「経営」をしよう


 「経営」とは何か。まず人の役に立つようなコンセプトを考え、それを広め、人に手伝ってもらって、お客さんを増やし、多くの売上をいただいて拡大していくのが「経営」と言われている。それはそれでいいが、ただ本来資本主義の世の中においては、「投資」と「経営」を分けなければならない。
 「投資」とは、資本(お金など)をまず投じて、その資本を一年とかの単位をかけて増やすことで、それは株式など金融商品にお金を投じて増やすことだけではなく、事業に投資して増やしていくことも、資本主義での本来の投資である。一方で経営とは、本来、事業に資本を投じた人から命を受けてその事業を運営し、資本を増やしたり毎年の配当を資本家に提供したりする、それをやることで報酬を得るというのが“経営”だ。「経営者」というのは、「資本家」から委託を受けて経営を行うのが普通で、日本の多くの企業は、「資本家」=「経営者」になっている。ただ、それを意識して経営または投資をしている人はそれほど多くない感じがしている。
 話が難しくなって読みたくなくなるかもしれないから、ここから簡単になる。
 僕たちは、誰でも「経営者」=「投資家」になれるし、ならなければいけないし、なりましょう、という話を皆さんにこれからずっとしていきたいと思っている(これまでもしてきた)。どうやったらわかりやすく伝えられるだろうといろいろ考えて、これまで本を書いてきたが、ここでも伝わるように書いていきたい。
 今だからこそ、みんな「じぶんひとり経営」をやったらいいのではないかと思う。「じぶんひとり資本家」になろうと言ってもいいかもしれない。
経営をやるというのは結構ハードルが高いが、実際のところ誰でもできる。僕もななまがり、いやまがりなりに15年以上経営(ごっこ?)をやってきて、今のところ死なずにすんでいる。僕ができるんだから、これを読んでいるような人は絶対誰でもできるはずである。
 また、いまは「経営」なんて言っても、大したことはない。全員が大きな会社を作り、有名になり、とびぬけた実績を残す必要はない。例えば年間売上1,000円(一千万円じゃないです)、経費ゼロだとしたら利益が発生していることになり、赤字会社よりは成績優秀、ということになる。誰もが知っているような大きな企業でも、巨大な赤字を発生させたりしている。スケールで比べるのではなく、一人当たりの利益とかなら、巨大企業にも楽勝する場合がある。
 また、利益とかお金だけでなく、じぶんの人生を経営していく、という観点も必要となり、それはまた誰でもできることである。これから生きていくにあたって、家計の管理が誰でも必要となるだろうが、それもじぶん経営に含まれる。時間を何に使おうか、ということを考えてじっこうしていくのも「じぶん経営」だ。これからは、自分を経営したり、自分に資本(お金とか時間とか、それ以外のものも含めて)を投じたりすることを意識して生きていこう。
 たぶん経営をするということは楽しいことであり、遊びである。誰もが雇われて、指示されながら仕事をしていくだけの時代は終わった。これからは、みんなが、じぶんを経営しながら生きていくことになるだろう。それらについてこれからいろいろと書いていきたいと思う。

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