山本いろは

主に自作の曲のために書いた詩を投稿します。 どうぞお手柔らかに。 ボカロPやってます。

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飛べない烏

大きなあくびをした後に 浮かぶ涙を眺めてみる 胸に開いた穴の中へと 逃げるように祈るように今 軋んでいる揺れている心 過ぎていく思い出はどこ? いつでも君は震えている 抱きしめる僕の手も今 飛び降りたってこの世界は ひっくり返りやしないから 羽根など生えぬその身体で 歩いていこうよ 二人きりで 赤く血の色に染まった 大空に影が浮かんでいた この指をすり抜ける風と 君の言葉はよく似ている 崩れていく壊れていく心 息を潜めて今日を行こう 誰かに撃ち殺されないように 君が一

    • 春が嫌いな100の理由

      春が嫌いだった。 春はあけぼのと誰かが言ったらしいが、僕に言わせてみれば春は鬱の塊でしかない。 意気揚々と開かれる扉、希望を胸に駆け出していく人々、出会いと別れ。 もういいよ、とうんざりする自分。閉じるなよ、と揶揄する声。 扉は閉じている状態こそ通常だと思う。開けっ放しだと叱られるのだから。 簡単に開けるなよ。簡単に開けてたまるか。 いつでもそうやって固く閉ざしてきた。春は開こうとする。 塊になって押し寄せて図々しく居座ろうとする。 そんな光は憂鬱だろう。 春が嫌いだった。

      • カッコウの棲む森

        霧の中で カッコウ カッコウ 泣いているの カッコウ カッコウ ねぇ、どうして生まれたのか君は知っているの? 「勿論さ、教えてあげないけどね...」 霧は深く カッコウ カッコウ まして僕は カッコウ カッコウ 面倒なことは他人に押し付けてしまえばいい 「その通り、君は賢い人だね...」

        • ジュリエット

          息を殺して部屋ではしゃいだ 他の誰にもばれないように ここに来るたび泣きたくなった 幸せすぎて頭が割れた もう生涯こんなことないかもしれませんね 王子様 君がいない それだけで 心はもう狂ってしまいそうで 殺してくれさえすれば 恨みはしないから 耳をふさいで瞳を閉じて 心臓の動く音だけ聞いて キスをするたび泣きたくなった 吹き飛びそうでしがみついてた 金輪際こんなこと終わりにしましょうよ ねぇ、王子様 君がいる それだけで 私はもう狂ってしまったのです 笑ってごまかさな

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        飛べない烏

          四月は馬鹿ばかり

          春は嫌いだった 春は嫌いだった 桜が綺麗だった 桜は嫌いだった 四月は馬鹿ばっか 見なくても分かった 痛みを伴った 出会いと別れ そして何もない ひらひら舞い散る桜の花びらが 地に落ちて さっきまで綺麗だったのに途端に ごみになる 若さだけの季節が過ぎて 大人になった時 私に何も残らないのと同じ ごみになる マスゲームなんだから逸れずに踊りなさい そして何もない ひらひら舞い散る桜の花びらが 飛び降りて 命を投げ捨てる様と重なって 泣いていた 嘘をつくことで許さ

          四月は馬鹿ばかり

          ダストシューター

          期待外れのこの命を どう使おうか どう使おうか 才能ナシ 努力もしない だけどそれなりにやれてるつもり でもなんとなく物足りない はい、そうです その通りです 全て私のせいでございます でもそんなのは残酷だ くらっとしちゃうような幸せの雨あられ どのみちもうここでお別れ さよなら 磨いた分だけ輝けるのは ごく一部だけ 一握りだけ 嫌いを集めて百個集めて それを燃やして暖を取ろうか 贅肉の付いた贅沢なこの身体 アイデンティティを見つけたら 急に光って変わってしまうとか

          ダストシューター

          バウムクーヘン

          頭にバウムクーヘン乗せて 君はちょっといたずらな笑顔 空になるまで逆さまに振れ 味がしないのに頬張る毎日 あー嫌い嫌い嫌い以外ない 放銃前夜に着飾って踊り明かすようなお茶目さ そういうルートもありだった でもねえ、後から気づいてもねえ 乾いた唇切って唄う 天国へ誘うゴスペルを 運命-さだめ-なんて気まぐれに変わる そんなものの為に生きる気はないの あー嫌い嫌い嫌い以外ない 興奮剤たらふく飲んで眠れないのに言うおやすみ 共有なんてしたくない脳 知ってどうするつもりなの

          バウムクーヘン

          施錠

          天気の悪い日にあえて散歩に 出かけるような非合理的感性が 今の僕に欠けているかな なるべく健康でいたいね 誰にも迷惑かけないように 最期に言う言葉がありがとうなら 素敵なことだけれど 素敵なことだけれど きっと僕はごめんなさいと 独りベッドで言うんだろうな 間違えて鍵かけて開かなくなったそのドアの 向こう側 大切な誰かを待たせていたような 間違えて鍵かけたことにして逃げ出したけれど 本当は閉じ込めて見ないふりしていただけじゃないかな 足枷を嵌められてどこに

          眠れぬ森のお姫様

          嗚呼、毒の林檎でも食べようか いっそ眠っていた方が気が付かないで 済む方法だから上等か 人形みたいに微笑んだ表情で 固まり続けていれば そしてベストなタイミングで 起こしてくれたら 何も良いことがないまんま 最後のページまでめくってしまった 起承転結のないまんま 短い一生を終えてしまうんだわ じっと呼吸を止めたんだ でも苦しくなって結局吸ったんだ 矛盾だな 人形 それは果てしなくて 状況に左右されない美学で 質量持たない鼠たちが 齧って逃げるの 針の一本も通さずに

          眠れぬ森のお姫様

          仮面優等生

          うまく言葉に出来ないのなら いっそ言わない方がマシかも 恨み辛みを並べ立てるより お利口さんでいられるのなら そうして溜まった澱み 捨てる場所に困っている 正直あなたが羨ましくて 嫉妬していたんだ 馬鹿だよね いつも誰かのせいにしてきて 楽な方に流れてきたんだ そのツケを今になって知る 付和雷同に唯唯諾諾と 簡単淡々に時は進む 妬み嫉みは尽きることはない お利口さんも楽じゃないよなあ もうすぐ私の誕生日なのに 誰も知らない 表裏のない人間はいない みっともないなんて

          仮面優等生

          ボーイ・ミーツ・ガール・イン・ザ・スノー

          乱雑系詩作少女と出会ったのは冬のこと さつまいもが大好きな ただの異常な女の子 感覚鋭利 大殺界 不埒なマークの左腕に お誂えの希望なんて全く意味をなさないね 「錆びついたあの感情を 凍てついたあの感情を  何より綺麗だって誇っていたいの」 飲みかけだったコーラを 逆さにして笑った後 純粋気取る馬鹿にやけに苛立っていた 絡まった螺旋状を今に燃やして君に見せたい 明日のシャンプーも僕は切らしているけど 始まったら数瞬で眩暈のようにギラっと煌めいて 何一つ理解しあっちゃいない

          ボーイ・ミーツ・ガール・イン・ザ・スノー

          ホワイトページ

          一面にwhite white white 意識も薄らいだ 終わっていく 終わっていく 終わっていく 今日が 1-0のスコアであっさり負けるような このままじゃ このままじゃ このままじゃ このままじゃ 嘆くよりも 憂うよりも 今を見つめ直して 嗚呼、僕たちは出来るだけ密やかに生きてきたよね だからこそ見えるものがあると思うんだ さあ、高らかに声を出せ 全て書き換える呪文だ これからの僕たちのページ それはwhite white white ただのどんでん返し ただの大逆

          ホワイトページ

          絶望少女

          そして絶望少女仄かに笑っていた 来たるべき終末に胸が踊っていた そんな絶望少女に僕は恋していた 最終的に不幸になるとして それがどうした さよならを二日分飲み干して 地面からちょっと浮かんだ 着地するその身体受け止めた 衝撃は流石に重いよ 不機嫌を都合よく使うのも 不自由を振り回すのも 嫌われるだけだからやめときなよ 僕の前だけにしときなよ 優しい言葉は心の2ミリ前で止まった 汚れた自分と結局釣り合わなくてやめた 飽和した娯楽と退屈が 余計に虚しくさせるんだわ 絶望少

          廻る走馬灯

          繰り返す 繰り返す 走馬灯が 昔話は嫌いだがこの場合は仕方ない いつかの君と僕がいるあのベンチが見えている 不自然なくらい鮮やかで 不気味なくらいに詳細で 忘れていたのか 封じていたのか そんな記憶が浮かんできて 何故、今、僕の現状は歪んでしまった 何故、何を、何処で間違えた 錯乱しながら 繰り返す 繰り返す 走馬灯が 使い古した言葉だがこの場合は仕方ない 『後悔先に立ちません』 『覆水盆に返りません』 不器用なりにも生きてきて 無様な姿も晒してきて マシになれそう

          廻る走馬灯

          静寂と心拍

          音のない夜の中 心臓の音だけが響く 悲しいくらいに生きているんだね 汚してしまったのかな それとも 元々こんなものかな 心は HBの鉛筆で塗りつぶしたような 黒鉛の夜に意識を溶かして 言葉ではこれ以上届かない奥深くにある 悲しみの味を覚えてしまった 許してあげたいけれど それでも 許せそうにないんだよ 心が これでも優しく微笑んでいるつもり 壊さないように包んでいるつもり 人間は夜の子で 心臓は星の一粒で やがて朝が来て消えていくんだね そして今 立ち止まる 僕の中 

          静寂と心拍

          サドンゴースト

          がっかりだ こんなことなら もっと笑っておけばよかった 誤解が生じぬように もっと伝えておけばよかったなあ 単純でもうまく出来ない そんなことばっかりでついには こんな日が来るなんて たまらないわ! ジ・エンドに合図などない 突然に訪れるのみ 返事も聞かずに去ってしまうのね 期限切れのチケット二枚 呆然と立ち尽くして 結末はあっけない 人知れず泣いてしまった 次の一秒が たった一秒が あと一秒が もしもあったなら 何を言おうか なんて言おうか 駄目だ 何も思い浮かばない

          サドンゴースト