見出し画像

【推しの子】【考察】⑤鏑木プロデューサーについて【ネタバレ注意】

 ストーリー:赤坂アカ × 画:横槍メンゴ の最強タッグで描かれる芸能界サスペンス「推しの子」は週刊ヤングジャンプで好評連載中です。
 この記事では、最新話までの情報から、様々な考察を行っていきます。
【注意】ネタバレが大量に含まれるので、未読の方は回避お願いします。事故防止のために改行及び作品リンク等挟みます。
###
###
###
###
###
###
###
###
###
###
###

[今回のテーマ]「鏑木プロデューサーについて」
 今回の考察テーマは、父親を捜すアクアに深くかかわることとなった鏑木プロデューサーについてです。
 有馬かなやルビー、アクアを差し置いてなぜこのキャラ考察なのかですが、後述のとおり、鏑木Pはアクアやルビーをどんどんと芸能界に引き込む野心家であり、物語の終盤で彼らに試練を与える存在になるのではないかと思われるからです。

鏑木P

① 「今日あま」メイキング時からの人物像
 インターネットテレビ局「ドットTV!」所属のプロデューサーで、ドラマ「今日あま」をイケメンモデルの宣材とし、有馬かなを雑に利用するプロデューサーと、やや悪役寄りの人物として出てきます。
 ただ、いくらやり手だとしても、赤字判断をプロデューサーの立場で押し切れるわけはないので、「今日あま」の宣材化は役員クラスの意向でもあるのでしょう。
 モデル事務所との繋がりが強く、とにかく顔面至上主義。逆に言えば彼の人脈筋は、モデルは強いが、役者等は不得手と思われます。
 有馬かなとも約10年の長い付き合いがありますが、「使い勝手ラクでいい」「タダ同然でネームバリュー使えて得」と、この時点での彼女への評価は散々です。

鏑木P3

② 「今日あま」打ち上げでのアクアとの会話より
 鏑木Pは、「収益は厳しかったが、君みたいな才能に機会与える目的は達成できた」と褒め、アクアを高く評価します。
 そして、アクアが「アイと似てる」と気づいた鏑木Pですが、アクアがアイの話題に食いついて来るや、仕事の話だけでなく、「事務所に内緒で男と会う店紹介してあげた」といきなりゴシップ暴露してきます。にもかかわらず、アクアがゴシップに食いつくと、「ん-? 君もしかしてアイくんのファン? 故人のゴシップに興味ある?」と聞き返してきました。
 さて、鏑木Pは「ゴシップに興味ある?」と聞き返すくらいなのに、なぜアイのゴシップをぶっこんで来たのでしょうか?

アイ秘密2

 これは、ゴシップ話を振ったわけではなく、アクアの興味を惹くために「自分なら事務所に内緒で異性(有馬かな)と会うための良い店を紹介できる」とアピールするのが目的だったのではないかと考えられます。
 鏑木Pはまもなく始まる「今ガチ」のキャストを探していたはずなので、現場でうまく立ち回って「今日あま」最終回を成功に導いた陰の立役者であるアクアを最初から引き込むつもりだったと考えられます。
 そこで、アイの話に答える一方でアクアを引き込む糸口を探っていたのでしょう。まずモデルの仕事、営業先を紹介した話。しかし、芸能活動に消極的なアクアはそこには食いつきません。
 そこで、鏑木Pは彼を連れてきた有馬かなとの関係から攻めようとします。二人は恋仲ではない様子。ならば、「苺プロが所属タレントのアクアを縛っているので、2人は付き合えてないのでは?」と考えたのでしょう。
 アクアがなぜか昔のアイドルのファンで、ゴシップの方に食らいついてきたのは嬉しい誤算だったというわけです。(もちろん、アイの情報が欲しいアクアにとっても僥倖だったわけですが)
 ここから鏑木Pは、仕事もプライベートの話題も貪欲に利用して人脈構築にいそしむ人物であると読み取れます。ただ相手を利用するわけでなく、ギブアンドテイクで来るようですので、悪人というわけではなさそうです。

鏑木P5

③ 31話「ガチ恋」打ち上げにて
 「ガチ恋」でのアクアの働きは鏑木Pの予想を遥かに超えていたでしょう。黒川あかね自殺未遂トラブルを収めた上、番組への注目を良い方向へともたらし、ラストではカップル成立までやってくれたわけですから。
 鏑木Pは「君を使った俺の目は間違ってなかったかな?」とアクアを持ち上げた上で、収録時の素材流用が上の方で問題視された話を出してきます。
 「問題にはならなかった話」を出してきたのは、アクアに対する警告というよりは、アクアの性向を探る目的があったものと思われます。
 これからもアクアを使っていきたい、アクアに才能を感じる鏑木Pとしては、アクアが深く考えず番組に逆らうような、ただ反抗的な子供であったら困るわけです。そこで、「考えのない子供」か「うまい大人」かを見極めるための「問題にはならなかった話」なのでしょう。
 もちろん、契約まで理解しているアクアは後者です。鏑木Pは満足気な表情と共に、寿司屋でアイの話をする約束をします。もちろん、アイの話をネタに会食に持ち込み、アクアとのさらなる関係強化を図るつもりです。

鏑木P6

④ 33,34話の寿司屋にて
 アクアが10数年前のアイドルにこだわる様子は、鏑木Pには理解不能で危ういものに見えたでしょう。「ままならないものだね」と、半ば憐憫、半ばあきらめの言葉と共に、彼はアイの過去を語り始めます。
 活動初期のアイを「子供」と酷評しつつも劇団「ララライ」を紹介し、さらにアクアにも紹介する等、ここでもただの顔面至上主義者ではない、未来への人脈投資に勤しむ姿が見て取れます。
 また、彼はここでアクアに「タレント業とはハッタリ勝負」「この業界は貸し借りの世界」と芸能界についての持論を展開しますが、これは、彼の口を通して作者がこの作品における芸能界のリアルを語ったものでしょう。(マンガサイトで「お仕事マンガ」に分類されるだけあると思います)

鏑木P語る

⑤ とにかく先行投資、発掘…これぞP道
 寿司屋でひととおり語った鏑木Pは、アクアの前で今度はMEMに連絡し、JIFへの参加をねじ込んで、B小町に本格デビューの道を開きます。鷲見ゆきにしても、「事務所の看板モデルに仕事を取られてヒマしてるところを「今ガチ」に誘われた」と語っていました。アクアの件も含めて、非常に精力的な人材発掘ぶりです。
 気づけば彼は、主要登場人物、組織、イベントのほとんどと絡んでいます。物語における最重要人物の1人として、今後も活躍(暗躍?)し続けるでしょう。

コネ

⑥ 今後の彼の役割は?
 ここまで鏑木Pは、アクアの父親探索に絶好の道筋を提供するばかりか、B小町にも支援してくれる、非常に都合の良い人物となっています。
 しかし、一方でそれが打算によるものだということはオープンになってます。なので、いずれ彼はアクアたちに大きなしっぺ返しをもたらすことになると思われます。
 プロデューサーである彼のもたらす「しっぺ返し」として考えられるのは、やはり「意に沿わない仕事をやらされる」があると思います。
 例として挙げられるのがMEMの「今ガチ」出演です。いくら自分のチャンネルに導線が引けるといっても、25歳の彼女が高校生同士の恋愛リアリティショーに出演するのは、アクアもドン引きの所業です。もしばれたらチャンネル閉鎖どころでない大々炎上の高リスク案件でしょう。

メンタル化け物

 そんな仕事をMEMが進んでやるわけもなく、断ろうにも断れなかったものと思われます(MEMの実年齢を知っていれば呼ぶわけもなく、鏑木Pとしても悪気はなかったのでしょうが)。そして、アクア達も、もう鏑木Pに仕事を頼まれたら断れない立ち位置になりつつあります。
 物語的には、「今ガチ」同様、アクアたちに恋愛トラブルをもたらすような仕事が降ってくるのが定番でしょう(問題あるタレントとの共演やラブシーンありのドラマ等)。アクアは放っておいても「ララライ」で恋愛トラブルに巻き込まれるでしょうから、順番的には有馬かなへの仕事でしょうか? 彼女のどんより曇る表情がたくさん見られる…かも。

いずれキスシーン

 もちろん、過酷な泥仕事や、苦手な能力を試される大仕事、ライバルとの仁義なき争いというような線も考えられますが、まだ高校生の彼らにはやや設定しにくいシチュエーションではと思われます。

 以上、駄文失礼しました。
 次回のテーマは未定です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?