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上海の外国人は減っているか?

コロナの前からよく聞かれていた質問に、「上海の日本人や外国人は増えているのか?それとも減っているのか?」というものがありました。最近の質問について言えば、「コロナ前との比較」ということだと思います。この前提で申し上げるのであれば、「減っている」という答えで間違いないと思います。

この問題については、様々な角度からいろいろな分析が行われており、総じて答えは同じで、「一部の地域で日本人及び外国人人口の増加がみられるものの、大部分の地域では日本人や外国人が減った、見かけなくなった」という声が聞かれます。原因はいろいろ考えられますが、日本人に限って考えれば、一番の理由は「ビザ」の問題だと思います。

私の周りでも、日本人が集まると「ノービザが再開されれば、日中の往来は盛んになる!」という話がよく聞かれます。このご指摘はその通りだと思います。航空便もだいぶ増えてきて、ビザ取得の手間が無ければ誘いやすい,呼びやすい、というのはその通りだと思います。実際、1-2年前に比べて、ビザの取得の難易度は下がっています。所用時間がわからないとか順番待ちとかいう問題は緩和されました。費用も下がりましたし、直近半年で2回以上の渡航歴があれば長期マルチビザの取得も可能になりました。観光ビザの増加は、旅行ツアーの再開まで伸びそうにありませんが、純粋な渡航者は緩やかながら引き続き増加し続けると思います。

問題は居住者の方です。こちらには「言われてみれば」というような問題が存在します。すなわち「Mビザ」の問題です。かつて、「半年マルチ」といった「商務ビザ」で「長期滞在」していた人たちがいました。いろいろな種類の人がいたのですが、大部分が「工作証」や「居留許可」を取得できない「訳アリ」の方々でした。誤解されてはいけないので、補足させていただきますが、「大学卒の要求がネックの職人系」や「雇用主がビザの取得に非協力的なローカル企業採用系」というような、本人は真っ当にビザ取得をしたいにもかかわらずグレー?な状況に甘んじていた人たちが、コロナ開始以降「居留許可(=労働ビザ、Zビザ相当)」以外のビザの更新が停止した際に帰国を余儀なくされ今もそのまま、という人がかなりいたと思います。現在も長期滞在できる商務ビザは再開されておらず、彼らの職場の多くが現在の不景気に直面していることが予想されるため、彼らの分の日本人人口の減少は間違いないと思います。もちろん、「反スパイ法」や「物価高」、「チャイナプラスワン」などの影響で駐在員や帯同家族の減少もあると思います。更に、以前は中国から離れないだろうと思われていた「国際結婚組」の「海外移住」も増えています。こちらは受験競争回避といったお子さんの教育などの側面もあるようですが、2か月のロックダウンに遭遇した上海を中心に、中国政府への不信感もあると思います。今まで滞在していた人たち,滞在できていた人たちの減少が、日本人や外国人の人口減の一因になっています。この状況の改善が無ければ、以前のような日本人や外国人の人口増加は見られないと思います。

読んでいただき、ありがとうございました。

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