無題

「自己成長ができる!」なんて何一つ魅力に感じないー企業側の誤認

☟こんな方にオススメの記事です
❶社員が中々成長してくれなくて悩んでいる
❷若手人材の採用に課題を抱えている
❸若年層社員の定着に課題がある

こんにちは、株式会社フォーバルの山本裕介です。経営コンサルタントとして、『コンサルタントが不要な会社を増やす!』ことを目標に日々活動しています。ここでは経営者・幹部・管理職や経営コンサルタントの皆様に、自律的で主体的な自走式な組織作りに活かしていただけるような情報を発信していきますので是非読んでいただけると嬉しいです!

さて、世間を騒がせているコロナウィルスの件ですが、皆様はどのような影響が出ていますでしょうか?直接的な影響がある企業もあれば、今後間接的に影響が出るであろう企業など様々だと思います。政府が進めている対応状況等を鑑みてそれぞれ取るべき行動をしていただければ幸いです。政府の対応については賛否両論あるようですね。

例えば検査を促進するのかしないのかについて。ソフトバンクGの孫さんがTwitterで発信したことでもいろいろな議論があった模様です。どうやら検査を強化すると結果的に医療現場がパンクして治療へ手を割けなくなるなどのデメリットもあるようです。これを思うと、これまでの日本政府の対応について全て悪いと思えないこともありますね。冷静に判断していきたいと思います。

ところで、今回の事態が発生したことで何となく社会が変わったように感じませんか?

■コロナの件で変わったと感じる事
・テレワークが当たり前に
・時差出勤が当たり前に
・家族の時間が増えた人も多いかも
・デマの件で情報への意識が変わった

とまあ、人によって環境によって違うと思いますが私はこのように感じています。人は、大きな事をきっかけにこれまでの考えを変え、環境にあわせて価値観までをも柔軟に変えられる心を持っているのだなあと深く思いました。

一緒にして比べてはいけないことかもしれませんが、『3.11』以降も社会が大きく変わったのではないでしょうか。利益追求ばかりしていた空気感から、『社会貢献』という言葉が広く一般的になったのもこのころからだったと思います。おそらく、『生(せい)』ということに対してそれぞれ考えることがあったと思います。

みなが協力してこの有事を乗り切ることが出来たら、日本が一つ成長できるかなと期待も込めて。

さて、長い前置きが終わったところでそろそろ本題に話を戻したいと思いますが、このコロナの影響で就職活動にも大きな影響が出ているそうでいくつかの企業経営者から相談をお寄せいただいております。合同説明会が中止になり、学生との接点の場が減っていることによりますね。

こういうことがあった時に世の中は2分されるのだなと感じます。実は、『あ~もうだめだ!うちみたいな中小ではやはり採用は難しいんだ・・・』と諦める人と、『よし!会えないならネット上で説明会開いちゃえ!』と見事に環境対応をする人が同時に何人も発生するわけなんですね。Twitter検索で『ブラックなエキスポ2021』と検索してみてください、100社を超える企業が動画で会社説明会をしているのがわかります。
(下のリンク先を見てみてください)

やり方の話は良いとして、いざ採用をする際に求職者に対して企業側はアピールポイントを伝えるためにいろいろ宣伝文句を考えますよね。そんな中でとっても気になる(違和感)言葉があるので今回はそのことについて記事を書きたいと思います。

1.気軽に使っている『成長』という言葉の違和感

今努めている会社は新卒から入社して13年が経ちます。違和感と言いつつも、13年間で成長しているだろうなと思えることはたくさんあります。しかし、採用や人材育成の場面において『自己成長』や『成長』のような言葉があるととても大きな違和感を感じるのです。

■採用での謳い文句例
・自己成長ができる会社です!
・成長の機会がたくさんあります!

う~ん、やはり違和感がありますね。
何故かと言うと、『社員は成長するために会社で仕事をするの?』という疑問があるからです。AbemaTVドラマの『会社は学校じゃねえんだよ』が少し話題になった時期に見ましたがとっても理解できましたね笑

多くの方にっての仕事をする目的なんてものはここに挙げるようなことだと思います。

・生活のため(生きるため)
・毎年旅行に行きたい
・●●(夢)をかなえるため

などを思っている方が多いと思います。(他にも種類はたくさんあります!)そして、その目的を叶えるために会社(または社会)の中で目指すべき姿があって、そこに到達するために必要な自己研鑽(技能や資格など)をしていくのではないでしょうか?

つまり、個人の目的が何なのかわかってもいない会社が『成長できます!』なんて言ったところでその人に必要な成長の在り方が提供できるのかもわからないわけですよね。もっと言えば、会社ってその人の成長よりも会社にとって必要な成果を出してもらわないといけないじゃないですか。そう思ったら会社が言っている『成長の機会』なんてものはその会社で働く上で必要な技能や知識が身につくっていう話であって、働く人が求める成長の意味とは違ってくるんじゃないの?と思うので、違和感だと感じているわけです。

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2.成長『したい人』と『させてほしい人』**

違和感があるといいつつも、『成長』を企業がどう定義するかによっても変わると思いますし、求職者の想いによっても意味が変わると思います。あえて言うならば、求職者は2タイプにわかれるのかな?と思います。

■求職者のタイプ
❶自分で成長したい人
❷成長させてもらいたい人
※成長=技能・知識を身に付けるとします

❶❷どちらかが良くてもう一方が悪いという意味ではありません。これは得手不得手も含めた話で、❶は育成の仕組みができていない企業や組織だと要望を満たすことができ、❷は決められた仕組みの中だと真価を発揮するタイプの方の要望を満たすことができるという意味です。

全てに当てはまりませんが、企業の種類(大手かベンチャーかみたいな)によって求職者がどちらを選ぶ方が良いのか?は考えられるのかもしれませんね。大手の中でも新規事業であればマニュアルもノウハウもありませんので❷のタイプの方にとっては地獄かもしれませんし、中小企業であってもしっかりと体系化されているのであれば❶のタイプの方は活き活きと働くでしょう。

皆様の会社の中で『教えてくれる環境が無かった』と言ってやめていく方がいるとしたら❷のタイプ人材を採用しておきながら組織は体系化されていなかった、ということでしょう。

ちなみに当社は多くのことがあたらしいことにチャレンジしていくため❷のタイプの方にとってはかなりストレスに感じることがたくさんあるかもしれません。5年前と今と比べたら❷の方にとっての環境が整ってきていると言えますが、まだまだ❶のタイプの方の方が面白く感じることが多いかもしれませんね。

個人的な思いとしては、会社からお金貰ってさらに『成長させてほしい!』と思うこと自体いかがなことかと感じますが、そうじゃなくて『成果出すために自分を磨こう!』くらいの志を持ってほしいなと思います。会社は学校じゃないんですからね、何を甘えてんだ!と思います。

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3.会社が提供するのは●●です**

ここまで長々と書いてきましたが、伝えたいことは以下2つの分類でまとめられます。

❶会社が用意できる成長支援
・技能・知識をはじめとした業務面での成長環境
・理念をはじめとした道徳を学ぶ環境

❷社員がやるべきこと
・会社の中で成果を出すための成長(業務面)
・ステージを上げるのに必要な心の成長
・自分の夢をかなえるのに必要な自己研鑽

会社は環境を作ることが役割であり、社員はその環境を思い切り活用するのが役割だと考えますが、社員がすべきことで忘れてはいけないのは、業務に必要な成長以外の面での自己研鑽です。これをしていないととんがりを持つことができず、埋もれていきます。もちろんそれでいいという人には強いるつもりはありません。

一方で、社員の夢実現を手伝う会社からの支援企画があってもいいと思います。これについては企業ごとの考え方だと思いますし、無理してまで取り組む必要は無いと思います。あってもなくてもその会社で働きたいと思うかどうかは求職者や社員の考え方次第です。

4.会社がアピールするべきこと

ということで、まとめさせていただきたいと思います。

■採用で会社がアピールするべきことの例
・業務で成果を出す技能・知識を身に付ける仕組みがあること
⇒いわゆる教育制度的なもの
・上がった成果に対する評価が報酬に反映される制度があること
⇒評価と賃金制度みたいなもの
・社員満足につながる取組など
⇒ここは理念やビジョン、会社の文化によると思いますが具体的に
・上記の仕組みが無いということ
⇒ゼロから1を作る段階だとはっきりしていた方がわかりやすい

中途半端に『成長できます!』と言うようなことを抽象化させて言うよりも、できる限り具体的に伝えた方が良いです。上記のような例を参考に宣伝文句を考えるとしたらこんな感じでしょうか?

**■求人の宣伝文の例
●成長させてほしい人向け
・入社半年で単独業務が可能になるカリキュラムがあります

●成長したい人向け
・恥ずかしながら仕組み化できていません!一緒に作ってくれる方大歓迎!**

極端な例だし、いまいちですがこんな感じで『成長』ではなく、入社してからの自分のイメージができるように素直に表記する方が良いのではないでしょうか?そして、みなさまの会社はどっちのタイプに来てほしいのか、どっちのタイプを活かすことができるのか、改めて考えてほしいです。

今回の記事で何を言いたかったのかと自分でも振り返ってみたのですが、結局のところ誰が聞いても聞こえのいい『成長』という抽象的な言葉を使うよりもどんな状況でどんなことを社員に求めたいのかを明示した方が良いということです。

今回は採用というシーンを切り取ってお伝えしましたが、既存社員に向けても同じことが言えます。業務上のことで『成長しないなあ・・・』なんて思っているのであればそもそも会社として環境を作っているのかどうかを見直してほしいです。自分からガンガンやりたいという気質の人は仕組みが無くても環境が無くても勝手にやるもんです。

しかし、『成長させてほしい』というタイプの人には同じことを求めてはいけません。会社が環境を作るべきなのです。

最後に、2つのタイプがいることを何度も言いましたが、私は、『成長したい』タイプの人が多い方が、世の中もっと良くなっていくと思っています。仕事をやるために自分を磨くというのは本来当たり前のことだと思っていますのでこれだけはお伝えしておきます。

ということで今回はここまでとさせていただきます。お読みいただいた方は本当にありがとうございました!

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