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英語力ゼロでソロ海外トレイルへ スウェーデン/Kungsleden 3日目

 朝起きると雨風が止んでいた。風があったからかテントも前室に置いておいた靴も乾いていた。今日は曇り。午後から雨なので、早めに出発 する。目的地は25km先にあるアーレスヤーレという小屋。途中、チェクチャ峠という峠を越える日でもあるので、少しアップダウンがありそう。

 アーレスヤーレを目指す。25km!
渡らせる気のない橋たち
 昨日と同じく午前中は天気がいい

 小屋をでる際に小屋に泊まっていてトイレから帰ってきた紳士が小さく手を振ってくれて、とても嬉しくなったので両手で振り替えしたら、笑われた。
 歩き始めてからすぐ曇り空。昨日と同様、誰ともすれ違わず広大な景色のなかにぽつんと1人だけ。鳥たちの鳴き声や風の音、滝の音に耳を澄ませる。1人で歩いてるからこそ感じられる静けさがとても好き。

 だんだんと雲が増えてきた
 赤の印を辿っていく
 あの鞍部を越える

 峠に差し掛かると少々登りがキツくなる。登るにつれて高山植物が増えてきた。鞍部に差し掛かると、そこには白・黄色・ピンクの花が咲き乱れていた。

チェクチャ峠から谷を見下ろす

 お花の時期なのか、これまでもちょこちょこ咲いてはいたが、ここは段違いに密集して咲いている。ちなみに、白い花はチングルマの仲間らしい。夢中で写真を撮っているうちに、またふと頭を上げるとトナカイの群れがっ!!なかなか急な斜面をご飯を食べながら歩いていた。


 そして、峠を越えてみると反対側の斜面にはまだ雪が残っていた。チェンスパやアイゼンは要らない程度。ツボ足で進む。

 鞍部には避難小屋がある
 残雪が結構ある
峠を越えた反対側の景色
不純物が少ないのか、所々青い

 この辺りからポツポツと雨が降り始めてきた。少し急ぐ。今日も少し肌寒い。Tシャツ・ウィンドブレーカーの上にレインウェアを来ているが、峠を越えたら風も強まり体感温度が低くなった。手袋をしていないと手が凍えてしまいそうだ。少し早足で中間地点の小屋、チェクチャ小屋に向かう。
 チェクチャ小屋が見えてきた。小屋に行くにはトレイルから300m逸れ、橋を渡って対岸に進むらしい。トイレにも寄りたいし寄り道していく。

 チェクチャの看板
 結構高度感のある橋
この橋を渡って対岸に行く
 チェクチャ小屋の展望のいいトイレ

 小屋の中は見なかったが、ここも眺めが良さそうな小屋だ。トイレを済ませてから、寒いので少し厚着をしてまたトレイルに戻る。この先もなかなかのお花天国だった。

 チェクチャを過ぎてからすれ違う人が多くなってきた。今日の目的地アーレスヤーレまではあと3-4時間。チェクチャの小屋を過ぎてか1時間くらいしたところで、すれ違う人に立て続けに『小屋まであとどれくらい?』と聞かれたのは少し面白かった。もしかしたら北上ルートより南下ルートのほうが傾斜がキツく感じるのだろうか。
 雨は強くなることなくしとしと降っている。雄大な景色を眺めながら進んでいると、空色の川が見えてきた。川岸には今日の目的地、アーレスヤーレ小屋がある。

 トレイルは木道も結構ある。
 
曇り空でも空色の川
アーレスヤーレ小屋が見えてきた

 セルカの小屋を出てから約9時間、本日の目的地アーレスヤーレに到着。橋を渡って対岸に向かうと風は最大級に強くなった。どうやらこの小屋はもろに風を受けるらしい。管理人の女性に『welcome!』といわれていたのを『Where are you from?』と聞き間違えて、ずっと「Salka! Salka!」と言っていた。噛み合わないわけだ。
 管理人さんが橋が見える方面よりサウナ小屋があるほうが風がましになると教えてくれた。(ましなだけでめちゃめちゃ強風。) 小屋のまわりにテントを張る場合は300SEK、無料で張る場合は橋を渡って対岸に張ってと言われる。トイレが近いほうがありがたいのと、テント場からの景色がとても良かったので迷わずお金を払うことに決めた。絶景ポジションを定めてテントを張り始める。思えば、こんな風が強い日にテントを張ったことがない。ペグで固定しつつ四苦八苦しながらなんとか張る。寝てる間に飛ばされたら嫌なので、ペグダウンはしっかりと。雨風が若干強まってきたところで無事に張り終えた。

小屋へ行くには空色の川を渡る
 アーレスヤーレの小屋
売店もしっかりあった
絶景ポイント。この辺りにテントを張る
見えている小屋がサウナ小屋

 サウナ小屋の向かって右側に降りていくと水が汲める。ここの水も相変わらず美味しい。テントを張り終えて今日も爆睡。明日の目的地は20km先のキャンプ場。1日曇り予報で雨は降らないようなので、ゆっくりと起きて出発しよう。おやすみなさい。

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