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【寝かしつけ】しずくと岩(2024.02.21)


困った時の寝かしつけの話。

今日はなかなか寝ない厄介な次男をあっさりと寝かしつける事が出来たので、良かった。

でも代わりに私自身も話し終わった直後に眠ってしまい、さっき起きてこれを書いている。あんまり書くことが思い浮かばないので、その寝かしつけの時に思いついた話を書く。


ぴちゃん
ぴちゃん
岩の上にしずくが落ちている。

ぴちゃん
ぴちゃん
岩の上にしずくが落ちている。

ぴちゃん
ぴちゃん
岩の上に落ちるしずくはすこしずつ岩を削っている。

ぴちゃん
ぴちゃん

ぴちゃん
ぴちゃん

長い時間が経って、岩には小指ほどのくぼみができた。

ぴちゃん
ぴちゃん

ぴちゃん
ぴちゃん

くぼみはもっと深くなって握りこぶしほどの大きさになった。

ぴちゃん
ぴちゃん

ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・

大きな地震があった。
岩がずれた。
しずくは岩の別のところに落ちるようになってしまった。

ぴちゃん
ぴちゃん

ぴちゃん
ぴちゃん

だけど再びしずくは岩におちて少しずつ岩を削っていった。

ぴちゃん
ぴちゃん

ぴちゃん
ぴちゃん・・・・

長い時間が経った。

やがてしずくはつららを作った。
岩には深い深いくぼみが出来た。

しずくは大きな水たまりを作って、そこにたくさんの生き物たちがやってきた。しずくは生き物たちの命をつないだ。

ぴちゃん
ぴちゃん

ぴちゃん
ぴちゃん

生き物たちは長い時間を経て、どんどん体を大きくしていった。でも大きな火事があり、長い冬が過ぎて、巨大な生き物たちは姿を見せなくなった。

ぴちゃん
ぴちゃん

ぴちゃん
ぴちゃん

そのうち二本足で歩く生き物が現れた。その生き物はそれまで水場に表れた生き物たちとは違っていて、おしゃべりで、布きれを体にまとっていた。角ばった大きな音を立てる生き物にのって、辺りの様子を変えていった。

だけどもしずくは変わることなく岩に落ち続けた。

ぴちゃん
ぴちゃん

ぴちゃん
ぴちゃん

今や岩はすっかり形を変えてしまった。つららは巨大な柱となって、時々あの新しい生き物たちが物珍しそうに見上げていた。

それからまた長い月日が経って、ある日、辺りが強い光に包まれてすべての水が蒸発した。それ以来、あの二本足で歩く生き物は見かけなくなってしまった。

だけどしずくは再び岩の上に落ちた。岩はほっと安心したみたいで、嬉しそうにきらきら光っていた。

ぴちゃん
ぴちゃん

ぴちゃん
ぴちゃん

やがてそこらじゅうに水を飲まない生き物がたくさん現れるようになった。その水を飲まない生き物はどんどん増えて地上を埋め尽くしたと思ったら、ある時いっせいに空へ飛び立っていった。地上は突然静かになったが、すぐに巨大な炎がすべてを吞み込んでいった。岩はこなごなになって、立派なつららは跡形もなく消え失せた。

そしてまばゆい光と強い衝撃があって、上と下がひっくりかえった。地上も空も何もかも真っ暗な空間に投げ出されて、ばらばらのただの塵になってしまった。

しずくも岩もぜんぶなくなってしまったけど、あの場所で喉を潤した生き物たちは姿を変えて、すべてがなくなる前に飛び立っていってしまった。しずくや岩の事はあの生き物たちがずっと覚えていてくれるだろう。

・・おやすみなさい。


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