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パガニーニの漫画19

悪魔とさえ信じられたヴァイオリンの名手、ニコロ・パガニーニの人生を綴った漫画です。期待と不安で迎えたパリでのデビューコンサート、パガニーニの演奏は耳の肥えたパリの聴衆をも虜にしました。遠い昔母親と交わした言葉を思い出しながら、”世界一のヴァイオリニスト”へ到達した喜びを噛み締めるパガニーニでしたが…

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つづく…


誹謗中傷に苦しんだパガニーニ

今も昔も、有名人が誹謗中傷に苦しめられるのは変わらないようです。
パガニーニが有名になるにつれ、悪質な噂も増えました。「守銭奴」「悪魔の手先」など、その内容は様々でしたが、一番彼を苦しめたのは「殺人犯」という噂でした。

自分の伝記を今か今かと待っているのは、武勇伝を誇示したいわけではなく、虚偽の、根も葉もない嘘の告発で私の名誉を傷つけることを楽しんでいる悪質なゴシップ記事を黙らせるためです。

ショットキーさん(伝記の執筆者)に連絡をしているのですがなかなか進みません。その間にも悪党たちは悪質な記事を楽しんでいます。早く噂を止めたいんです。

ショットキーさんに、早く伝記が完成してほしいとの旨をお伝えください。伝記が出れば、私の名誉が知られ、真実が詐欺師たちの口を塞ぐでしょう。

パガニーニからジョバンニ・バティスタ・ゴルディジャーニへ 1829 3月10日 ベルリン

パガニーニはゴシップ記事に対抗するために、自分の経歴を細かく説明した伝記を発行することを思い付きます。伝記は1830年に出版されましたが、誹謗中傷が止むことはありませんでした。


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