センセイの授業準備

塾講師だった頃の思い出を細々とつづっています。

授業を行うにはもちろん授業準備が必要です。会社では授業準備のことを「予習」と呼んでいました。
「予習」は「自己研鑽」として扱われ、基本的には勤務時間外にやるようにと言われました。

(もちろん現場に出てしまえば、勤務時間内にみんな予習してましたが…)

研修で教わったのは、自分で問題を解く→丸つけ→間違っていたりしたら何故なのか、自分の答えを別解にできないか考える→直す→解説と板書案を考える
という順での方法でしたが、とてつもなく時間がかかります。何しろ1週間で大体25コマほど授業があり、それぞれの授業で行う全ての問題でそれをやり通すのは不可能でした。

トレーナーTセンセイや、授業を見学させてもらったベテラン先生に効率のいい「予習」方法を教えてもらい、自分に合った方法を見つけるまでは休日も平日もひたすら「予習」しているだけ、私のプライベートはどこに?という状態。

研修で教わったお手本をやめて、私がまずやり出したのは、答えをテキストにひたすら書き写すことでした。
授業中先生が堂々と答えを見ながら解説する訳にはいきません。もう全て模範解答を書いてしまえ、模範解答さえ書いてあればその答えになるのは何故かだけ考えればよい、との考えでした。

私は答え写しを「写経」と呼び、ひたすら修行を重ねたのでした。

※授業準備編 つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?