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XR関連の雑感

イマクリエイトの山本です。年末年始でまとまった時間ができたので、19年を振り返り、20年以降の中長期な未来予想を書きます。初Note!

XRの将来像

VRは、最終的にはアイマスクぐらいの大きさになり、現実及びSF世界を表現でき、いずれはVR内を本当の現実のように楽しめるになる。
利用場所は一定時間安全に過ごせる場所(家、遊園地、飛行機、研修施設等)で、テレビ、ゲーム機、研修施設の代替と使われ、また体験自体の共有、テレイグジスタンスのロボット遠隔支援などの新しい使われ方をされる。
AR、MRの最終形はコンタクトとメガネ。欲しいと思った情報を現実上に表示できるようになる。スマホ、タブレットの代替となり、用途は、プライベートでは電話、メッセージ、ゲーム、健康情報等の表示、ビジネスでは会社の基幹システムと連携され、設計図の表示、業務指示や、営業では名刺情報やプレゼン資料の表示などが想定される。

市場規模

2023年までの世界AR/VR関連市場予測によると、世界での市場規模は、19年約1.8兆円→23年約17兆円で年間平均成長率約80%。一方、日本は23年で約3,500億円と世界全体の2%程度に留まっている。
米国テック大手GAFAM、中国テック大手BATHが全社投資していることを考えると、市場が右肩あがりなのは間違いなく、あとは成長スピードの問題。国内では、資金が潤沢な通信大手3社が5Gのキラーコンテンツとして投資を進め、牽引役となるだろう。
国内市場は小さいので、海外に展開すること前提で、ビジネスを構築した方が良い。

市場ライフサイクル

VRは導入期から成長期に移行する段階だが、AR/MRはまだ導入時期でショルダーフォン的位置づけ。
VR元年(2016年)からXRデバイスの進化が著しく、また企業がオープンイノベーション、DX(デジタルトランスフォーメーション)の文脈で関心を示すことが増え、普及が加速しそう。
VRデバイスは、16年 Oculus Rift 30万円程度(PC含む)→ 19年 Oculus Quest 5万円程度(PC不要)で楽しめるまでになり、また既に肉眼レベルのデバイスも出ていることから、より高画質、より安く、より軽いデバイスが発売され、どんどん普及する。
AR/MRデバイスは、Hololens 1強だったが、nrealが手軽なサングラス型で5-7万円の価格で販売することで、今後大衆化が進むだろう。
少し古いデータだが、XRデバイスの出荷台数の推測は、19年の実績にかなり近そう。19年世界1,200-1,400万台、国内70-80万台前後で着地し、20年以降は、推測値と同等か少し上振れる水準で推移しそう。国内ARデバイスは台数的に携帯電話の平成元年状態で、本格的な普及は2022年のApple Glassが販売される頃か。

マネタイズ

マネタイズに成功している国内会社の凡その年間売上は以下のイメージ。
売上100億円、1,000億円目指すにあたり、さらなるデバイスの普及、より明確な利益(to B向けだと売上向上、費用削減、安全対策の何れか)が必要となる。
・DMM 売上40億円
・不動産営業VR 5-10億円
・ゲーム 2-5億円
・研修1-3億円

業界毎の研修ニーズ

To B向けで一番市場規模が大きいのは研修で、業界毎にニーズは異なる。自身でヒアリングした結果は以下の通り、その業界特有の課題があり、それを解決できると提案が通りやすい。各社PoCが終わり、徐々に本格利用が始まる段階。
製造:自社の研修効率向上
飲食、小売:研修コストの削減、業務標準化
建築、物流:安全研修・e-learning・研修センターの高度化
交通:点検・メンテナンス業務の効率化、人件費削減
ヘルスケア、食品メーカー:商品PR
IT、コンサル:既存客への共同販売

ベンチャー投資

CVC投資が増える。
大手企業の内部留保は右肩あがりに増え、18年463兆円と過去最高水準であり、トヨタを筆頭に終身雇用制を徐々に廃止することで、人件費を固定費から変動費に変え、投資しやすい環境になる。また20年4月からオープンイノベーション促進税制(ベンチャーへの1億円以上の投資に対し減税)が始まり、ベンチャーへの投資が増える。
最近では、村田製作所がハプティクス企業を買収した事例があり、こうゆう事例が増えそう。
他方、(おそらく20,21年頃?)XR業界初の上場は、その評価水準が、ベンチャー企業のValに反映されるので要チェック。

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