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ふつうの先生が子どもたちの学びや授業の成否を簡単に把握しようと思ったら、、

名人級の能力があるわけでない、ふつうの先生のわたしが子どもたちの学びを評価したり、授業の成否を客観的に把握したり、次時へどうつなげようかと思ったらAIを使うといいんじゃないかと思ってます。

先生の仕事はいったん教室に入れば30人前後の子どもに対して大人1人の孤独な仕事です。学年に複数のクラスがあれば同僚に相談することもできますが、毎時間できるわけじゃないですし、単学級のこともあります。また、様々な事情から(敢えてフセマス)同僚を頼れない、、なんてこともあるかも知れません。

昔ならここでため息の毎日なのですが、今は生成AIがあります。私、ChatGPTに相談することにしています。以下、こんな感じでやってるよーという手順を簡単に。

1.情報の準備

まず、生成AIに分析させるためにはテキスト情報が必要です。ふり返りをフォームで集めている場合はスプレッドシートなどにして、そこから必要な情報をコピーします。
私の場合、最近、miroというオンラインホワイトボードを使ってます。
こんなのです ↓

「えーこれ、一個ずつテキストをコピペするんですか!!!」
なんて思う人いるかもしれません。大丈夫です。miroは付箋の内容をCSV(Excel)に書き出せます。

①範囲を選択します。

②3つの点から「CSVにエクスポート(エクセル)」を選択します。

③出力されたCSVをExcelで開きます。

あとはテキストをばばーっとコピーします。そして、生成AI(私はChatGPT)に貼り付けます。

この際、多少のずれは概要を把握したいので目をつぶります。ある程度のいい加減さがないと続けられません。もちろん、研究授業みたいなのは細部までこだわりますけど笑

2.プロンプトの調整

さて、分析させたいテキスト(1で作成したもの)を生成AIに貼り付けたら、プロンプトを入れます。今回は以下のプロンプトを使いました。


以下は子どもたちの探求学習における課題と気づき、振り返りです。入力された文章において、以下の制約条件のもと、集計と分析を行ってください。
# 制約条件:
1.子どもたちの課題をタイプごとに分類し、リストアップせよ
2.その際、課題は回答数の多い順に並べよ
3.気づきや振り返りから考察できるこの学級の生徒の興味や関心、学びの深まりを400字程度で分析せよ
4.学びの深まりの様子を評価し、行動心理学に基づくネクストアクションを具体的に提案せよ


生成AIの分析の肝はプロンプトです。AIはいつも変わらずそこにいてくれます。誰に対しても平等に応答してくれます。違いが出るとすれば、「何をさせるか」「どんな指示を与えるか」です。ここの工夫がAIを便利なものにするか、期待外れのものにするかの分かれ道ーと思ってます。

3.生成

準備ができたら生成します。ばばーと文字が書き出されるのを眺めていると期待感が高まります。一回でうまくいかないときは何度か生成させるといい感じになります。

4.その評価でほんとに大丈夫???

さて、AIが作成してくれる評価や考察は、スバラシイ内容に見えがちです。
ただ、よーく読むと「あれ?」「ほんとに?」なんて内容が記述されていることにも気づきます。そうです。AIは指示に対して「それっぽい」回答を返しているだけなので、けっこう適当です笑

ただ、孤独な毎日をおくる先生たちには、授業について客観的に把握するためのアシスタントとしての役割を十分に果たしてくれますので、「ほんとに大丈夫???」そんな疑いの目をもちつつ活用するといいのではーと思ってます。ざっくり学びの様子を捉えたり、どんな傾向があるかの分析には十分役立ちます!

5.プロンプトを変えてみると、、

また、プロンプトを変えると同じテキストでも様々な角度から分析を加えてくれます。

例えば、先ほどのテキストにこんな指示を与えてみました。


社会の学習における探究学習の記録である。どのような学びがあったかを分類せよ。また、学びが起きなかった児童がいればその要因を振り返りから分析せよ。



すると、こんな分析結果を得られます。


学びが起きなかった記録

学びが起きなかった記録は明確には記されていませんが、以下の要因が考えられます:

  1. 課題の設定が不明確

    • 課題の設定が曖昧だったり、具体性に欠ける場合、児童が何を学ぶべきか理解できない可能性があります。

  2. サポート不足

    • 児童が質問や調査の方法に困っているときに、適切なサポートが提供されなかった場合、学びが停滞することがあります。

  3. リソースの利用不足

    • インターネットや参考資料の効果的な利用ができない場合、情報の収集が困難となり、学びが深まらないことがあります。

振り返りと改善策

  1. 明確な課題設定

    • 具体的で明確な課題を設定し、児童が何を調べ、何を学ぶべきかを明確に伝える。

  2. 適切なサポートの提供

    • 児童が調査や学習で困難を感じたときに、適切なサポートやアドバイスを提供する。また、検索の仕方や情報の整理方法を教える。

  3. リソースの有効活用

    • インターネットや参考書を効果的に活用する方法を教え、必要な情報を適切に収集できるように支援する。



なかなかだと思いませんか?こんな分析をもとに、次の探究が充実するように調整をしていくと、授業の技量を上げることもできると思います。
やっぱりいいアシスタントです笑。

6.プロンプト集(どうぞ使ってください)

私が使って便利だったプロンプトを紹介します。どうぞご自由にお使いください。私は「GoogleKeep」にプロンプトをどかっと貼り付けてあって、いつでもそこからコピペできるようにしています。参考までに!

<プロンプト集>

①探究学習の分析
以下は子どもたちの探求学習における課題と気づき、振り返りです。入力された文章において、以下の制約条件のもと、集計と分析を行ってください。
# 制約条件:
1.子どもたちの課題をタイプごとに分類し、リストアップせよ
2.その際、課題は回答数の多い順に並べよ
3.気づきや振り返りから考察できるこの学級の生徒の興味や関心、学びの深まりを400字程度で分析せよ
4.学びの深まりの様子を評価し、行動心理学に基づくネクストアクションを具体的に提案せよ


②振り返りの分析(振り返りからどのような学びがあったかを掴み、不十分な点を分析する)
# 命令書:
あなたは優れた教師です。
以下の制約条件と入力文に基づき生徒の振り返りについて最高の評価と分析を行ってください。

# 制約条件:
1.振り返りから授業での学びを類型化、回答数も示せ
2.その際、代表的な振り返りの記述をリストアップ
3.学びの深まりが見られなかったふり返りをタイプごとにまとめ、回答数を示せ
4.なぜ学びが深まらなかったか、原因と推測される記述をリストアップし、考察
5.学びが深まらなかった生徒への改善策を提案

# 入力文:

③ふり返りの分析
1.あなたは、プロのカウンセラーです。上記の箇条書きの内容からふり返りをします。経験、感情(その経験に対して抱いた感情)、価値観(判断に用いた基準、ものの見方)の3点を抽出してください。
2.1.の内容を受けて、行動心理学に基づいたネクストアクションを具体的に提案してください。


④文章を作成する(キーワードやキーフレーズから文章を作成する)
# 命令書:
以下の制約条件のもと、入力されたキーワードまたはキーフレーズから新たに文章を生成せよ。

# 制約条件:
1.入力されたキーワードまたはキーフレーズを用いる
2.文章量は入力文のキーワードとキーフレーズの2倍程度にする
3.論理の矛盾を起こさず、自然な文脈になるように、入力文の順序を入れ替えたり、削除したり、語尾を整えたり、必要な説明・情報を補ったりする
4.文法上の誤り、誤字脱字、漢字の表記ミスがないようにする
5.キーワードやキーフレーズにない比喩は使わない
6.段落ごとにわかりやすく適切な見出しを付ける。

# 入力文:


⑤ふり返りの分析(評価メイン)
以下の制約条件と入力文をもとに、生徒の振り返りの評価と分析をしてください。

# 制約条件:
1.提出された振り返りを次の7つの観点で評価せよ
(1)学習指導要領のねらいに合致していれば加点(0~10MAX)
(2)協働や対話で、自己の考えを広げ深めていれば加点(0~10MAX)
(3)自己成長の意欲や努力、粘り強く取り組む態度は加点(0~10MAX)
(4)学習内容について自身の考察があれば加点(0~10MAX)
(5)問題を見いだしたり、解決策を考えたりしていれば加点(0~10MAX)
(6)知識を相互に関連付けたり、自らの生活に生かそうとしていれば加点(0~10MAX)
(7)文字数が少ない児童や学習内容の理解が不十分な記述、日本語として誤った文法や誤表記は減点(-10~0MAX)

2.特に優れている3人をリストアップし、理由を考察せよ。

# 入力文:

⑥ふり返りから授業における学びを分析する
# 命令書:
あなたは優れた教師です。
以下の制約条件と入力文に基づき生徒の振り返りについて最高の評価と分析を行ってください。

# 制約条件:
1.振り返りから授業での学びを類型化、回答数も示せ
2.その際、代表的な振り返りの記述をリストアップ
3.ふり返りから授業について考察せよ
4.よりよいものにするための改善策があれば提案せよ

# 入力文:


⑦振り返りから疑問や問いを分類・整理する(単元の最初に行う問題作り)
# 命令書:
以下の制約条件のもとで入力された振り返りについて集計と分析を行ってください。

# 制約条件:
1.子どもたちの疑問をタイプごとに分類し、問いの形でリストアップせよ
2.その際、問いは回答数の多い順に並べよ
3.振り返りから考察できる生徒の興味や関心を分析せよ
4.調べ学習を行う際のキーワードを示せ

# 入力文:


⑧その他、よく使うもの

1 基本的な質問
・〇〇とは?
・〇〇について教えてください
・〇〇のメリットとデメリットは?
・〇〇の良い点と悪い点は?
・〇〇と〇〇の違いは?
・〇〇する方法は?
・〇〇するにはどのようにしたらいいですか?
・〇〇と〇〇の類似点、相違点は?

2 テキストの作成
・〇〇をテーマに記事を書くので、タイトルを考えて
・〇〇というタイトルから見出しを〇〇個考えて
・〇〇というキーワードから文章を作って
・〇〇を同じ意味で言い換えて

3 業務効率化
(1)正確な情報をもとに
・以下を要約して
・以下を要約して、ポイントをテーブルに
・以下を校正して
・以下を校正して、校正前後がわかるようにテーブルにせよ
・以下の文章の誤字脱字を訂正したり、文法上の誤りが無いように正しい表記や表現に改めよ。さらに、前後のつながりが明確になるように説明や接続詞を補ったりするなどの校正、変更した箇所を強調し、テーブルにせよ。テーブルは校正前を左、校正後を右にせよ

(2)アンケート結果などを
・以下をテーブルに
・以下をリストに
・以下を分類

(3)指示(プロンプト)を工夫する
・以下の内容を集計して、結果をテーブルに
・以下を分類。分類ごとに回答数を集計して、テーブルに
・以下を10に分類。分類ごとに回答数を集計して、テーブルに

4 条件設定
・〇〇文字以内で
・箇条書きで
・〇〇個の例を挙げて
・小学生でもわかるように
・さらに5つの例をください
・さらに文章を短くして
・〇〇文字以内で要約して
・〇〇というキーワードは必ず使って文章を作って

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