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子どもを産み育てやすい環境づくり・児童虐待防止対策、社会的養護の充実、女性保護施策の推進②(令和3年版 厚生労働白書より)

本日は、「第2部 現下の政策課題への対応」の「第1章 子どもを産み育てやすい環境づくり」、「第4節 児童虐待防止対策、社会的養護の充実、女性保護施策の推進」、「2 社会的養育の充実」を紹介します。
以下、「令和3年版 厚生労働白書」から引用します(以下特記なければ、画面キャプチャ含めて同じ)。
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第1章 子どもを産み育てやすい環境づくり
第4節 児童虐待防止対策、社会的養護の充実、女性保護施策の推進
2 社会的養育の充実
(1)社会的養育の基本的方向

2016(平成28)年通常国会において成立した改正児童福祉法において、
・国及び地方公共団体は、児童が家庭において心身ともに健やかに養育されるよう、児童の保護者を支援しなければならない。
・ただし、児童及びその保護者の心身の状況、これらの者の置かれている環境その他の状況を勘案し、児童を家庭において養育することが困難であり、又は適当でない場合にあっては、児童が家庭における養育環境と同様の養育環境において継続的に養育されるよう、必要な措置を講じなければならない。
・ 児童を家庭及び家庭における養育環境と同様の養育環境において養育することが適当でない場合にあっては、児童ができる限り良好な家庭的環境において養育されるよう、必要な措置を講じなければならない。
と規定されたことを踏まえ、養子縁組や里親・ファミリーホームによる家庭養育の推進等を図るとともに、児童養護施設等の施設についても小規模化や地域分散化を図ることとしている。

(2)家庭養育の推進
社会的養護が必要な子どもは、温かく安定した環境で養育されることが望ましく、特に乳幼児期は、安定した養育環境の中で愛着関係の基礎が作られるべき大切な時期であり、子どもの最善の利益を考えれば、できる限り家庭における養育環境と同様の環境で育つことが、子どもの心身の健やかな成長、発達が図られる上で非常に重要である。
このため、改正児童福祉法においては、都道府県(児童相談所)の業務として、里親の開拓から児童の自立支援までの一貫した里親支援や、養子縁組に関する相談・支援が位置づけられた。また、養子縁組里親を法定化するとともに、養育の質について全国的に一定の水準を確保するため、研修の義務化や欠格要件、都道府県知事による名簿の作成についても、新たに法律に規定された。
厚生労働省としては、家庭と同様の環境における養育を推進するため、「概ね7年以内(3歳未満は概ね5年以内)に乳幼児の里親等委託率75%以上」、「概ね10年以内に学童期以降の里親等委託率50%以上」の実現に向けて、取組を推進することとしているほか、各自治体(都道府県、指定都市、児童相談所設置市)においては、「都道府県社会的養育推進計画」を策定し、計画的に取組を進めていることとしており、2020(令和2)年度より、全ての自治体において、計画に基づく里親委託等の推進に関する取組が開始されて
いるところである。
また、里親制度の普及促進による新規里親の開拓、里親と児童とのマッチング、委託児童に係る自立支援計画策定、委託後の相談支援等及び養子縁組に関する相談・支援を行う「里親養育包括支援(フォスタリング)事業」を実施しているほか、フォスタリング機関(里親養育包括支援機関)の普及などによる里親支援体制の構築に取り組んでいる。
里親・ファミリーホームへの委託を推進するため、毎年10月を「里親月間」と位置付け、広報用ポスター、リーフレットの作成・配布や政府広報(SNS、新聞、インターネット)などにより、地方公共団体や関係団体などと連携した集中的な広報・啓発活動を実施している*1。
*1 厚生労働省ホームページ「里親制度等について」


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併せて、特別養子縁組制度についても広報用ポスター、リーフレットを作成し、産科医療機関への掲示を行うなど、地方公共団体や関係団体などと連携し、制度の普及啓発に取り組んでいる*2。
*2 厚生労働省ホームページ「特別養子縁組制度について」

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特別養子制度の利用を促進するため、特別養子縁組の年齢要件の見直し(原則6歳未満から15歳未満に引上げ)や二段階手続・児童相談所長の審判への関与の導入等を盛り込んだ民法等の一部を改正する法律(令和元年法律第
34号)が2019(令和元)年6月に成立し、2020年4月1日より施行されている。
また、民間あっせん機関による養子縁組あっせんに係る児童の保護等に関する法律(平成28年法律第110号)に基づき、養子縁組あっせん事業の適正化に取り組むとともに、児童相談所等の関係機関との連携体制を構築し、養親
希望者等の負担を軽減するなど、養子縁組民間あっせん機関が行う先駆的な取組みへの支援等を拡充することにより、適正な養子縁組のあっせんを促進している。
一方、施設では、ケア形態の小規模化を図るため、児童養護施設、乳児院、児童心理治療施設及び児童自立支援施設を対象とした小規模グループケアの実施や、地域小規模児童養護施設の設置を進めている。

(3)施設を退所した子どもの自立支援策の拡充
社会的養護の下で育った子どもは、施設等を退所し自立するに当たり、保護者等から支援を受けられない場合が多く、その結果様々な困難に直面することが多いことから、個々の児童の状況に応じた支援を実施し、将来の自立に結びつけることが重要である。
このため、児童養護施設等を退所し、就職や進学する者等の安定した生活基盤を築き、円滑な自立を実現するため、家賃相当額や生活費の貸付及び児童養護施設等に入所中の子ども等を対象に、就職に必要な各種資格を取得するための経費について貸付を行い、就業継続等の条件により返還を免除する「児童養護施設退所者等に対する自立支援資金貸付事業」を実施している。
また、20歳到達後から22歳の年度末までの間における大学就学中の自立援助ホーム入居者への支援に要する費用について補助を行う「就学者自立生活援助事業」を実施するとともに、施設を退所した若者などに対し日常生活上の援助や就業支援を行う自立援助ホーム入居者のうち、大学等就学中の者以外の引き続き支援が必要な者、及び里親等への委託や、児童養護施設等への施設入所措置を受けていたが18歳(措置延長の場合は20歳)到達により措置解除された者について、原則22歳の年度末まで、引き続き必要な支援を受けることができる「社会的養護自立支援事業」を実施している。

(4)社会的養護に関する施設機能の充実
社会的養護の施設が質の高い支援を実施するためには、体制面の充実や第三者評価の適切な実施が不可欠である。このため、施設種別ごとの運営指針を策定するとともに、第三者評価及び施設長研修を義務付けている。
また、民間児童養護施設職員等の人材確保と処遇改善を図るため、段階的に処遇改善に取り組んでいる。

(5)被措置児童等虐待の防止
施設入所や里親委託などの措置がとられた児童等(被措置児童等)への虐待があった場合には、児童等を保護し、適切な養育環境を確保することが必要である。
このため、2009(平成21)年に施行された改正児童福祉法では、
①被措置児童等虐待に関する都道府県等への通告や届出
②通告した施設職員等に対する不利益取扱いの禁止
③届出通告があった場合に都道府県等が講じるべき調査等の措置
等が規定された。これを受けて厚生労働省では「被措置児童等虐待対応ガイドライン」を作成し、被措置児童等虐待の防止に取り組んでいる。
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里親制度、特別養子縁組制度など「社会的養育」について、なんとなく聞いたことがある程度でした。
里親制度については、里親手当が月9万円、生活費が乳児月6万円、乳児以外が月5.2万円支給されるということです。
親と離れて暮らす子どもが日本には約4万5千人いるそうです。家庭での養育という社会貢献の道があることももっと広まり、手をあげる方が増えるといいですね。
特別養子縁組制度については、以前、以下のnote記事で詳しく知りました。

子どもが欲しいのに授からない方も多くおられます。
自分がその立場になったときに、特別養子縁組制度を選べるのか。
あくまでも子どものための社会的養育ですので、特別養子縁組を希望する人には、子どもの性別や健康状態などを選ぶ権利がないそうです。
でもこういう選択できる方は素晴らしいと思います。

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