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ごめんね豚丼(2024.04.16)

「今夜はタラの芽の天麩羅だ!」と朝から楽しみにしていた。

義両親が前日に持ってきてくれた大量のご馳走の中にたくさんのタラの芽(天然もの)があったからだ。

私は仕事帰りにキリンラガーを買って準備しておいた。めったに買わない「ちゃんとしたビール」。しかも500ml。タラの芽の天麩羅を味わう準備は万端だ。

帰宅したら、殺気立った目で夕飯の準備をしている妻。何やら豚を炒めている。「ああ、豚も出すのね」くらいに思いながら、子供らとどやどやと風呂へ行く。

風呂から上がり、食卓を見渡す。タラの芽らしきものはなく、豚と玉ねぎを炒めたものが長男のお皿に盛り付けてある。「ああ、タラの芽はこれから揚げるのか。揚げたてが美味いもんね」と思う。

が、待てど暮らせど妻が天麩羅を揚げる気配はない。というか、台所を見てみるとどこにもタラの芽や天麩羅の準備はされてない。

おそるおそる「あれ?タラの芽は?」と妻に聞くと、「今日は無理」と味気ない答え。昨日は「明日はタラの芽の天麩羅だな」とおっしゃっていたではありませんか。

意気消沈した私。豚と玉ねぎの炒めたやつ(むちゃくちゃ簡単で私もよく作るやつ)はあんまり食べたくなかったので、たくさん余った。だから妻と私の明日の弁当はそれをご飯にのっけた豚丼弁当になった。

妻のやつはタッパーに大量のご飯を詰めて、それに例の豚と玉ねぎを炒めたやつをのせただけの豪快なやつだった。工事現場のおっちゃん、または食べ盛りの男子高校生が食べてるような弁当。私のは次男が食べなかったキュウリや長女が食べなかった切干大根も入れ込み、さらに余ったゆで卵や大葉までのせた成れの果ての寄せ集め弁当だった。

冷蔵庫の中ではキリンラガーがキンキンに冷えていた。こっそりジョッキも冷やしていた。もったいないので、妻が風呂に行ってる隙に飲んだが、全然美味しくなかった。やはりビールの味は気分に大きく左右されるのだ。

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