「森林という宝物を次世代に」湯川町長が4期目に向けて抱負【2022年山北町議会3月定例会】
神奈川県山北町議会3月定例会の一般質問が4日と7日に行われ、計8人が質問に立った。
7月で任期満了を迎える湯川裕司町長は、質問戦の中で4期目への出馬を正式に表明。「森林を未来の子どもたちにどのように届けるか。それが我々大人に与えられた一つの使命だ」として、4期目に向けて町面積の9割を占める森林を官民共働で幅広く活用していく考えを示した。
湯川町長は2010年に初当選して以降、無投票で再選を続けてきたが、7月に予定される町長選挙には他に2人の立候補の動きがある。町内では12年ぶりとなる町長選に向けて議論が活発化しそうだ。
湯川町長ら町執行部の答弁要旨は以下の通り。
森の可能性を広げたい
山北町は90%以上が森林。脱炭素、CO2を減らすのは非常に大事な問題だ。
我々は森林からさまざまな恩恵を受けている。これまでは林業や木材利用という流れのなかで山を捉えていた。それ自体は良いことだが、それに特化するよりはさまざまな森の可能性を広げていきたい。遊び場、学習、木育の場として使えるのではないか。
今ある森林を未来の子どもたちにどのように届けるか。それが我々大人に与えられた一つの使命だ。そういう基本理念を共有できる自治体、企業、個人といった大勢の人の賛同を得ながら、積極的に進めていきたい。
「チルドレン・フォレスト・オフィサー」(森林活動に参加した人に贈られる山北町独自の認証制度)を考えている。
森林が持っている水源涵養力などは宝物のようだと思っている。
時間はかかると思うが、森林が持っている宝物を次の世代の子どもたちに渡していく、届ける責務があると思っている。
必要に応じて木育施設拡充も
町立「共和のもりセンター」には木工用工具が備えられた体験室などがあり、これまでも交流事業に利用されてきた。
森林に囲まれた施設の立地条件や設置目的からも木育拠点施設に相応しい。
木育を推進するには新たな施設を整備するのではなく、センターを拠点施設と位置づけ、必要に応じて機能や設備の拡充について指定管理者である共和連合自治会と調整する。
人口減少対策
人口は10年前と比較すると2千人弱の減少となっている。
転出者と転入者の差が少ない傾向にあるが、死亡者が出生者を大幅に上回り、毎年140人前後の差で推移している。
高齢化率についても10年前は約30%だったが、現在では40%を超える状況になっている。
0~18才の人口の割合も10年前の14%から11%と約500人の減少となっている。
少子化に歯止めをかけるため、さまざまな子育て支援事業の充実を図ってきた。
団塊の世代が順次75才以上に到達することから、総人口の減少と相まって高齢化率は増加傾向が続くと推測される。
人口減少の問題については少子高齢化のみならず定住総合対策事業大綱を基本として情勢の変化を捉えて随時計画の見直しを行うなど、効果的な対策を図れるよう取り組んでいく。