飛べない烏

大きなあくびをした後に 浮かぶ涙を眺めてみる
胸に開いた穴の中へと 逃げるように祈るように今

軋んでいる揺れている心 過ぎていく思い出はどこ?
いつでも君は震えている 抱きしめる僕の手も今

飛び降りたってこの世界は ひっくり返りやしないから
羽根など生えぬその身体で 歩いていこうよ
二人きりで

赤く血の色に染まった 大空に影が浮かんでいた
この指をすり抜ける風と 君の言葉はよく似ている

崩れていく壊れていく心 息を潜めて今日を行こう
誰かに撃ち殺されないように 君が一人で泣かぬように

首を絞めても言い足りない 想いは溢れてしまうから
僕に醜さをぶつけてよ 笑っていようよ
二人きりで

ずっとそばで笑ってほしい その唇に触れていたい
折れそうな身体を委ねてよ 眠るときもまた
二人きり 二人きりで

泣かないで 今は消えそうでも 二度とこの空を飛べなくても
羽根など生えぬこの身体で 歩いていこうよ
二人きりで

笑っていようよ
二人きりで

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