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山梨県民プレゼン!はじめての文学館

こんにちは、min☆teaです!

今日は生まれも育ちも山梨の私が人生初の文学館に行ってきた様子を
特設展『作家の愛用品』とともにお伝えしようと思います。

突然ですがみなさん、山梨県立文学館ってご存じですか?
(お恥ずかしいことに私はきちんと知らなかった汗)
外観はこんな感じです↓

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場所はあの有名なミレーの『落ち穂拾い』が収蔵されている山梨県立美術館の向かい側にあります。迷ったら左側に写る噴水が目印!

設立から約35年とまだ歴史は浅いですが、山梨にゆかりのある数々の作家の
作品が収蔵されています。

では、さっそく今回の特設展について見ていきましょう。

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まず、最初にこの垂れ幕が私たちを迎えてくれます。今回は文学館によくある原稿や作品集ではなく、当時作家たちが実際に使っていた品物にスポットが当てられていました。このきっかけについて広報担当の方にお話を伺ったところ、通常の展示だとその時代を知らない人も多くハードルが高くなってしまうため、あえて彼らの愛用品や資料を展示することで作家たちの生活を身近に感じてもらいたいといった思いがあったそうです。
たしかに、文学という面だけで考えれば原稿や作品の紹介が合うのかもしれませんが、こうした観点に注目するのも性格や人柄が分かって面白いですよね。

さて、ここからはいよいよ作家自身について取り上げていくのですが、今回はその中から2名を選抜してお伝えしていきます。
1人目はいまや私たちの生活に欠かせない紙幣の肖像画として有名な樋口一葉です。
ですがみなさん、彼女が何をしていた人なのかご存じでしょうか。
これを見たあなたは野口英世と福沢諭吉以外の人と覚えないでくださいね。

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1872年に東京で生まれた彼女は比較的裕福な家庭で育ち、学問好きの父の提案で「萩の舎」という塾に入門しました。そこで彼女は才能と人柄を認められ、先生の助手を務めるまでになります。しかし、17歳の時に家庭に不幸が続き生活が苦しくなったことから作家を生業に生きていくことを決意しました。なかなか思うようには行かなかったものの、1894年12月~1896年1月の間に「大つごもり」「たけくらべ」「ゆく雲」「十三夜」といった数々の作品を残し、のちにこの期間は『奇跡の14ヶ月』と呼ばれるようになりました。ですが、残念ながらその2年後に肺結核によって24歳という若さでこの世を去りました。
上は当時彼女が使っていた髪飾りや櫛、そして作家らしい筆立てと木のしおりです。この品物からも彼女が上品でかつものを大切に扱っていた人物であることが分かります。生活が苦しいからこそものを丁寧に扱っていたのかもしれませんね。

そして、もう1人ご紹介するのが山崎方代です。

彼は山梨県生まれの作家で8人兄弟の末っ子として現在の右左口町という場所で幼少期を過ごしました。さて、みなさんはこの地名読めますか?ちなみに『みぎひだり』もしくは『さゆう』ではありません。気になる方は是非調べてみてください。

一度は彼の名前を聞いたことがあるかもしれませんが、彼は太平洋戦争で右目を失明し左目も視力がわずかという中で靴の修理をしながら各地を旅しました。

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それがこの2枚の写真からも分かります。よく見てみると視力のわずかな左目側がレンズが厚く、度数がかなり強いものになっています。眼鏡をかけていない人に見てもらうとすれば、レンズ越しのゆがみそして鮮明さを比較していただければ体感してもらえるのではないかと思います。

これを機に『漂白の旅人』と呼ばれるようになりました。また、彼自身の名前である方代(ほうだい)は長女と五女以外を失ったことから両親が「生き放題、死に放題」との意味で名付けたとされています。その影響は少なからず彼の作品に現れており、世間から離れ独身を貫きながらありのままを表現する口語体でその名を広めました。
さらに彼はこんなものも長年愛用していたようです。

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それがこちらの広辞苑です。その大きさを比較するために私のノートと比べたのですが差は歴然でした。当時、こんなに大きくて重いものを使っていたのかと思うと、現代の生活は彼にとって驚きの連続でしょう。時代は間違いなく進化を遂げていますね。

以上が文学館での特設展のご紹介でした。少しでも文学そして作家の生活に関心を持って頂けましたでしょうか。現在、コロナ禍の制限で遠出を控える動きが強まっておりますが、この機会に是非文学館へ足を運んで見るのもいいかと思います。
もしかしたら、新たな作家との出会いに巡り会えるかもしれません。


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