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牧場とフェリーのりば(2024.09.28)

朝から色々なところへおでかけをした。

「水の駅おづる」という、水がわんさか湧いていてる、ほぼ道の駅のようなところでとても美味しいとり天やおにぎりを昼食に食べた。


美味しい水が汲み放題。皆さんべらぼうな量の水をガンガン汲んで帰っていた

それから「ガンジー牧場」というところで動物と戯れ、ソフトクリームを食べたりした。

ガンジー牧場では「カブトムシ号」という一人300円の乗り物に乗ったのだが、行きついた先がガチの牛舎で、しかもそこで牛と存分に戯れる事が出来てびっくりした。そんな事が出来るなんてアナウンスは露ほどもなかったからで、とんだサプライズだった。

行きついた先がちゃんと牧場で
しっかり牛舎だった

それまで運転手だったおじさんが、牛舎を案内してくれて、「牛の角を触ってみてください。あったかいですよ」などと言うもんだから、うちの子は全員角にさわって「めちゃくちゃぬくい!」とびっくりしていた。私も触ってみたけど、ほんのり温かいくらいで、そこまで大袈裟に言う程でもなかった。

それから私は長男がつかまえたバッタにすごく懐かれた。私の背中にいたずらで乗せられたバッタは私の体のあちこちを歩き回って、全然他所へ行こうとしなかった。一度飛び立っても、私のところへ戻ってきた。

私は基本的に生き物に好かれないので、妻や長男はこれがすごく意外だったみたいで、面白がっていた。私も珍しく生き物に好かれたので嬉しくて、バッタに「バツくん」と言う名前を付けて可愛がった。次男もバツくんを大変気に入って何度も「バツくんは!?ねぇパパ、バツくんは!?」と何度もバツくんの所在を確認した。

バツくんはずっと私の腕に捕まったまま、いつまでも付いてきた。だから最後バツくんを優しくつかんで草むらに放した。「さようならバツくん」と言って。私はバツくんとはいずれ違う形で会えるような気がした。

さようならバツくん

ガンジー牧場を後にした私たちは紆余曲折あって、別府のまたもや資さんうどんで夕飯を食べた。私は冷やしぶっかけうどんを食べて、それはそれで美味しかったのだけど、やはり出汁があった方が私は好きだなと思った。

資さんうどんの冷やしぶっかけネギまし

それから妻が「フェリーを見に行こう」というので、資さんうどんのすぐ横にあるフェリーターミナルへ行った。

私は特に乗船の予定もないのに、フェリーターミナルに入る事ができるのかよく分からなかったが、普通に入れた。周りは大きな荷物を抱えた乗客ばかりなので、私たちはちょっと変わった客に見えたかもしれない。見る人によっちゃ「タクシー代わりにフェリーを利用する常連」というふうに勘違いしてくれたかもしれない。

妻はフェリーターミナルに近づくにつれて、その変わり様に驚いていた。妻はもう十数年前、まだ大阪に住んでいた頃、帰省する度にこのフェリーに乗って大阪へ帰っていたのだという。その頃とはターミナルもフェリー自体も何もかも変わっていると妻は言った。

ターミナルに入ると、そこでは今まさに乗船手続きが行われている最中で、日本人だか外国人だかが、長く蛇行した列を作って並んでいた。そして列の先頭から順に係員が端末でチケットを読み込んで、とてもスピーディーに手続きを行っている。次から次に乗客が奥の通路に吸い込まれていく。

私たちは別にどこへ行くわけでもないのに、疑似的に遠くへ行くような気分を味わっていた。あの、長らく味わっていない旅立ちの雰囲気が、自分の中に薄い煙みたいに充満してくるのを感じていた。

体温が少しだけ上がって、照明がやけに明るくて、耳に何か詰め物をしたみたいに喧騒が遠くなり、目が泳いでしまう、あの浮足立った感じ。

どこかの大学生らしき男の子二人がカウンターへ来て、乗船が出来ないか係員に確認していた。するとちょうど空きがあったようで、無事にフェリーに乗る事ができるようだった。

「予約なしでもいけるんだな」と分かった私と妻は、これから大阪へ突然行くという可能性について思いを巡らして、ただそれだけでなんだかとても軽い気分になれた。

ターミナルから出た私たちは遠くから巨大なフェリーに手を振った。一番上の大きな部屋のバルコニーに、じっと外を眺める人影が見えたのでそこをめがけて手を振った。

「いってらっしゃーい」と言って。

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