【飲食店が今できることをまとめます】
コロナの影響で街の飲食店は『続けるべきなのか』『もうやめるべきなのか』の二択を迫られています。
僕らのような小規模な飲食店は1か月も店を閉めればそれだけで死ねます。
冗談抜きで究極の選択です。
ここでやめたらもう復帰することができないかもしれない。
でも明日になったらお客さんは来てくれるかもしれない。
そんな楽観的な考えも持ってしまいます。
でも現実は変わんないんです。
めちゃくちゃ苦しくても、明日生きていくために何ができるのか。
今はそれだけを考えて耐えましょう。
長期戦になることはもうみんなわかってる。
だからこそ必死で、生き残るために
できることは全部やって
頼れるところに頼り、助けてくれる人に助けてもらう。
という考えで甘えられるものには全力で甘えていく。
ずるいと言われようが生き残らなきゃいけないんだから仕方がないです。
知らないというだけで明日店を閉めなきゃいけない人もいるかもしれない。
自分勝手かもですが、少なくとも僕の知っている人の店はそうなってほしくないので。
そしてコロナ騒動が落ち着いた後にもっと強い状態で店を運営できるような仕組みを今作っていくことにも意味があると。
飲食店は街の財産です。
これを読んでくれている人が少しでも頼れるものを見つけられる手助けになればいいなと思います。
生き残るために
生き残っていくためには、とにもかくにもお金をどう確保するのかというところから考えなければいけませんでした。
お金が無くならないようにするにはどうすればいいか。
まずしなければならないのが『お金が出ていくのを防ぐ』こと。
コストを徹底的に下げる。
飲食店においてのコストで一番大きいのが原価約30%。
その次に人件費20~30%。
次いで賃料10%、水光熱費5%となります。
このなかの人件費は雇用し続けることを前提とし、なおかつ休業補償をもらっているとすると、下げれる余地はもうありません。
となると原価、賃料、水光熱費をどう抑えるのかが
生き残りの命運を分けるカギとなります。
まずは原価から見直していきましょう。
そしてお金を稼ぐためにデリバリー、テイクアウトをしていくという前提で読んでください。
①原価を減らす
原価を減らす?というと正直ピンとくるものがなかった。
基本的に変動費なので減らせる余地は小さい。
だけどやるしかないのであれば、今ある在庫をどうやってお金に換えていくのかを考えていくことに。
普段は捨ててしまうような端材もなんとか提供できる状態まで調理したり、今まではやったことがなかった野菜の冷凍保存もすべて試した。
とにかく、ロスを徹底的になくし、すべてお金に換える気持ちで向き合う。
そして仕入れを極限まで減らす。
販売機会の損失になることは承知の上で仕入れを減らす。
あとやるべきことはメニューの絞り込みです。
一番の売れ筋をテイクアウト、デリバリーでの販売に回し
他は思い切って削減する。
今は何よりも手元にお金を置いておくことの方が大事だからです。
②賃料を下げる
次に一番苦しい固定費の賃料の値下げ交渉。
幸いなことに僕たちは賃料がかからない形態での運営なので
実際に賃料の値下げ交渉はしていません。
しかし多くの飲食店が真っ先に交渉するべきは賃料の値下げ交渉です。
ここに関しては参考になる記事を紹介させていただきます。
また「外食産業の声」という飲食店経営者の委員会から不動産会社への家賃の支払いを一定期間猶予、減免できる法整備を政府に求める声も上がっています。
政府や自治体も一番の負担となる固定費をどう解決していくのかという議論もなされているため、引き続き良い情報がわかり次第この記事も更新していきます。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58316850R20C20A4HE6A00/
※2020/4/19時点で、福岡市・北九州市・鎌倉市・千葉市が賃料減免の補償を発表しています。
③水光熱費の削減
次は水光熱費。
冷蔵庫、冷凍庫が複数ある場合はなるべく一つに集約し、使わないものに関しては営業再開のめどが立つまでは切っておく。
テイクアウト、デリバリーの携帯に完全移行している場合はガスの元栓を切ってしまい、なるべく電子調理器での調理方法で完結させるのも節約の秘訣になります。
即効性はないですが電気料金なども見直しのいい機会だと思い、今よりも安いプランを探してみましょう。
お金を借りる、もらう
手っ取り早く倒産することを避け、体力を確保するにはお金を借りることです。
幸い飲食店向けの条件の良い融資が発表されているので、精神的にも
落ち込む前に、積極的に融資を受ける考えで行きましょう。
融資を受けると決めたら、日本政策金融公庫と信用保証協会(セーフティネット保証)の2つをおすすめします。
日本政策金融公庫は利子が低い事と(3年間1億円なら無利子)
審査が通りやすいというメリットがあります。
土日でも窓口が空いているため一度相談してみましょう。
信用保証協会のセーフティネット保証についても進めていきます。
こちらも承諾率が高いことでおすすめです。
次にお金をもらう方法ですが、こっちは即効性はなく
また正確にもらえる時期がわからないため
今すぐに現金が欲しい場合には通用しませんが、
飲食店が利用するべき支援策をまとめておきます。
・雇用調整助成金
・持続化給付金
・小学校等休校対応助成金
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①雇用調整助成金
国が出している保証の中で最も手厚いのがこの制度。
上限金額8,330円ではあるが、従業員に払う休業手当の9割を国が助成してくれます。
また休業中に普段しないような教育を実施すれば雇用調整助成金に
プラスで2400円(トータル10,730円)まで保証が受けられます。
対象となる教育訓練の定義は一定の知識・ノウハウを身につける
ものであれば、インターネットを使ったものでも
一定レベル以上の講師が行う場合は対象となります。
例:調理師免許、マナー講習、その他勉強会…など
https://hojyokin-portal.jp/columns/koyoutyousei-corona
②持続化給付金
https://www.meti.go.jp/covid-19/jizokuka-qa.html
売上が前年度比50%以上減った際に受給できる国の給付金です(経産省管轄)。
臨時休業などをしていればほぼ該当するであろう保証制度です。
実際にもらえる時期は不透明ですが、中小企業で200万円
個人事業主でも100万円まで受給できるものとなっています。
申請の詳細は4月末までには出るそうなので忘れずにしていきましょう。
③小学校等休校対応助成金
子供の通っている学校が休校になっている人たちをパートとして雇っている経営者の方々は、特別有給手当を支給することができる。
この際支給した給与は100%国が補助してくれます。
ただし保証を受け取るまでには2~3か月以上の期間が予定されているため、その間の現金の確保には気をつけましょう。
自治体別の休業補償制度
また、各自治体でも様々な支援策が発表されています。
あなたの店がある自治体でどのような補償制度が発表されているのかも細かくチェックしていってください。
テイクアウト・デリバリー
さてここからは売り上げを確保していくための対策として
テイクアウト、デリバリーに関する支援策とサービスを見ていきましょう
東京都は独自に宅配・テイクアウトを始めるための初期費用としてなんと最大100万円を支援するという大きな助成を発表しています。
また山形市ではコロナの影響を受けた飲食サービス事業者に対してテイクアウトや宅配にの導入費用の補助として10万円を支給するとしています。
自治体の動向を逐一チェックしていき、使っていけるものは全て実践していきましょう。
本来の「店にお客さんを呼んで食事をしてもらう」という方法がとれない以上、飲食店がまず考えるのがテイクアウト。
ですが店側が思っている以上に売り上げにはつながりにくいです。
ただ待っているだけの戦略では生き残っていけません。
頼れるものには全力で頼っていきましょう。
まずは自分の店のお客さんのカテゴリーを明確にし、そこから価格設定
商品開発に移っていきます。
あなたの店の商圏内での外食需要は間違いなく高まっていますので、どんなお客さんに向けてテイクアウト商品を売っていくのかを考えながら商品を作っていきましょう。
お店の雰囲気やブランドを壊さないように容器などにもこだわってみるとお客さんからのクチコミも生まれやすいです。
さて、商品ができたら売り出していく方法を考えなければいけません。
テイクアウトを始めたことを知ってもらうこと、そのためにできることは全て実践していきます。
ここでも飲食店を支援するサービスを打ち出している企業、団体の力を借りていき、全力で甘えていきましょう。
https://www.mdl-media.jp/takeout-delivery-pop/
上記のサービスから無料でPOPのダウンロードができます。
任意のデザインを選んだら印刷し、店内ではなく、店の外に見えるように大きく張り出しましょう。
また近隣の企業やスーパーなどに足を運んで、テイクアウトを始めたことを知らせるポスターを張らせてもらえるように交渉しましょう。
コロナ被害支援としてデザインを無償でしてくれるサービスもあります。
積極的に頼っていきましょう。
次にデリバリーについて考えていきます。
正直デリバリー業界はものすごい追い風が吹いていますが、個人の飲食店が取り掛かるにはハードルが高いように思います。
自前で配送しようと思ったら採算が合わず、すぐにガタが来るでしょうしUBER EATSやほかのデリバリーサービスを使おうと思うと手数料がめちゃくちゃ高いです。
ただ、これから行政によるデリバリーサービスへの支援によっては、個人店でも取り組みやすい環境になってくることは十分に考えられます。
そうなったときにすぐに始められるようにしておくことは今後のためにも一考する価値はあると思います。
これからの集客について
テイクアウト、デリバリーをはじめたらリアルでの集客だけでなく、ネットを使った集客も並行してやっていきましょう。
いままでは苦手だからとやっていなかった人はこれをチャンスだと受け取り、今すぐに取り組んでください。
必ず今後も活きてくることを保証します。
さまざまな企業が集客に関してもサービスを無償提供してくれていたり、今までになかった新しいサービスも生まれています。
積極的に取り入れていきましょう。
・Google マップで「テイクアウト」「デリバリー」店舗表示の開始
Googleマイビジネスへの登録が必要ですが、ネットでの集客を考えていく以上登録しないという選択肢は考えられません。
また、期間限定ですがGoogleが無料でオンライン講座を開いてくれています。
後々動画での公開もあるそうなので、参考にしながら登録していきましょう。
・食べログに無料で「テイクアウト」情報を記載
レストラン検索、予約サイトの食べログでも「テイクアウト」の情報掲載を無料でやってくれています。
テイクアウトをやると決めたらすぐに登録していきましょう。
・テイクアウトを始めたことの認知度を上げてもらう
POTLUCK(ポットラック):https://www.pot-luck.jp
Picks(ピックス):https://picks.fun
TABETE(タベテ):https://tabete.me
の3社は、サービスの垣根を越えて飲食店のテイクアウト支援をしてくれています。
Twitterで「#テイクアウトしよう」のハッシュタグをつけて、お店やテイクアウトメニューの投稿をすると、POTLUCK(ポットラック)・PICKS(ピックス)・TABETE(タベテ)の公式Twitterアカウントが無条件で拡散してくれるというものです。
積極的にメニューの投稿をして認知度を上げていきましょう。
・SNSの活用
積極的に活用していきたいのはFacebookとInstagramです。
地域指定での広告をうつことも可能ですので、広告費の上限を決めてテイクアウトの告知をしていくことも視野に入れてみましょう。
また、Instagramではテイクアウト、ギフト、寄付の3つの機能を持ったサービスの展開を発表。(2020/4/16)
アカウントを持っていない人はすぐに作ることをおすすめします。
通販、宅配コース料理
これは現在進行形で僕らが取り組んでいるものでもあります。
通販サイトは無料で簡単に作れるものから始めました。
対面での食品販売は飲食店であれば何の許可もなく始められますが、宅配便を使っての販売となると、別途許可が必要でした。
保健所に連絡し、【そうざい製造業】、【食品の冷凍・または冷蔵業】の許可を申請。
実際に申請から許可が下りるまでの期間は3日かかりました。
今回思ったのは保健所や、実際に店舗の視察に来てくれる職員さんによって許可が下りるまでの期間や、難易度が変わってくるなと感じました。
自治体によっては許可が下りるまでにもう少し期間が必要かもしれません。
実際に今僕らが取り組んで販売しているのは、コース料理を真空冷凍してお客さんに盛り付けをしてもらって、自宅でコース料理を楽しんでもらうというものです。
Facebookの告知だけで2人前5000円のコースを80食売ることができました。
今後の展開としては、自宅での手間がかかる部分を意図的に増やし、動画での調理、盛り付けの補助をしていくというスタイルで拡大していきます。
食材の加工をアウトソーシングするように早急に手配していき、動画さえ撮影してしまえば手元を離れたところでの収入源が確保できる。
今回のコロナショックで新しいチャレンジができることは、前向きにとらえて行動していくようにしています。
積極的に新しいことに取り組んでみてください。
おわりに
飲食店の支援の情報はこれからもどんどん出てくると思います。
たくさんの情報に触れすぎると結局何も手につかずに過ぎ去っていってしまうでしょう。
しっかりと自分に必要な情報を選択し、この窮地を乗り越えてより強い状態で運営していけるように頑張っていきましょう。
今回の記事が誰かひとりの助けになることを願っています。
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