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ダイオウイカ商品化プロジェクト・2015年須磨海浜水族園との取り組み

「くぎ煮検定」のnoteで登場した、神戸市立須磨海浜水族園の飼育展示部長(当時)の大鹿達弥さん。
アイデアマンとして大変有名な方なのですが、大鹿さんからの依頼を元に、2015年(平成27年)にはダイオウイカを乾燥させてスルメ、ではなく「乾燥標本」にする、というプロジェクトを実施しました。

こちらがその「ダイオウイカ」です。

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全長3m、体重70kg(捕獲時、写真の時点では64kg)のダイオウイカとしては小さめの個体です。
2015年夏、須磨海浜水族園では、妖怪をテーマに掲げた夏の特別展「須魔怪奇水族園–古今東西!水辺の妖怪展–」を開催されるということで、北欧の怪物「クラーケン」のモデルとされるダイオウイカを乾燥標本にしたいという依頼でした。
京都水族館で冷凍保存されていた個体を借り受けることができたということで、2015年7月3日、伍魚福に到着した際の写真です。
当時のブログ記事をご参照ください。

「一夜干焼いか」を作っていただいている函館の協力工場「チガイチ青山」さんに乾燥の作業をお願いしました。

ダイオウイカは深海で生息し、アンモニア成分が多いらしい、と伺いました。
伍魚福到着時は確かに少し匂いがきついように感じました。
通常の乾燥機で乾燥すると、匂いが設備や商品に悪さをしないか、等わからないことばかり。
手探りでのプロジェクト開始です。

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私も函館に飛び、加工に立ち会いました。
2015年7月16日、解凍しましたが、心配された匂いはありませんでした。

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胴体の身の厚さは約5cm。
サイズは大きいですが、普通のイカとよく似ています。

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水洗いして、計量を行い、乾燥機に入れます。

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温風での乾燥ですが、大きいので何日かかるかわかりません。
イカの状態を見ながら、これも手探りです。
「乾燥標本」として展示しますので、カビが生えない水分値まで乾燥させなければなりません。
足の根元の太い部分、ミミの薄い部分など厚みにもかなり差がありますので、これも様子を見ながらの作業となります。
とにかく場所を取るのも難点の一つです。

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12時間乾燥後の状態です。
かなりスルメいえ「乾燥標本」らしくなっています。

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完成したとの連絡をいただいたのは、7月24日。
伍魚福には、7月27日に到着しました。
携わる全員、なんとなく楽しそうでした。

7月29日には、ディスプレイ用の枠が完成、須磨海浜水族園へ搬入。

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須磨海浜水族園のお客様にも大変好評だったそうです。

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10月15日には、加工いただいたチガイチ青山の青山社長も来神され、記念撮影。

この「乾燥標本」は、展示終了後、京都水族館に返却され、現在も展示されているそうです。
いつか京都水族館を訪問し、再会したいです。

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地域のみなさんにも、我々にも大変「おもしろい」取り組みとなりました。

共同通信経由で配信され、新幹線の電光掲示板ニュースになったり、カナダの日本語紙に掲載されたり、想定外のパブリシティにもつながりました。

大鹿さんには本当にお世話になりました。
現在は、須磨海浜水族園におられないのが本当に残念です。
また一緒に何か「おもしろい」取り組みをしたいです。

最後までお読みいただきありがとうございました! 伍魚福の商品を見つけたら、是非手にとってみて下さい。社長のいうとおりになってないやないかーとか、使いづらいわー、とか率直なコメントをいただけるとうれしいです。 https://twitter.com/yamanaka_kan