世の中はもう元には戻らない


 ウィルスの力は本当に強く、数か月前と世界が一変してしまった。今年の初めころ、今このような過ごし方をしているとは想像できなかった。想像できた人は誰もいなかったのではないだろうか。
 このようになってしまった世の中は、もう元には戻らないと考えている。たとえ、このコロナウィルスへの戦いに打ち克ったとしても、新たなものが出てくるだろうし、そもそも打ち克つことはできず、共存していかざるを得ないだろう。
 資本主義の様相も変わってくるだろう。いかに大きく、いかに人を集めてと考えられていたものの前提が崩れることとなり、ますますオンライン化してくるし、みんなが人との接触をなるべく避けてウィルス対策する世の中になるはずだ。そうなると、人が集まる必要性が薄れてきて、それを前提としてきた産業とか業界とか“場”は必要がなくなってくるかもしれない。
 例えば、オフィスや学校とか大きなフロア、ホール、競技場、電車などに人が集まることは少なくなり、全てがオンライン化していくことも考えられる。テレワークが定着するだろうし、コンサートや屋外競技も含めてオンラインで課金していく流れが強まってくるだろう。
 その兆候は、この騒動前からあった。例えばテレワークとか人が会わずに会議するような例も増えていたし、教育産業もネット授業ができるようにはなっていた。また、スポーツや音楽なども家に居ながらにして楽しめる環境は少しずつ作られてきたと思う。今後はそれが加速して、スタンダードになるだろう。
 僕がやっている執筆・出版なんかも、ますますオンライン化が進んでいくだろう。もちろん今の形態も残るだろうが、一部は速報性のあるオンライン上の書籍などに代わるはず。
 税理士、それと会計士、経理とか総務、社会保険、司法関係の仕事なども、ますますオンライン化していかなくてはならない。裁判も止まっていると聞いたが、オンライン裁判をやっていかないと厳しくなるだろうし、監査や税務申告、登記などの手続きなどもすべてオンライン化していくはず。公務員も、オンライン化に対応せざるを得ない。

 ウィルスはモノに付着して感染することもあると考えられているので、モノを持つことにリスクを感じる人が増え、持たないことが主流になってくる。これまでやっていた仕事が出来なくなることもたくさん出てくるので、各自がダウンサイジング・コストダウンしていく縮小の流れは止まらないだろう。これまで人が集まって成り立っていたような会社経営も小さくなり、一人でいろいろな事業を行っていくような流れになるだろう。
とにかく、オンライン化して、リアルな人との交流が減っていくはず。それは寂しい気がするが、仕方がない。スポーツチームとかも、今のままでは何もできないので、細分化していってオンラインでどう見せるか、という流れになるはず。

書けばキリがないけど、このようになった時にどうやって生きていくかは、各自が考えなければならない。僕は最近毎日なるべく時間を取って、今後の世の中の流れを考え、自分が何をできるか、何をどうしていかなければいけない、息子はどう生きていけばいいのかなど色々と考える時間を取るようにしている。これまでやってきた仕事が出来ないわけではないけど、様相は変わってきてしまったし、これから収入は落ちていくだろう。そうなっても生きられるような、縮小をはじめとした準備、新しい仕事や投資などの準備を始めている。

みんな(僕も含め)がこれまで頑張ってきたことを否定したくはないし、尊重したいけど、世の中はもう元には戻らないだろう。これからは未来を想像して、自分で何をするかを決めて、その準備をしていくことが求められる。その想像が間違っててもいいかもしれないけど、自分の頭で考えて行動していくことがますます大切になってくるだろう。

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