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私が感じた蜷川実花の”色”とは

みなさん、こんにちは。山梨県立美術館で開催されている蜷川実花展に行ってきました。

不思議と感じ取れてしまう蜷川実花の”色”

みなさん、蜷川実花という写真家そして映画監督で活躍されている方をご存知でしょうか?

『ヘルタースケルター』(2012)、『Dinerダイナー』(2019)、
『人間失格 太宰治と3人の女たち』(2019)等、有名な映画の監督であり、映像作品を多く手掛けてきました。

芸術に関して疎い私ですが、「蜷川実花と言えば」の色鮮やかな色彩は、何とも目に残り、作品を見ると「これって、蜷川実花さんの作品かな?」なんて思うと当たっていることもさほど稀ではありません。

それほど、蜷川実花には”色”があるんだと思います。
企画展に行って、その”色”が何か、私なりに分析したいと思います。

テーマ「虚構と現実」である今回の企画展

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山梨県立美術館での企画展では、「虚構と現実」がテーマになっています。
色鮮やかな花々を撮影した《永遠の花》《桜》をはじめ、著名人を撮影した《Portraits of the Time》、蜷川自身の日々を記録した《うつくしい日々》などが展示されています。

企画展に入ると、最初のコーナーは《桜》です。

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展示されている写真だけでなく、床も壁も見渡す限り、桜になっていて、
蜷川実花の世界に引き込まれます。実は、他のコーナーでも、桜の写真が展示されています。

蜷川実花は、「死ぬ間際にも桜を見たい。」という程、桜が好きです。企画展では、桜を撮った写真が多く展示されており、蜷川実花にとって桜が特別な存在であることが分かります。

桜は、春の訪れと共に、咲き誇り、儚く散っていきますよね。その姿は、まるで「いのち」「人生」と重なります。蜷川実花も、自分の人生を桜に映しているのでしょうか。

次のコーナーは、《永遠の花》です。

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このコーナーが、蜷川実花の”色”が出ている作品がいちばん集まっていると私は感じました。色鮮やかな花、花に負けない存在感を放つ蝶。

現実にあるものばかりで撮られた写真なのに、なぜか虚構の世界にあるものだと錯覚してしまいます。この不思議さや違和感が蜷川実花の”色”であり、多くの人を魅了するポイントなのではないかと思います。

別のコーナーも、蜷川実花の”色”がたっぷりと詰まっています。

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普段鏡越しで見る人間の目や口、祭りに来た子どもたちを楽しませる金魚も
私たちが住んでいる世界では存在しないもののように感じます。

あなたも、蜷川実花の”色”に染められてきては?

企画展に行って、蜷川実花の”色”は、現実にあるものばかりで撮られた写真なのに、なぜか虚構の世界にあるものだと錯覚してしまうその不思議さや違和感だと分かりました。

今回の企画展は、撮影可能のコーナーがあります。著名人のポートレートは、撮れませんが、私が紹介したコーナー《桜》《永遠の花》等では、撮影することができます。

私も、被写体として、蜷川実花の世界に映ってみました。

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みなさんも、蜷川実花の”色”に染められてきてはいかがでしょうか?

山梨県立美術館「蜷川実花展」のウェブサイトは、こちらです↓

文・写真:渡邉結衣(山梨県立大学国際政策学部3年)

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