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センセイの夏休み

塾講師だったころの思い出を細々とつづっています。

塾のセンセイに夏休みはありません。そう、ご存知夏期講習の季節だからです。
だいたい5月末~6月の始めくらいから夏期講習の募集が始まり、普段塾に通っている子も追加で夏期講習の講座を別で取ってもらいます。それにプラスして講習生を獲得するためにはがきを出したり説明会を開いたり、電話したりの梅雨が明けると次は講習の準備。
ものすごい数のテキストを発注して、どの生徒がどの講座を取ったのか間違えないように手渡し、少ない教室をどう割り振るのかパズルを行い、学校が夏休みに入る7月の後半からついに楽しい楽しい夏期講習の日々がはじまるのです。

夏期講習になると、午前中2コマ、午後4コマ、夜3コマの最大9コマの授業をこなす日もあります。新人教師だった頃は、毎日迫り来る授業の数に泣きながら授業の「予習」をしたものでした。
(朝5時に起きて2時間予習、そこから8時に出勤なんてことも……)

お昼に小学校低学年の子どもたちを見送ると同時に中学年から高学年の小学生たちが元気にやってきます。夜中学生が来る頃には大人たちはもうヘロヘロ。授業の合間に事務所に戻っても無言で椅子に座ってぼけっとし、チャイムとともに立ち上がって教室へ向かう。まさに自分との戦いでした。

あの一ヶ月を乗り越えられたと思えば、割とどんな仕事も別になんとでもなるのでは?と思います。


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