。しかし今、ふたたび「町中華で飲ろうぜ」を見ている。酒のお供に良いからだ。まるでテレビの向こうの玉袋氏などと一緒に飲んでいるような気持ちになれる。日頃飲みに出かけることが全くできない私にとってこれはたいへん有難い事なのだ。

あと、玉袋氏ばかり取り上げたが、高田秋氏や坂ノ上茜氏も実に良い飲みっぷりの、素晴らしいナビゲーターだ。私を含めおっさんの方々は一緒に飲みに行きたいような理想的な女性陣なのではないだろうか。

是非晩酌される方には一度騙されたと思ってこの「町中華で飲ろうぜ」をご視聴して頂きたい。よろしくお願い致します。



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