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2021年、逆襲の陽キャ

新しい生活様式によって変わらない人々

2020年、新型コロナウイルス(COVID-19)の流行により感染防止を取り入れた「新しい生活様式」が求められるようになった。

リアルでの活動が禁じられたわけではないが、密を避けることはコンプライアンス的に求められ、ビジネスの仕方も大きく変わっていった……と考えがちだが、すべてのビジネスにおいて、新しい生活様式がビジネスのスタイルを変えてしまったわけではない。

新しい生活様式によって今までのようなビジネスができなくなってしまったと感じている人は、それまで対面で動くだけの予算が与えられていた、または予算をかけるだけのリターンが見込めるビジネスをしていた人であって、低予算ビジネスにおいては、そもそも対面や移動という手段をとるということはなく、電話かメールを利用するほかなかった。

つまり、新しい生活様式なんてものはあくまでも潤沢な予算を有していた層にとって”新しい”だけであって、「どこも新しくない」と感じている層も確実に存在するのである。

新しい生活様式などと喧伝している人々は、従来と変わらない生活をしている層をバカにしているというか、そもそもそうして虐げられていた層がいたことも知らないのだろう。

ある意味で陽キャと陰キャの対比でもある

もともと人との関わりを最小限としていた陰キャにとって新しい生活様式は、リアルの活動を強いる圧力がなくなって、むしろ心地よいとさえいえるかもしれない。すでに、すべてがオンラインで完結する業務スタイルを確立していたならば新型コロナウイルスによる新しい生活様式というのは、時代が自分に追いついただけであって、そこにはなんのストレスもない。むしろ、これまで陰キャとして虐げられるようなこともなくなり、快適な社会になったとさえいえる。

実際、新型コロナウイルス対応の給付金問題で難しいのは、誰もがビジネスがシュリンクしているわけではないという点だ。新型コロナウイルスによってさほど影響を受けなかったというレベルではなく、むしろ新しい生活様式が追い風となってビジネスを拡大している層も存在する。いわゆる陰キャというわけではないが、ビジネス界の陰キャといえる層がサクセスしている面もあるだろう。

では、もともとのスタイルが新しい生活様式にフィットしていた陰キャ層はこのままストレスフリーに過ごすことができるのか。

2021年、陽キャの逆襲がはじまる

はっきり言って、そう考えているのなら甘い。そもそもビジネス界においても陽キャ層というのは勝ち組であり、リアルで築き上げてきた太いネットワークを持っている。

現時点では新しい生活様式は、従来の陰キャ的ビジネススタイルと親和性がよいように見えているが、それは過渡期の偶然であって、結局は強者である陽キャ的スタイルに最適化されることは容易に予想される。

新型コロナウイルス以前のスタイルに戻ることはないだろうが、2021年は陽キャ層に最適化したビジネススタイルが確立され、陰キャ層はふたたび虐げられる存在へと追い落とされるであろう。

ただし、陽キャ層が簡単に今まで通りのポジションに戻れるかといえば、そこも疑問だ。たまたま、現状の新しい生活様式が心地よい陰キャ層は反発していないように見えるが、その心地よさを失うとわかったときに素直に変化を受け入れる保証はない。

その意味では、陰キャ層に気付かれないよう、巧みに陽キャに最適化した新しい生活様式を生み出すというのがシナリオになるはずで、傍からみると目立たない歩みのゆっくりとした逆襲になるのではないだろうか。まさに丑年らしい逆襲劇は、はたして成功するや否や。

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