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2016年8月の記事一覧
鉄とチーズケーキ: ニュージャージーとニューヨークの小さな旅
ニューヨークで久しぶりに列車に乗った。
プリンストンまでの出張。そこにある語学研究所での打ち合わせが目的だ。
プリンストンといえば大学都市で有名で、アメリカの知の集積といっても過言ではない。
でも、ニューヨークから現地までの窓辺の光景はそれとは正反対。
よくこの国が、宇宙開発ができるものと思うほど、そこは錆び付いた鉄の世界。
しかも利用している列車ものろのろガタガタ。
ちょっと晴天なの
ハバナの風、強者どもの夢の跡
1946年の晩秋、一人の男がハバナの港に降り立った。男の名前はラッキー・ルチアーノ、一時はニューヨークを拠点に全米を牛耳っていたマフィアの大物。出身はイタリアのシシリーである。彼は、8ヶ月前にアメリカからイタリアへ強制送還されたばかりだった。
迎えにきたのはルチアーノの片腕で、ニューヨークのシマをとりしきるマイヤー・ランスキー。「トムが大統領候補だって。なんとかならないのかい」ルチアーノはランス
火山と殺戮、岩と繁栄
この島は、地中から吐き出された玄武岩でできている。この島の女は逞しく、海に潜りアワビを採る。男はどちらかというとおっとりとしているという。実際、ガソリンスタンドなどで忙しく働く女性が目立つ。
そこは、太古は耽羅国と呼ばれた小さな独立国だった。そんな昔から、人々は岩を削って像を造り、後年になって半島からの勢力に飲み込まれた頃には、石を積み上げて畑を囲み、墓場にも玄武岩を削った守り神をおいた。そして
二つの川の物語 ~セントローレンス川とミシシッピ川~
アメリカの大部分がフランスだった頃があったことを知っていますか?
18世世紀半ば、北はカナダ東部から南はニューオーリンズまでの広大な地域がフランスに属していたのです。
同じ頃、アメリカ東海岸に入植者を送り、植民地を拡大していたイギリスは、現在のペンシルバニア州、そしてオハイオ州周辺でフランスの植民地と接触、そこで新大陸の利権をめぐる小競り合いがはじまります。
1854年、フランスの植民地にイギリ