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文学館関係者の方々の優しさと私なりの提案

◎はじめに

山梨県に引っ越して来てから、もうすぐ2か月が経ちます。360度山に囲まれるような景色は見慣れてなさ過ぎて、何かがしっくりこないような感じがして。今回の課題である【山梨に関する記事を書く】という内容にも正直、あまり乗り気がしませんでした。理由は、山梨に対して何も思いがないからです。しかしながら、文学館からの帰り道に「来てよかったな」と思うことができました。それは、高校生の頃に文豪作家を題材にしたアニメやゲームについて、友達とたくさん話したことを思い出すことができたから。

皆さんは学生時代に、文豪を読んだことがありますか。何年生の何の授業で、どの先生の授業で読みましたか。学生当時は、強制的に読んでいたものでも、よくよく思い返してみれば先生や友達の思い出が蘇ってきませんか。

今回は、本当は身近にあるであろう文豪、文学館の展示会について記事を書きました。

◎展示について

今回の展示のテーマは「作家の愛用品」。栞や懐中時計、スーツに本といった様々な愛用品が並んでいました。古いモノから新しいモノといった順番に展示されていて、実際の原稿も読むことができます。芥川龍之介時代の原稿から展示されていましたが、いうまでもなく、現代に近い作品のほうが読みやすかったです。ぜひ、文学館を訪れた際には、作家ごとの書体や漢字、表現などの違いを意識しながら読んでみてください。

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◎文豪作家、作品のキャラクター化

実は、アニメやゲームに出てくるキャラクターの趣味や特技、愛用品、好物は文豪作家本人の実情報を基にしていることが多いのです。私は高校生の頃に、文豪のゲームをやっていましたが、作家本人の顔写真まではきちんと見たことがありませんでした。そのため「井伏鱒二ってこんな人だったのか」「これがゲームに出てきた釣り竿か(愛用品か)」といったことを考えながら、また、友達と文豪作品(二次元)について楽しく話したことを思い出しながら見学しました。

図2

◎文豪に親しみがない方へ

山梨県立文学館とは関係がなくなってしまいますが、文豪が題材になっている二次元作品をみてほしいと思います。おそらく、皆さんが想像している以上に忠実に再現されているため、文学に触れてみたい人や難しそうで抵抗がある人の入り口の役割を果たしてくれるのではないでしょうか。
また、そういったもので文豪に関する知識を蓄えれば、より一層、山梨県立文学館を楽しむことができると考えています。

◎文学館側の工夫

特別展では、年齢層に関係なく楽しめるようにクイズが用意されていました。もしかすると、既存の知識で解ける人も中にはいるかもしれないから挑戦してみてください。ちなみに、小学生から参加が可能で、クイズに答えると景品として鉛筆か蛍光ペンがもらえるそうです。私も黄色いマーカーペンを頂きました。

図3

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答えがわからなかった方は、ぜひ山梨県立文学館に確かめに行ってください。

◎感想、その他

文学館に作家の相関図があればもっと楽しめたのではないかなと思いました。彼らの中には、深く交友していた人たちもいると聞いています。私にはそこまでの知識がないため、文豪作家たちがお互いに与えた影響などがわかるような解説があれば、より一層楽しめたのかな、なんて。
また、山梨は知らない場所だと思っていたため、どんな形であれ地元の記憶を思い出すことができて嬉しかったです。また、私には文豪作品や作家が好きな友達がいます。そのため、友達の好きなものがこの県に詰まっているという点で、この地に親近感を持てた気がしています。

今回、取材として文学館の担当の方にお話しを伺うことができました。現在は、山梨県立文学館の存続のため、10代や20代といった若い層に来館してもらう=文学に関心を持ってもらうにはどうすべきか頭を悩ませているそうです。
高校の先生いわく、現代の若者は本を読む習慣が減ってきているそうです。たしかに、学校の授業で取り上げられた時や課題図書として読むことを強いられたと時くらいしか、文豪作品をはじめとする本を読む機会はないように思います。もちろん、本が好きな子は除いて。

2017年の夏に、山梨県立文学館は、アニメ・漫画で大人気の「文豪ストレイドッグス」とコラボレーションをしています。その期間中には、沢山の若者が文学館に足を運び、中には北海道から山梨までやって来た方もいたそうです。ここから、コラボレーションの影響力というものが大きいことがわかります。

図5

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では、この記事を読んでくれている方々をはじめとする多くの方々の関心をより集めるためにはどうするべきでしょうか。予算などの問題を考慮しなければならないため、非常に難しい問題ですが、今回はそれらを無視して私なりに解決案を3つ考えてみました。

①朗読会を開く
文豪作品は使われている表現や言葉が難しいです。そこで、小学生や中学生向けに文豪作品を読みやすい内容に編集し、それを地元の学校で読み聞かせる機会を設けます。そうすることで、文学に親近感を持ってもらえるのではないでしょうか。

②山梨県はもちろん他都道府県の社会科見学の場所として推進する
今回の取材で、美術館と文学館の両方を見学させてもらいました。そして、美術館は見学者の好奇心や関心を育て、文学館は見学者の知識を広げてくれると考えました。また、施設の外も緑が豊かであり、広々とした公園もあります。そのため、身体も動かすことができる一挙両得の場所ではないでしょうか。

③他の界隈ともコラボレーションをしてみる
現代では、2.5次元俳優や声優、アイドルグループなどがマルチに活躍しています。そして、彼らを推しているファンの行動力や熱は決して侮れません。たとえば、声優に館内の展示物に関する情報を解説音声として録音してもらう、俳優やアイドルに文豪作品の一部を演じてもらった映像を館内で放映するなど。そうすることで、若者が文学を今よりも身近に感じてくれると考えます。

以上の3点が私の考える方法です。皆さんはどのような解決策を思い浮かべるでしょうか。皆さんが行ってみたくなるような文学館とは一体どういうものですか。この機会にぜひ考えをシェアしてほしいです。

東京の文学館にはない広大な敷地や緑に囲まれた空間、なによりも丁寧に対応してくださった文学館関係者の方々の優しさを感じ、たった一度訪れただけではありますが山梨県立文学館の存続を心から願っています。

ありがとうございました。

図7


山梨県立文学館に興味を持った方は、ぜひ下記のリンクへ。


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