考えながら話を聞くことをやめよう
解決したいこと
「考えながら話を聞け」と言われて困っていたりしませんか?
私もメンバーから顧客からの質問を適切に理解することができない、
返答することができないという相談をもらうことがあります。
そういう時にアドバイスとして伝えているのが上記の内容です。
世の中的には「考えながら話を聞け」と言うマネージャーが非常に多いです。
そう言われて頑張っているのに、顧客とのやり取りや会議でのコミュニケーションが
うまく行かないと感じている若手の方々、気にしなくていいですよ。
起こっていること
そのマネージャーが言っていることも正しいですが、いまやろうとして出来ていない現状も正しいです。
ではこのすれ違いが発生している原因は何か?このアドバイスが前提にしている状態の違いです。
マネージャーは自分のスキルやノウハウをベースに今やっていることを言ってます。
言ってしまえば、自分基準ですね。
それは一定顧客とのやり取りができる人だからできることです。
そうじゃない人にはあまりにも酷なことです。
コミュニケーションの前提となるヒアリングに関して、踏むべきステップを整理してみましょう。
これは自分自身がヒアリングというものに非常に苦しめられてきた中で、PDCAを回しながら見えてきたものです。===========================
Step1:詳細把握
相手の話をまっすぐ聞ききれる状態
Step2:要旨把握
相手の話の意図や背景も含めて理解できる状態
Step3:要旨推測
話の流れや要素から何を言いたいのか大体分かる状態
Step4:要旨誘導
相手を意図した方向へ導けるように話を引き出せる状態
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Step3〜4がマネージャーが見えている世界、そして若手の人からすればStep1〜2が見えている世界。
この認識の違いが「考えながら話を聞け」に起こっているすれ違いの原因です。
さらに言えばStep1〜2にいる人が「考えながら話を聞け」を実践すると逆効果になりえます。
実際に皆さんも「話を考えながら全力で聞いていたはずが、一部全く聞こえてなかった」なんてことなかったですか?
「考えながら話を聞け」を実践をしていると、
自ずと「話終わった後には、気の利いた良いことを言わなきゃ」と思ってしまいがちです。
そりゃそうですよね、そのために考えているんですから。
そんな時に頭はどんな動きをしているのか。言ってしまえば「戦闘体勢」です。
相手が話し終わるタイミングにやってくる「危機」に対して、
最大限ミスのないようにとぐるぐる頭を働かせています。
危機に対処する時の人体というシステムの対応は
「シャットダウン」「回避」「戦闘」の3通りになります。
こういう状態においては、人は社会的行動を取るという余力はなくなり
生存のために必要なエネルギーを使うようになります。
※詳しくはポージェス『ポリヴェーガル理論』を参照ください
そういう状態においては口角が下がり、それによって耳の構造が変わり、
相手の声(高音)が聞こえにくくなり、周囲の騒音(低音)ばかりが聞こえるようになります。
解決のためにするべきこと
つまりリラックスして聞いていない限りは、相手の話なんて聞けないということです。
マネージャーや先輩というのは、大体の話の流れや相手が気になることが分かっています。
なので話しながら考える余裕がありますし、それによって一部聞けてなくても対応できます。
若手は経験という下駄を履かせてもらっていないので、そこは真っ直ぐに相手の話を聞き、
自らの糧となるように相手の所作・表情・言っている内容すべてを受け止めるという
Step1の徹底からすることから始めてもらえると成功に一歩近づくかと思います。
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