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2023AW_読んだもの_はじめて学ぶ海洋学_疑問1:夕方の風

 こんにちは、最近体の調子が良くて、釣りに行けるようになって嬉しいです。大好きな秋ですし、暑くないですし、秋ですし。でも現地に居ると、やっぱりわたしには知識がないなぁと思って、休みの日に家で起きている時間は本を読んでいました。
 最初に読み始めたのは『一般気象学』という本です。釣りに行こうとするときに気にする、風や波のメカニズム、これは当然ながら気象によるものです。タイドグラフを鮮やかにする月と地球と太陽の関係も、ふかくふかく気象に係る部分です。だからまずは気象学を学ぼうと思いました。でも恥ずかしながら今のわたしには理解がむつかしかったです。なのでその前段として、気象に大きく寄与する海洋について、まずはIntroから勉強しようと手に取った本について書きます。それが『はじめて学ぶ海洋学』という本です。『一般気象学』については、ちゃんと読めた後に、改めてまとめたいと思います。

 ただ海で釣りをするのに、なんだか壮大な遠回りをしてるのかしらという気持ちもしますが、こんな風に本を読むことが好きなのでよしとします。この本を読んで普段釣りをする上で解消した疑問があるので、ここに書きます。長くなっちゃったので今日は1つしか書けませんでしたが、同じ疑問を持っている人の役に立ちますように(以下の説明は概要です。学術的に厳密な用語を用いずに書きます。「だいたいこんな感じなのね」くらいで読んでもらえると幸いです)。

疑問1:マイスターがよく言う「夕方になると風が変わる」とは、どんなことなのか

 風を感じてるなんてやっぱりマイスターなんだなって思ってました。そして「風が変わる」って具体的になんなのだろうと。
 これは、よく考えたら当たり前なのですが、熱輸送で説明がつきました。熱輸送とは、高温側から低温側に空気を媒体として熱の循環が行われることです。よく知られているように、あたたかな空気は上昇し、冷たい空気は下降します。これが部屋の中で行われれば、空気の対流が形成されます。火を使ってシチューとか作ると部屋全体があったかくなるアレです。空気の加熱と冷却によって作り出されるy軸方向の流れは、x軸方向の流れを二次的に誘発します。同じことが陸地と海洋でも発生します。これを海陸風と言うそうです。
 陸地は、海洋と比較して比熱容量が小さく、熱しやすく、冷めやすいです。一方で海洋は、当たり前ですが陸より比熱容量が大きいです。これらが接するところで海陸風は発生します。昼間の太陽に照らされてあたたまった陸地上の空気は、上昇気流となり、先ほどの部屋の例のようにx軸方向に移動し、陸地と比較して冷たい海洋上では下降気流となります。一方で夜は一般的に、放射冷却によって陸地が冷たくされて、海洋より相対的に温度が低下します。この場合昼と逆の対流が発生します。イメージを下図に示します。

p38. 図 2-7 海陸風のメカニズムより抜粋(ピンぼけ)

 ざっくり書くと、昼は海から陸側への風が、夜は陸側から海への風が発生するということです。厳密には、その場所の地形や構造物によって風は流体として複雑な経路を辿りますが、大きな流れとしては上記の通りです。
 つまりマイスターがおっしゃっていた「風が変わる」と言うのは、風向きと風の温度が変わることなんだなと理解しました。

 そうなると次の疑問です。「風が変わると釣り方がどう変わるの」です。風により発生する波を「風波」といい、その風域(海域)を出て伝播した波を「うねり」と言います(私のいた水の界隈ではそう呼んでいましたが、釣りで言う「うねり」はまた別の意味があるようです)。
 釣りをしている領域で風を感じてそれが釣り方に影響するのなら、マイスターは前者を気にしていることになります。でもマイスターが波を見て気にしていることは、風波からはわからないと思いました。マイスターはいつも波を見て地形変化を辿っています。つまり、波を気にするときは、風による波自体はマイスターの欲しい情報ではないことです。よって風そのものがパラメタであると思いました。
 エギングではPEを使うことが多いと思うので、風の影響を受けやすいです。そのため、横風を受けると、エギは膨らんだラインの先にあることになるので、風上に投げたほうがアクションしやすいと思いました。つまり投げる方向が変わることです。別に昼と夜が交代しなくても、風向きが変われば同じ結論ではありました。

まとめ

  • 「夕方になると風が変わる」のは、海から吹いていた風が陸から吹くようになること。風の温度も変わること。

  • 風向きが変わるとキャストの方向を変えることが吉。

 写真はまだ夏だった横須賀です。この日は昼と夜の境目を超えて、日が変わるくらいまで寝てました。釣れなくて。

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