【会議の基本設計】基本に忠実にやれば必ず経営数値に変化が現れます|売上の上がる会議

会社運営の中で組織がある企業の場合は、しばしば会議やミーティングと呼ばれているものを行っていると思います。そこに参加するメンバーは多くの場合組織内で重要なことを担当している方が入るでしょう。主要メンバーが業務から離れて時間を使っているのが会議やミーティングなのです。

ということは、営利企業の場合はその時間がしっかりと顧客満足につながり結果として売上や利益が増えなければなりません。直接でなくとも、それにより無駄が無くなり効率が上がることやヒトの能力が上がり生産性が高まる、等もよい効果と判断できるでしょう。

現在会議やミーティングを社内で行っているのでしたら、今一度それが何につながっているのか?企業は生産性が上がっているのか?を見直してみていただければ幸いです。

今回は売り上げの上がる会議のポイントをまとめましたので気付きに繋がりましたら嬉しいです。

1.言葉の定義について

まずは、『会議』と一言で言いましたが似たような名前の物がたくさんありませんか?経営会議、営業会議、販促会議、業務会議、人事会議などの『〇〇会議』と呼ばれるものや、『▲▲ミーティング』や『■■会』なども企業によってはあるかもしれませんね。

ここではそれぞれの言葉の定義を決めておきたいと思います。
※会社によって意味が違う場合があります

■言葉の定義について
発表会・・・経営計画や事業計画を代表者が発表し共有する場
会議・・・意思決定中心の場、そのために議題に沿って協議も行う
ミーティング・・・話合い、共有の場、決めることがあってもなくてもOK
※ミーティングに似た『会』などは同列とさせていただきます

まず、『会議』と付くものの場合は何かが決まるということが必須だということをご理解いただければと思います。現在行っている会議が、発表者の公演会になっていたり、何も決まらない時間であれば別の名前を付けることをお勧めします。

そもそも、無駄な時間であればやる意味はないかもしれませんが、改善の余地はありますので読み進めていただければ幸いです。

2.会議の名前について

『会議の名前???何???』と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、実は会議の名前は成果につながる会議にするためにはとても重要な要素なのです。(侮るなかれ!)

今、皆様の社内ではどのような名前の会議がありますか?ぜひメモに書き出していただければと思います。

一般的には次のような会議が多いです。(実感レベルです)

・経営会議
・営業会議
・責任者会議(幹部会議などもあります)
・品質会議
・製造会議

どの会議名も何も間違っていませんが、会議名を見ても何を協議して何をしたいのかがわかりません。少なくとも、私が社員ならばそう感じます。
そこで次のようにしてみてはいかがでしょうか?

・経営会議  ⇒”経営計画促進会議”や”経営課題解決会議”
・営業会議  ⇒”顧客創造会議”や”販売単価UP会議”
・責任者会議 ⇒”事業計画促進会議”や”人材育成促進会議”
・品質会議  ⇒”顧客満足向上会議”や”クレームゼロ会議”
・製造会議  ⇒”生産効率改善会議”や”適正在庫実現会議”

名前にセンスが感じられないかもしれませんが、会議名を具体的な目的に置き換えると、『その時間で何をするのか』が明確になる気がしませんか?とはいっても多岐に渡って協議をしたい時間もあるかと思いますが、あれこれ時間を取らずにテーマを明確にすると会議自体の生産性が上がる傾向にあるようです。

3.会議予定表について

会議を開催するにあたって『会議の進行予定および議題』を明確にしておく必要があります。ここでは会議予定表と呼ぶこととしますが、アジェンダと呼ぶ方が多いように感じます。同義だと思ってください。

会議予定表を会議前に作成し参加者に共有することで事前準備をした上での参加をしてもらえるため、これもまた会議の生産性をあげることになります。

会議予定表にどんなことを盛り込んでいるかを挙げておきます。

会議予定表
開催日時 2020年1月15日10:00~12:00
開催場所 第A会議室
参加者 〇〇社長(議長)、▲▲部長、■■部長、××課長、◆◆課長(議事)
会議目的:何のためにを明確に
会議目標:今日の会議の目標を明確に
議題 協議事項を明確にする

このように議題だけではなく、会議の目的やその日の目標まで決めておくと、参加者はそのための準備をしやすくなります。さらに参加者にあるように、議長(進行)や議事担当を決めることも重要です。

4.会議の段取り

会議は開催当日だけではなく、前日よりも前からすでに始まっていると考えてください。当日初めてお題を聞くような会議は時間が長くなるだけで浪費になってしまいます。(もちろん議題によってはあえてそう演出する場合があります)

会議前と会議後含めた段取りは次の通りです。

1.会議1週間前
 ❶議長にて会議予定表作成及び参加者への配信(宿題含めて配信)
 ❷参加者は当日必要な分析資料等の事前作成開始
2.会議1~2営業日前
 ❶事前資料共有(作成者がサーバーへ保存等する)
 ❷事前資料確認(参加者は必ず事前資料をチェックする)
3.会議当日の進め方
 ❶チェックイン(雑談のようなものを1人1分目安で)
 ❷司会者により情報インプット(外部情報等が良い)
 ❸議題に沿って協議
 ❹決議事項及び宿題の確認
 ❺次回協議事項の確認
 ❻チェックアウト(今日の総括を1人1分目安で)
4.会議後に議事録配信(終了時に即でOK)

定期会議であ基本的には上記の流れで開催をしていかれると、着実に実施すれば!必ず成果につながるものとなります。ちなみに、定期会議であれば次回協議事項の確認等は必須ですが、単発の場合は無しでもよいです。

5.前提として必要なモノ

段取りをしたらいいかと言えばそうではなく、本来は会議をする前提として必要なモノがいくつかあります。(無くてもある一定の結果にはつながりますのでご安心ください)

◆会議で成果を出すために必要なモノ
❶理念やビジョン(目指すところがわかる方が良い)
❷ビジョン達成に向けた事業計画(計画がある方が良い)
❸計画進捗がわかるもの(Excelでもクラウドツールでもいいです)
❹モノサシ(進捗に対する判断基準)

本当は他にも細かいところまで突き詰めるとあるのですが、この3点があると会議が効果的になると思います。目指す先やそのための計画が無ければやっていることが正しいのかどうかわかりませんし、モノサシが無ければ今の成果が良いのか悪いのか、判断できません。

言われてみれば当たり前のことかもしれませんが、このようなモノが無い場合は用意されることをお勧めします。

5.まずやってみること

売上が上がる会議に必要な要素については以上です。細かく挙げれば他にもありますが十分出そろったと思います。あとはまずは実践をしてみてください。発言が闊達に行われる場づくりや、同調による議論の妨げを無くす方法など、進行上のテクニックについてはまた別の機会に書かせていただきたいと思います。そちらについてはご要望があればといたします。

6.会議導入による成功例

社員30名ほどの中小製造業A社では、製造と営業のコミュニケーションがうまく行っていませんでした。また、創業から20年以上、目の前の案件をこなすことに没頭してきた企業体質から社員が理念やビジョンについて考えることなど全くありませんでした。もちろん、会議になればトップや事業責任者の独壇場になってしまい、発言する人もゼロの状況でした。

そこで、全社員を集めて自社の未来を考える会議(半期に1回)と、製販含めた幹部を集めて自社の今(月1回)を考える会議を実施しました。会議名は分かりやすく『A社の未来を考える会』と『A社の今を考える会』です。

開催から2年が経つと、特に若手社員が企業理念を覚えるまでに変わり、ビジョンに向けたグループ協議も抵抗なくできるようになりました。もちろん、半年ごとにクレームが減少し、結果的に50%以上も改善できたのです。これにより粗利が改善されました。

今を考える会においては、幹部メンバー同士の腹を割ったコミュニケーションの場としても機能したことにより今では発言しない人がいないほどです。結果としては、案件の工程管理がうまくいくようになり、限られた時間の中でより多くの製品を製造し納品することができるようになりました。つまり、売上が上がったということです。

会議で行ったことのすべてはご紹介できませんが、企業運営の中で、会議はしっかりと建てつけて開催をすれば経営数値に変化が必ず現れます。それができないのならば見直しをするか、そもそも止めてしまうか、決断をする必要があるかもしれませんね。

7.外部リンク

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