武重謙@山のクジラを獲りたくて

ハンター。作家。ライター。ゲストハウス経営。狩猟ブログ『山のクジラを獲りたくて』。雑誌…

武重謙@山のクジラを獲りたくて

ハンター。作家。ライター。ゲストハウス経営。狩猟ブログ『山のクジラを獲りたくて』。雑誌『狩猟生活』『ガンズ&シューティング』などに寄稿。 著書:『山のクジラを獲りたくて』(山と渓谷社) http://amzn.to/2NYn9Sv

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  • たとえばぼくがハンターです

    ハンターってどんな人? 何をやって、いつもどんなことを感じているの? ハンターではないすべての人に向けて、1つの例としてハンターであるぼくの日常を書いてみたいと思います。もちろんハンターといってもいろんな人がいます。あくまでサンプルとして覗き見てやってください。 あくまで狩猟なんて知らないよ、という人に向けて書いています。 もっと突っ込んだ狩猟情報などはブログ『山のクジラを獲りたくて』をご覧ください。 http://yamanokujira.com

最近の記事

肉を肉で例えない

狩猟をやっていると、シカやイノシシなど、町で暮らしていたら食べる機会の少ない肉を食べる機会が多くなる。先日、ヒグマを食す機会があり、それが驚くほど美味くて、味見のつもりが腹一杯食べてしまった。 ——なんて話を人にすると、よく聞かれることがある。 「ヒグマの肉って何に似てるんですか? 牛? 豚?」 ぼくは根が頑固なので、この手の質問には答えないようにしている。めんどくさいと思われるかもしれないのだけど、ヒグマの肉はヒグマの味がする、としか言いようがないのだ。 たとえば牛

    • 始めてシカを獲った日

      そのシカはぼくが構えたスコープの中で、こちらを見ていた。 危機を感じている目でもなかったと思う。 「なんだろう?」 そんな好奇心の目に見えたけど、もちろんぼくはシカの表情なんて読めないし、シカが何を考えているのかだって分からない(安易に動物の考えを日本語に置き換える行為が好きではない)。 構えた銃の引き金を引けばあのシカは死ぬ。引くのをやめれば、もちろんシカは死なない。その瞬間にぼくは何を思っただろう。 --- 獲物を仕留める場面は狩猟という行為の中でピークであり

      • 猟師と呼ばないで

        ぼくは鉄砲を持っている。自衛隊でもないし、警察でもない。射撃のオリンピック選手でもない。ハンターだ。シカやイノシシ、たまにカモを獲って食べている。 「ああ、猟師さんなのね」 たぶんそう思った人が多いと思う。間違えとまでは言わないし、リアルでこう言われたときにいちいち訂正したりもしない。だけど心の中でちょっと首を傾げてしまう。それが「猟師」って言葉なのですよ。 「猟師」って言葉は特別な意味がある。 たとえば海の堤防で糸を垂らしている人を指差して「漁師だ」とは言わないでし

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