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未着手でも上司の時間を抑えよう

解決したいこと

上司がメンバーと仕事をしていて気になることは
依頼したことがちゃんと問題なく進められているかです。
特に私が所属している会社はベンチャーなので、
協業のレベルやスピード感は高く求められます。

そのため上司としては、メンバーが業務を進める上で
問題点があれば即座に対応したいですし、
不明点があれば即座に解消したいと思っています。

ですが、メンバー目線では2つの矛盾した思いを抱えると思います。
「思考する時間を取り、確認事項が決まってから打ち合わせを取りたい」
「けど後々で確認になってうまく進められなかったり、失敗したら困る」

起こっていること

上司や先輩は忙しいので、無意な時間を取りたくないという良心や、
完成度の低い状態で打ち合わせして、できないやつだと思われるんじゃないかという不安が
そう思わせてしまっていると思います。

ですが、上司はその状態を「きちんと考えてくれているんだろうな」とは思いません。
「抱え込んでいる」もしくは「スタックさせている」と考えてしまいます。
上司も仕事を完遂するという責任を担っているので、
「このままでは進まないのでは?」と考えることが役割だったりします。

でもそんな風に思われていると改めて言われると、
「なんて性悪説的なんだ、こんなにも頑張っているのに」
と思ってもしょうがないと思います。

この状況を説明するものとして、エージェント理論というものがあります。
経済学においてよく出てくる概念ですが、委託者(プリンシパル:上司・先輩)と
受託者(エージェント:メンバー)が最適な行動となる条件や状態を考えるものです。

その中で上記のような問題が起こるのはなぜなのでしょうか?
それは「情報の非対称性」です。

つまりお互いが持っている情報に
差が存在することによって、自ずと起こってしまう状況です。
言い換えれば、仕事において上司とメンバーが仕事を通じて
得ている情報が異なるということが諸悪の根源なのです。
端的に言えば、下記の違いがあります。

メンバーが見えているもの:プロセス
上司が見えているもの:結果

メンバーの視点からすれば、「これどうしようかな?」というのを考える時間をとっていて、
手元ではこれぐらい進捗しているというプロセスの情報は持っていると思います。

ですが上司の視点からすれば、「まだできあがっていないのか?」という結果だけが見えるので、
かけている時間などのプロセスは見えず、不安に感じてしまいます。
逆に上司から進捗の確認が面倒な程にくる方がいるとしたら、
もっと相手が具体的にプロセスをイメージできるように共有をするようにしてください。

期限の前の最終確認の打ち合わせ、進捗共有の打ち合わせ、認識合わせの打ち合わせ…
業務が発生するたびに、これら全てのカレンダーを先に押えるというのが
私が見ている組織では運用をしています。
先であっても、ギリギリであっても、スケジュールのイメージとセットで、
打ち合わせをいくらでもセットしていいとしています。

これにより「どうせやってないのではないか?」という性悪説的関係から、
「きっとここまでにやってくれるだろう」という性善説的関係へと
プロセスに対する組織的な市民権が構築されるようになります。

メンバーの皆さんが仕事を円滑に進めるためには、情報の非対称性を意図的に無くすことが、
リモートなどの働き方の変化を経ても価値のある仕事をできる一つの能力になっていくと思います。
なのでまずは上司の時間を抑えることからスタートしよう!

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